試合レポート

龍神NIPPON、スロベニアに3-0で勝利しパリ五輪出場権獲得!!!!!!

パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023男子大会初6日目、日本代表はスロベニアと対戦し3-0(25-21, 25-22, 25-18)で勝利しました。この結果本大会で2位以上の成績になることが確定し、来年のパリオリンピックの出場権を獲得しました。

第1セットスタメン

日本

OH:髙橋藍、石川
MB:小野寺、髙橋健太郎
OP:西田
S:関田
L:山本

スロベニア

OH:ウルナルト、チェブイ
MB:パイェンク、コザメルニク
OP:モジッチ
S:ヴィンチッチ
L:コヴァチッチ

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

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試合レポート

第1セット、序盤は日本のミスで失点を重ねて1-6とスロベニアがリードします。そこから日本がS関田の効果的なサーブやMB小野寺のブロック、OH髙橋藍のサービスエースなどでブレイクするも、スロベニアもサイドアタッカー3人のスパイクなどで応戦し13-16とリードを保ちます。しかし再びS関田のサーブからラリーに繋いだボールをOH石川が連続で決める4連続ブレイクで18-16と日本が逆転に成功します。終盤にもOH石川のサーブからMB髙橋健太郎のダイレクトスパイク、さらにOP西田の強烈なサーブからのOH髙橋藍のダイレクトスパイクが決まるなどして25-21でこのセットを日本が取ります。

第2セット、MB小野寺の好サーブからS関田のブロックやOH髙橋藍のパイプ攻撃が決まって6-5と日本が先行しますが、OPモジッチとOHチェブリのサービスエースなどで8-11とスロベニアが逆転します。しかしMB小野寺のブロックやOP西田のサービスエースで12-12と日本が同点に追いつくと、さらに西田と石川のスパイクやスロベニアのミスで17-16と日本が逆転に成功します。終盤にOH髙橋藍のブロックやスロベニアのミスで22-19と日本が点差を広げると、最後はOP西田がスパイクを決めきって25-22でこのセットも日本が取ります。

第3セット、第2セット途中からコートに入ったMB山内がそのままスタートから起用されます。序盤からMB小野寺のクイックやOH髙橋藍のアタックで5-2と日本がリードします。そこからスロベニアがOPモジッチのスパイクやMBコザメルニクのブロックなどで7-7と同点に追いつくと、中盤にOHウルナルトのサービスエースで13-14と逆転に成功します。しかし直後にスロベニアのコンビミスからS関田がダイレクトスパイクを決め、さらにOH髙橋藍の2本のサービスエースで18-14と日本が再度点差を広げます。終盤にもS関田のサービスエースなどで23-16とさらにリードを広げると、24点目にOH石川のスパイク、そして最後はスロベニアのサーブミスで25-18とし、このセットも取った日本が3-0でスロベニアに勝利しました。

TOSHIKI'S MVP

日本:S関田誠大

2得点(うちサーブ1、ブロック1)、チームアタック決定率56%

最多得点だった石川にもMVPをあげたいところですが、やはり今日は関田だったかなと思います。試合全体でチームアタック決定率56%という高い数字を残したゲームメイクのほか、第1セットは自身のサーブから計6ブレイクで逆転のきっかけを作りました。サーブは試合を通して高いブレイク率で第3セットにはサービスエースもあり、またブロックでも1キル2タッチと存在感を示せていました。持ち味であるミドルブロッカーへのセットも試合序盤は相手の徹底マークに合いなかなか決定率が上がりませんでしたが、サイドアタッカーの決定率が上がるにつれてマークが薄まり、逆にサイド攻撃の数字が下がった第3セットはミドルブロッカーのクイックで立て直しました。また珍しく相手のフリーボールを直接スパイクで決めるシーンもありましたが、直前に相手の反則があったらしく公式記録上は残りませんでした…(笑)。

スロベニア:OPロク・モジッチ

16得点(うちサーブ3)、アタック効果率45.45%

この試合のベストスコアラー。高さとパワーのあるスパイクをサーブで得点を量産しました。特に彼のサーブは入れば高確率でエース、もしくはブレイクを取れていたので彼のサーブがもっと入っていたら試合はわからなかったかもしれません。ただスロベニアは彼以外の選手がほとんど効果的にアタックを決められていなかったのでモジッチ頼みになりすぎてしまったのが敗因のひとつとも言えるでしょう。日本対スロベニアではなく、日本対モジッチみたいになってましたね。でもそんなひとりのスター選手にやられるほど今の日本代表は弱くないのです。でも本来のポジションはアウトサイドヒッターなんですよね。なんでもできるマンです。

感想など

この日は現地観戦でした!!!

