試合レポート

石川祐希ミラノ、昨季王者ルーベに善戦するも1-3で敗れる

2022年12月6日

イタリア男子バレーボールリーグセリエA第10節、リーグ6位の石川祐希所属ミラノは現地時間12月5日(月)にホームで同5位のルーベ・チヴィタノーヴァ(以下ルーベ)と対戦し、1-3(21-25, 25-22, 22-25, 21-25)で敗れました。

石川祐希はこの試合もスタメンで出場し、チーム2番目の17得点の得点の活躍でした。

第1セットスタメン

ミラノ

OH:石川、
MB:ヴィテッリ(イタリア)
OH/MB:メルガレホ(キューバ)、エバディプール(イラン)
OP/MB:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)

ルーベ

OH:ニコロフ(ブルガリア)、ヤント(キューバ)
MB:シネニエゼ(フランス)、ディアマンティーニ(イタリア)
OP:ザイツェフ(イタリア)
S:デチェッコ(アルゼンチン)
L:バラーゾ(イタリア)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

ミラノはこの試合もMBロセルがベンチアウト、MBピアノも万全の状態ではなかったため、MBヴィテッリの対角にOHエバディプールを配置した変則フォーメーションで試合に臨みました。

第1セット、MBシネニエゼのサービスエースなどで早々にブレイクに成功したルーベが1-4と序盤からリードします。

ミラノもOH石川やMBヴィテッリのスパイクなどで得点しますが、サーブミスが続いてなかなか追いつくことができません。

ルーベは好調のMBシネニエゼがサーブだけでなくスパイク、そして中盤に連続ブロックも決めて12-15とします。

その後ミラノにもようやくブロックポイントが出て16-17と1点差まで迫りますが、すぐにルーベが再びMBシネニエゼのサーブからOPザイツェフのブロックなどで3連続ブレイクに成功し17-22と再度リードを広げます。

終盤ミラノのSポッロにエースが出ますが、最後はOHメルガレホのサーブがミスとなって21-25でこのセットをルーベが取ります。

第2セット、このセットも序盤からOPザイツェフとOHニコロフのスパイクで連続得点をあげたルーベが2-4とリードします。

しかしミラノもMBヴィテッリがルーベのOHヤントをブロックで止めてすぐに5-5と追いつくとそこからは2点差以上開かないまま試合が続きます。

その後この日好調のOH石川の連続スパイクなどでミラノが12-10と抜け出すと、更にSポッロのサーブから自身のエースを含む2連続ブレイクで18-15とリードを広げます。

ルーベはOPザイツェフに代えてOPガルシア(アメリカ)、OHヤントに代えてOHボットロ(イタリア)をコートに送り込みますが、大事な場面でOH石川がスパイクをしっかりと決めきり、最後はOHメルガレホのスパイクが決まって25-22でこのセットをミラノが取り返します。

第3セット、ルーベはOPガルシアとOHボットロをそのままコートに残します。

OHメルガレホのクイックでミラノが先に得点しますが、序盤はお互いにサーブミスが続いて5-5と点差が離れません。

その後ミラノはOPパトリィ、ルーベはOPガビやOHニコロフのスパイクを中心に得点を重ね、12-12と競った状態で中盤に差し掛かります。

しかし直後のOHニコロフのサーブからOHメルガレホが相手ブロックに連続でスパイクを阻まれるなどしてルーベが3連続ブレイクで12-16と一気に抜け出します。

追いつきたいミラノでしたが、ルーベのOHボットロのスパイクを止められず、更にOPガルシアにサービスエースが出るなどして17-23と逆に点差を広げられてしまいます。

その後OH石川のサーブから自身のエースやピアッツァ監督のナイスチャレンジにも助けられて3連続ブレイクで22-23と1点差まで詰め寄りますが、最後は2枚替えで入っていたOPローレンスのスパイクがブロックされて、22-25でこのセットはルーベが取ります。

第4セット、OHメルガレホが初っ端からサービスエースを決めますが、直後のサイドアウトの場面でスパイクミスをしてしまい1-3とルーベがリード。

その後OHニコロフのサーブが走ってミラノがサイドアウトに苦しみ、逆にルーベはカウンターで4人のアタッカーがそれぞれスパイクを決める4連続ブレイクで7-11と一気にリードを広げます。

