日本代表 男子

日本男子バレー、ブラジル相手に30年ぶりの勝利!!!!!!

2023年6月23日

ネーションズリーグ第2週3日目、バレーボール男子日本代表はブラジルと対戦し3-2(25-23, 25-21, 18-25, 22-25, 18-16)で勝利しました。

第1セットスタメン

日本

OH:髙橋藍、石川
MB:小野寺、山内
OP:宮浦
S:関田
L:山本

ブラジル

OH:オノラト、ルカレッリ
MB:オタヴィオ、ルーカス
OP:アラン
S:ブルーノ
L:タレス

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット、序盤からOH髙橋藍2本、S関田1本、MB山内1本とサービスエースが続いて9-5と日本がリードします。ブラジルもOPアランを中心に得点しますが、OH石川やOP宮浦のスパイクを中心にコンスタントにサイドアウトを取った日本が24-20と先にセットポイントを迎えます。そこからミスが重なり24-23と1点差まで詰め寄られますが、最後はOH髙橋藍がスパイクを決めきって25-23でこのセットを日本が取ります。

第2セット、OH石川のスパイクが立て続けに決まり日本が序盤から9-4とリードします。その後もOH石川のスパイクを中心に得点を重ねた日本が18-11と点差を広げます。ブラジルもMBルーカスのクイックなどで得点を重ねて21-18と3点まで点差を縮めますが、最後はまたOH髙橋藍がスパイクを決めきって25-21でこのセットも日本が取ります。

第3セット、ブラジルがOHオノラトのスパイクやブロックでブレイクして5-8と先行すると、中盤にもこのセットからスタートで入ったSフェルナンドのサービスエースやOPアランのスパイクで13-19とさらに点差を広げます。その後も日本はメンバーのほとんどを総入れ替えしますがブラジルとの点差は縮められず、最後はMB髙橋健太郎のサーブがミスになり18-25でこのセットをブラジルが取ります。

第4セット、序盤から日本はOH石川、ブラジルはOHオノラトを中心にお互いブレイクも交えながら得点を重ねて12-12まで進みます。第3セットから出ていたMBフラヴィオの連続ブロックで12-15とブラジルが抜け出すと、さらにOPアランのスパイクなどで19-23とブラジルがリードを保ちます。そして最後はOHルカレッリのスパイクが決まって22-25でこのセットもブラジルが取り、勝負はタイブレークに進みます。

第5セット、このセットはMB山内に代えてMB髙橋健太郎をスタートから起用します。序盤から競った展開となり、日本はOP宮浦やOH髙橋藍、ブラジルはOPアランやMBヌネスを中心に得点を重ねて11-11まで進みます。その後OH石川のパイプ攻撃とOP宮浦のサービスエースで13-11と日本が1歩抜け出し、さらにOP宮浦スパイクで14-12と日本が先にマッチポイントを迎えます。しかしそこからミスが続いて14-14と試合はデュースに突入。それでも最後はOH石川の強烈なサーブから作ったチャンスをOH髙橋藍が決めきって18-16でこのセットを取った日本が3-2でブラジルに勝利しました。

これで日本はVNL予選ラウンドの通算成績を7戦7勝20ポイントとし暫定1位をキープ。なおファイナルラウンドには開催国ポーランドを除く上位7チームが進むことができます。

次は日本時間6月24日(土)20:00からアルゼンチンと対戦します。

個人的MVP

日本:L山本智大

サーブレシーブ成功率62%

ブラジル代表ルカレッリいわく「クレイジーなリベロ」。この試合でもそのクレイジーさが遺憾なく発揮され、安定したサーブレシーブのほか、クレイジーな神ディグや神カバーで次々とピンチをチャンスに変えました。この試合は自分のメモに何度「山本ヤバい」書いたかわからない(笑)。彼の活躍と言えばやっぱり派手なディグに目が行きがちですが、個人的には第4セットの5-7の場面でのサーブレシーブの場面で自分でサーブレシーブをしたあとにギリギリのところで動いて味方の攻撃枚数を減らさなかったというプレーに感動しました。意識が高すぎる。これが日本の守護神。これが日本の強さ。

次点:OH石川祐希(27得点(サーブ2)、アタック効果率51%、サーブレシーブ成功率50%)

ブラジル:Sフェルナンド・クレリング

1得点(うちサーブ1)

ブルーノに代わって途中から入って試合を変えた立役者。特に彼が入ってからOHオノラトが生きて日本を苦しめました。またサーブも驚異的。ブルーノも年だし、彼を正セッターに据えてもいいんじゃなかろうか。ちなみに来シーズンはモンツァで髙橋藍とチームメイトになる予定。

感想など

歴史的大勝利!!!!!!!

