先日、バレーボール男子日本代表の主将の石川祐希が4シーズン過ごしたミラノを去り、来シーズンからペルージャへ移籍することが発表された。
ペルージャは世界クラブ選手権を含め2023/24シーズンに出場した大会ですべて優勝した、まさに世界最強クラブと言える。日本の石川祐希が、来季そのようなビッグクラブのユニフォームを着てイタリアリーグや欧州チャンピオンズリーグを戦うことになる。イタリアに来て10シーズン、少しずつ階段を駆け上がってようやく辿り着いた。
個人的にもいつかイタリアの「BIG4」と言われるクラブ、ペルージャ、トレンティーノ、チヴィタノーヴァ、モデナのどれかでスタメンとしてプレーしてほしいとずっと思っていたし、少なくともミラノ2年目くらいからはそれに値する実力も評価もあっただろう。
できればユニフォームデザイン的にトレンティーノ、もしくは1年目に所属したモデナにカムバックがいいなと思っていて、逆にペルージャはこの4つの中では一番イメージできないチームだった。
特に会見でも石川本人が言っていたが、ペルージャの14番というのは2013年から8シーズンペルージャに所属し、クラブがビッグクラブとなる過程で長らくチームの顔を務めていたセルビア人のアレクサンダル・アタナシェヴィッチという選手がつけていた番号だったので、その番号を別の選手がつけることをイメージできなかった。
またユニフォームデザインと立地的にも個人的に行ってほしくなかったが、もうこの際どうでもよい(笑)。
ただ1年目のモデナで監督をしていたロレンツェッティが現在ペルージャの監督になっており、その2人が10年のときを超えてまた一緒にバレーボールをするというのは胸アツ展開である。
とにかく今回の移籍は日本人として誇りに思う。
過去には加藤陽一がイタリアの当時のビッグクラブに所属していたことがあったが、そのときはあくまでベンチ要因であった。しかし今回の石川は大方スタメン要因としての移籍である。本人もそういう条件だったからこそ移籍を決めたところも大きいと思う。
しかしそうは言っても熾烈なスタメン争いは避けられない。来季のペルージャには石川と同じアウトサイドヒッターのポジションで昨季スタメンとしてチームの4冠に貢献したオレク・プロトニツキー(ウクライナ)とカミル・セメニウク(ポーランド)がどちらも残る。さらに2人とも攻守にバランスの取れサーブもよい、ざっくり言えば石川と似たタイプの選手であるのでアピールの部分でもこれまでとは難しくなってくるのではないかと思う。
プロトニツキーとセメニウクは個人的にとても好きな選手で、彼らが出られなくなるのを見るのも悲しいので、セッター対角にもアウトサイドヒッターを入れた3OHシステムで戦うペルージャも見てみたいものだが、ペルージャのオポジットのワシム・ベンタラ(チュニジア)も世界ナンバーワンオポジットのひとりなのでそれは難しいだろう。
ただやはり石川のコート上でのリーダーシップは彼の大きな強みではあると思うので、それがチームに上手くハマればスタメンも掴めると思う。
あとはイタリア代表セッター、シモーネ・ジャンネッリのトスを打つ石川もとても楽しみである。石川がパドヴァに所属していたときの元イタリア代表トラヴィッツァとのコンビが個人的には好きだったので、そのときかそれ以上のものをペルージャでは期待したい。
またまだ公式発表はないが、ミラノで一緒にプレーしたミドルブロッカーのアグスティン・ロセル(アルゼンチン)もペルージャへの移籍のうわさがあるので、そうなってくると来年も本当に手が付けられないチームになるだろう。
イタリアリーグとコッパイタリア連覇、欧州チャンピオンズリーグ制覇もふつうに射程圏内であるし、さらに日本への移籍が噂さている髙橋藍と世界クラブ選手権で対決なんてそんなリアルハイキュー最終話も想像してしまう。
パリ五輪のあともまだまだバレーボールは面白くなりそうである。
Photo: Sir Safety Perugia
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