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龍神NIPPON2023シーズンを個人的にふりかえる

パリ五輪予選が終わりイタリアリーグ開幕が今週末に迫っているので、その前に今年の日本男子代表シーズンについて個人的な感想を簡単に述べたいと思います。

今年は控えめに言って最高のシーズンでした!!!

少なくとも僕がバレーボールを見始めた2000年代前半から考えると本当に信じられないくらいに最高のシーズンだったと自信を持って言えます。

まずシンプルに結果が出ました。

ネーションズリーグでは30年ぶりのブラジル撃破、怒涛の10連勝で予選2位通過、そのまま46年ぶりの世界大会銅メダル獲得。

その後のアジア選手権でも3大会ぶりの優勝、そして最後はパリ五輪出場権獲得。

シーズン当初目標としていたことを今年はすべて達成したのみならず、プラスアルファの結果まで出したシーズンでした。世界ランキングも気づけば4位です。4位ですよ?!?!ロシアがいないことを考慮しても4位は凄すぎる。でもこの数字に負けないくらいに今年の龍神NIPPONは本当に強かったと思います。

今年の記事の中でもなんども言いましたが「普通に強い」んですよね。

これまでも強豪や格上とされるチームに勝つことはありましたが、やはりそういう試合ってなんとなく「頑張っている感」というか、いつも以上のパフォーマンスを出してようやく勝てた感がありました。でも今年はどこか余裕があるように感じられたんですよね。

それが当たり前というか、これまでギアを上げてようやく出せていた力が最初から出せるようになっていた。強い相手にリードされても慌てないし、実際にその後逆転しちゃうシーンを何度見たことか。プレー全体から自信が溢れているような感じ、自信があるから慌てないし、慌てないから実際に逆転もできる。強者の風格すら感じました。僕たちの龍神NIPPONがついにこのレベルまで来たのかと本当に誇らしい気分にさせてくれました。

強い、そして楽しい、ワクワクするバレーボールをたくさん見させていただきました。

五輪予選の最初の2試合こそ、今年唯一彼ららしくない試合となってしまったものの、しっかり切り替えてその後の4試合をすべてストレートで勝ったこともやはり今年の強い龍神NIPPONだったからこそ成しえたことだと思っています。

そして今年個人的にツイていたのが、重要な試合を仕事・プライベート含めすべて現地で見届けることができたこと。

今年はネーションズリーグ予選ラウンド(フランス)、ファイナルラウンド(ポーランド)、アジア選手権(イラン)、そしてパリ五輪予選の最後の2試合を現地で見ました。

ますフランスでは30年ぶりのブラジルからの勝利を大興奮で見届けます。

今思うとやっぱりこの勝利が追い風になったというか、この勝利で自信が確信に変わってチームとして一皮むけたような気がしています。

次にポーランドでは46年ぶりのメダル獲得の瞬間を見届けました。泣きました(笑)。

イランではブブゼラ鳴り響く完全アウェイの会場でアジア制覇を見届けます。

そして締めは代々木でのパリ五輪出場権獲得!

こればかりは本当に運がよかったと言うしかないです。でもイランに関しては自分でもよく現地まで行ったなと思います(笑)。

こんなにワンシーズンで歴史的な試合に立ち会えたのは本当に最高でした。チームスタッフ以外でこの4試合をすべて現場で見たのはおそらく僕だけでしょう。なんなんだ僕は(笑)。

この中で特に印象に残っている試合はネーションズリーグの3位決定戦です。僕の第2の母国である大好きなポーランドの地で、大好きな龍神NIPPONが46年ぶりの快挙を成し遂げたというはやっぱり今思い出しても感慨深すぎます。ポーランドファンの皆さんもどちらかというと日本推しで会場の雰囲気もとってもよかった。何より第5セット出だしの宮浦選手のサービスエースに泣いた…(笑)。

日本のファンの皆さんにとっては日本開催でメディアも盛り上げていたパリ五輪予選の方が印象深いと思いますし、選手の皆さんもパリ五輪出場権獲得を今年の最大の目標に掲げてプレッシャーもあったと思います。ただ個人的にはこのネーションズリーグでのメダル獲得の方がより誇らしいことだと思っています。およそ半世紀も止まっていた歴史を彼らは変えてくれたんです。

そして今年の代表シーズンの何が特別だったかというと、ヨーロッパリーグ、特にポーランドの宮浦健人選手、そしてイタリアの石川祐希選手と髙橋藍選手にシーズン通して取材をして初めての代表シーズンだったのです。

宮浦選手は12試合。

石川選手は9試合。

髙橋藍選手は8試合取材させていただきました。

やっぱり何度も彼らのプレーを現地で見て、彼らの声を直接聞いたあとの代表シーズンというのはもうそれまでと同じ見方はできませんでした。今まで以上に感情移入しながら試合を見ていましたし、彼らのことをより知ったことで「頑張れぇぇぇぇぇ!!!!!」という気持ちが数段強くなりました(未だに声には出さないけど)。

特に僕が住んでいたポーランドで出場機会にあまり恵まれなかった宮浦選手の代表での爆発的な活躍は、苦しみながらも頑張っている姿を近くで見ていたからこそ、自分のことのように嬉しかったです。

でもまさかあそこまで爆発するとは思ってませんでしたが(笑)。

今の代表選手は本当にいい意味で予想を裏切ってくれる選手ばかりで本当に頼もしい限りです!誇りです!!

以上、今年の龍神NIPPONを個人的に、簡単にふりかえってみました!

みなさんにとってはどんなシーズンだったでしょうか?

写真:筆者撮影

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