更にこの後OHエバディプールにミスが続くなどして8-14とルーベのリードが更に広がります。

ミラノもこのままでは終わらず、OPパトリィの強烈なサーブからMBヴィテッリがダイレクトスパイクを決め、またSポッロにこの試合3度目となるサービスエースが出るなどして16-18と2点差まで迫ります。

その後終盤でMBヴィテッリにもエースが出て21-23としましたが、このあと2点が遠く、最後はOPガルシアが自身のディグで上げたボールを見事に決めきって21-25でこのセットもルーベが取り、セットカウント1-3でミラノは惜しくもルーベに敗れる結果となりました。

MVP:OHマッティア・ボットロ(11得点、アタック決定率92%!)

石川祐希はこの試合、チーム2位の17得点(うちサーブ1)、アタック決定率62%、サーブレシーブ成功率48%と素晴らしい活躍を見せるも、チームの勝利にはつながりませんでした。

ミラノはこれで通算5勝5敗14ポイントで暫定7位となりました。

次週は現地時間12月11日(日)18:00(日本時間翌2:00)から、アウェイで10位のターラントと対戦します。

次が前半戦最後の試合で、勝てばミラノのコッパイタリア出場が確実になります。

感想など

まず負けはしましたが、見ごたえのある素晴らしい試合だったと思います!

今週は特に宮浦のニサの試合、髙橋のパドヴァの試合と内容的に見ていて辛い試合が続いていたので、なおさら楽しく、ワクワクしながら見ることができました。

今週もミラノが3OHだったのは流石に驚きましたが、なんかもうみんな普通にプレーしてますよね。

石川のパフォーマンスはこの試合も素晴らしく、特にスパイクは今シーズン一番のパフォーマンスだったのではないでしょうか。

というのも62%の高い決定率はさることながら、なんとスパイク失点(ミスと被ブロック)がゼロ!!

26本もスパイク打って、16本も決めて、かつ失点ゼロなんて凄すぎます!!!

でもこれぞ石川祐希。

次こそはMVPを頼みます!!!

でも決定率でいえばMVPのボットロも11/12で92%…。

えぐすぎる。

サイドで92%とか初めて見たかもしれません。

今日はスタートじゃなく途中出場だったんですけど、途中から出てこれだけのパフォーマンスできるなんて!!

ボットロも密かに応援している選手なので頑張ってほしいですね。

ちなみにボットロは大のワンピース好きで、パドヴァでチームメイトだった髙橋とは今でも毎週最新話が公開される度にワンピースの話をするらしいです(笑)。

そして決定率でさらに凄かったのがミラノのMBヴィテッリ兄さん。

ミドルですが、16本打って15本決めての94%!!!

しかも石川と同じく失点ゼロ。

これは流石にいくら決定率が上がりやすいミドルとはいえ凄すぎる数字。

ヴィテッリ兄さんはミドルひとり体制になってからなんか益々輝きを放っているように見えます。

ピアノ、ロセルが戻ってきても兄さんのスタメンは堅いですね。

ミドルと言えば、ルーベのシネニエゼは昨シーズンミラノでプレーした選手。

彼もこの試合スパイク8、ブロック4、サーブ1と素晴らしい活躍でミラノを苦しめてくれました。

昨シーズンは石川とローテーションが隣合っていたこともあってか、試合中によく話しているイメージでした。

この試合中でも映像で石川が相手コートに向かってニヤッとするシーンがあったんですが、おそらくシネニエゼに向けて笑ったんじゃないかなと勝手に妄想してました(笑)。

しかしここで負けてしまったことで、コッパイタリア出場(前半戦終了時点で8位以上)の確定は来週まで持ち越しとなってしまいました。

来週のターラントは現在10位とはいえ侮れない相手です。

勝ち点3でしっかり勝って、少しでもいい組み合わせでコッパイタリアに臨みたいですね。

少なくとも8位通過だと初戦が無敗のペルージャとの対戦になるので、なんとしてもそこだけは避けなければ…。

写真:Lega Pallovolo Serie A

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