公式戦で日本男子がブラジルに勝ったのは1993年以来ちょうど30年ぶりとのことです。ということは僕が生きている間ほとんどずっと勝ててなかった。そしてそれが今日破られた。なんて日だ。

まずなんといっても我らがミヤケンこと宮浦が親善試合も含めて今年初スタメンを飾りました。ただ直近のクラブシーズンも含めてスタメンで試合に出る機会がほどんどなかったことからか、これまでの途中出場のときとは違い序盤は苦しんでいました。

その代わり序盤から石川髙橋の両アウトサイドヒッターが絶好調でほとんど2セット目までほとんど失点することなく、あのブラジル相手に高い決定力で次々と得点をあげていたほか、日本のサーブとディフェンスが機能してあれよあれよと日本が2セット連取。

1セット目は2点差と競ってましたけど、2セット目は4点差と比較的余裕のある試合展開だったので「これもしや3-0で日本が勝つんじゃないか」みたいな雰囲気が会場内を漂っていました。

しかしやっぱりそこはブラジル。

3セット目からブラジルの選手の半分以上が入れ替わると、ブラジルのサーブとブロック、そしてサイドアウトが改善され、逆にほとんど日本が追う展開になりいつの間にやら3,4と取られて勝負はフルセットに。

正直この時点ではミラノでコッパイタリア準決勝やプレーオフ準決勝などでの2-0からの逆転負けを見てしまってきた僕にとってはいいイメージを描くことは難しく、さらに今大会からのルールでどちらかが8点先にとってもコートチェンジがなく日本は最後までこのままセットを取っていない方のコートでプレーしなければならないという事実が一層日本の勝利のイメージを描かせてくれませんでした。

そんな不安を浮かべていた僕に対し、当の選手たちは緊張感のなかにもどこかリラックスしている様子が見られ、その目からは自信と言うか信念と言うか「やってやる」という気持ちがバチバチ伝わってきました。

そんな中で始まったファイナルセット。

1本目いきなり宮浦のスパイクがシャットされて悲鳴をあげてしまいましたが、そこから宮浦がブロックとスパイクの2連続得点で日本先行。

あ、ちなみにこのセットはワンプレーごとに自然とこぶしと声をあげてリアクションしてしまっていました(笑)。

そこからハイボールをラン・タカハシが連続で決めて4-3。

ラン・タカハシが頼もしすぎる。どんなボールも必ず得点かリバウンドにしてくれる。

そしてブラジルの連続ミスで7-5と日本が抜け出すも、ブラジルのクイックで9-10と逆転…。

でもすぐさまラン・タカハシがサイドアウト、そして難しいハイボールをキャプテン石川がバックから得点に変える!!!!!!11-10!!!!

そして12-11の場面でミヤケンのサーブ。

サーブを武器にしている宮浦ですが、この試合ここまでエース0本ミス7本とサーブの調子がよくありませんでした。

しかし…

エーーーーーーーース!!!!!!!(ここで筆者は涙)

13-11と2点差!15点マッチなのであと2回サイドアウトを取れば勝利!!

勝てる!!

宮浦の2本目のサーブはミスになったものの、直後に3枚ブロックを弾き飛ばすスパイクで得点し14-12。

この次の髙橋藍のサーブもミスになるも、次にサイドアウトを取れば勝ち。

関田は石川にボールを託す……アウト!!!!14-14同点!

やばいっす。去年のフランス戦が頭をよぎります。

また勝利を掴みかけただけで終わっちゃうの?!?!

とにかく僕ができることは祈るのみ。

次のラリー、ギリギリのところでルカレッリ渾身のスパイクを山本が拾う!!そして石川が決める!!!

15-14。

フラヴィオのクイック!15-15

ミヤケンのスパイク!!!16-15

5セット目終盤の宮浦は本当に神がかっていた。

なんだか吹っ切れたような感じ。

そうだよそれそれ。

ただブラジルもサイドアウトを決めてくる。16-16

でもこのあともレフトから宮浦!17-16

ミヤケン止まんない!!!!

そして石川のサーブ。

去年のフランス戦ではミスしてしまったサーブ。

いけ!

入った!

崩した!

チャンスボール!!

あわわわわわ…

ラン・タカハシ決まったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!

こうして僕は歴史の目撃者となりました。

バレーで泣いたのはいつぶりだろうか、というか初めてかもしれない。

やばい、日本強すぎる。

今回のブラジルはOHレアルがいないとはいえ、それでもブラジルですからね。誰が何と言おうと30年ぶりの大金星ですよ。

いや、マジでこれはメダル狙えますよ。

確信しましたよ。

次はファイナルのポーランドでメダルとるところを見届けてきますよ。

これはまだまだ序章ですよきっと。

しかし勝ったとはいえクイックがほとんど通らなかったとか改善点もあったので、まだまだ身を引き締めていかないといけません。

次のアルゼンチンもフランスに勝った相手なのでしっかりと対策しないと足元救われるでしょう。

でも本当に大勝利の瞬間に立ち会うことができて本当に幸せです!

最高です!!!!!!!!!!!!!

VNL第2週フランス大会情報

第2週の対戦相手の情報などは下記記事もしくは動画にまとめています。

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