龍神NIPPONパリ五輪出場権獲得!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

最高ですね。スロベニアに3-0で勝てばパリ五輪が決まるというところで見事に3-0で勝ってパリ行きを決めてくれました。

個人的に最終アメリカ戦が消化試合になってしまうのはちょっと残念ではあったので、「今日3-1で勝って明日までわからないドキドキを楽しみたい」と思ったりもしていましたが(笑)、彼らはそんな今のスロベニアに1セットでも落としてしまうようなチームではなかったですね。

フィンランドに苦戦し、エジプトに敗れた彼らの姿はもうどこにもありませんでした。

第1セット序盤はミスが重なって大きくリードされました。石川がモジッチとのマッチアップに苦しみ、ジャウスト(ネット上の押し合い)に負けて失点した時は吠えてました。また試合序盤の切り込み隊長のクイックに対してもブロックタッチを取られてなかなか決定率があがりません。

しかしそんな中でもミドル陣のブロックや、ラン・タカハシのエース、さらに関田の相手のチェブリを狙ったサーブからのゴリゴリの石川祭りで連続ブレイクを奪い気づけば逆転。

そして最後はいつもよりゴリラ味の増した(ほめている)西田の強烈なサーブから藍のダイレクトスパイクが決まり日本が第1セットを先取。キャプテン石川がベンチに向かって吠えまくります。

今日は石川もなんだかゴリラと化してました(ほめています)。

第2セット、序盤はラン・タカハシが珍しくスパイクを続けてミスするなどありましたが、その後はお互いにサービスエースやブロックでブレイクを取りながらバチバチの攻防を繰り広げます。

関田のブロック、相手の裏をかく藍のパイプティップ、モジッチの強烈なエース。ワンプレーワンプレーがとてもアツい。

途中健太郎が脚をつった(?)かで山内に交代。彼も肩を痛めてチュニジア戦以降外れてましたが、そのブランクを感じさせない素晴らしいプレー。むしろみんなの本来のプレーを見てずっとウズウズしていたのかもしれません。

15-15の場面ではギリギリのところで1本目を取った石川にサラッとトスをあげるドS関田とそれをサラッと決める石川を拝めました。相手が「こいつはもう攻撃参加できないだろ」って思う選手にとことんトスをあげるのが関田なんですよね。これがいい(笑)。

そこからモジッチがまたサービスエースを決めて同点になって緊張が走りましたが、今日のモジッチはサーブが続きません。

逆に藍がウルナルトを止めるブロック、自ら拾ってからのパイプなど華麗に決めて23-20。そして最後は西田がラインいっぱいのスパイクを決めて25-22で日本がセット連取!!!

そしてこの試合も日本にもう「魔の第3セット」はありませんでした。

むしろ序盤から小野寺のクイックが決まりだしてスタートダッシュに成功。5-2の場面では藍がブロックの手を引いてウルナルトのミスを誘いました。この辺りの駆け引きはまさに今シーズンのイタリアリーグで磨かれたものですね。

第3セットはここまで以上に得点が決まる事にみんな吠えます。もうみんなゴリラだね!!!

得点にならないプレーでも、必死のワンハンドレシーブが、ブロックタッチが、彼らの120%が伝わるプレーのひとつひとつが胸をアツくさせます。

スロベニアもウルナルトのサービスエースで13-14と一時リードしますが、今の日本代表にそんなの関係ありません。

むしろそこから火が付いて関田のアタック!藍のサービスエース2本とと突き放しにかかります。

スロベニアの最後の頼みの綱だったモジッチのサーブもミスになり、関田のサービスエース、西田のスパイク、そして石川のスパイクでオリンピックポイントに。

ここで狙ったかのように石川にサーブが回ってくるも、渾身の全力サーブは惜しくもアウトに。

「最後のポイントは誰かのスパイクで決めてほしいからサーブミスだけはやめて!」とスロベニアのコザメルニクに念じましたが、その願いは通じず彼のサーブもミスになり、3-0で日本の勝利。パリオリンピック行きを決めました。

今年の日本の強さならパリオリンピックに行くの当然と信じて疑っていなかったので、決まってそんなに動じないかなとか思っていましたが、実際にパリオリンピックが決まった瞬間の選手たちの表情を見てしまうと、やっぱり込み上げてくるものがありました。

特に今年31歳で亡くなった元日本代表の藤井さんのユニフレームを着た関田くんのインタビューには胸を打たれました。

特に今シーズンは公式戦は映像も含めてすべてライブで見て、さらに30年ぶりのブラジルからの勝利、46年ぶりの主要世界大会でのメダル獲得、アジア選手権優勝など、重要な試合はすべて現地で見届けてきた(チームスタッフ以外では僕だけだと思います)ので、やっぱり今年のチームは自分にとっても特別な存在だったんだなと改めて気付かされました。

そんな大好きなチームのオリンピック出場決定の瞬間にも立ち会うことができて、自分で言うのもあれですが、本当に僕は持ってますね!(笑)最高に幸せです!!

ちょうど選手の入退場口に近い席でもあったので、退場のときに選手に声をかけました。宮浦くんや藍くんには気づいてもらえませんてしたが、山本龍くんだけ気づいてくれました(笑)またコーチの深津さん(次男)にも「おめでとうございます」とお伝えすることができました。

また会場で僕に気づいてお声がけくださった皆さん、本当ありがとうございました!とっても嬉しかったです!最終日もよろしくお願いします!(笑)

順位表(6日目終了時点)

1.アメリカ 6勝0敗 18ポイント ★
2.日本 5勝1敗 15ポイント ★

3.スロベニア 4勝2敗 12ポイント(セット率2.6)
4.セルビア 3勝3敗 9ポイント
5.トルコ 3勝3敗 8ポイント
6.エジプト 2勝4敗 4ポイント
7.フィンランド 1勝5敗 5ポイント
8.チュニジア 0勝6敗 1ポイント

★パリ五輪出場権獲得

今後の試合予定

10月8日(日) vsアメリカ

※試合開始はいずれも19時25分から

Photo: FIVB

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