イタリア男子バレーボールリーグセリエA第10節、髙橋藍所属のパドヴァは現地時間12月3日(土)にアウェイでトレントと対戦し、0-3(15-25, 16-25, 21-25)のストレートで敗れました。
この試合髙橋は第1セットのみスタートから、第3セットはサーブで途中から出場しましたが、1得点の活躍に留まりました。
第1セットスタメン
パドヴァ
OH:髙橋、デスメット(ベルギー)
MB:ヴォルパト(イタリア)、クロサート(イタリア)
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)
トレント
OH:ミケレット(イタリア)、ラヴィア(イタリア)
MB:ポドラスチャニン(セルビア)、リシナツ(セルビア)
OP:カジ―スキ(ブルガリア)
S:スベルトリ(イタリア)
L:ラウレンツァーノ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
第1セット、開始直後からトレントのSスベルトリがパドヴァのOHデスメットとLツェンガーの間を射抜くサービスエースを決めると、その後もOPペトコヴィッチを連続ブロック、更にOPカジ―スキのエースなどで3-6とトレントが序盤からパドヴァを突き放します。
更に髙橋もトレントのブロックに2回連続で捕まり、OHデスメットのパイプ攻撃も止められるなど、セット序盤で驚異の5本のブロックポイントを決めたトレントが5-11とパドヴァを突き放します。
その後パドヴァのスパイクがようやく決まり始めますが、それ以上にサーブで攻めてMBリシナツやOHラヴィアのスパイクで次々と得点を重ねたトレントが8-17と更に点差を広げます。
パドヴァは髙橋に代えてOHアスパルホフ(ブルガリア)を投入しますが状況は依然変わらず。
セット終盤にMBヴォルパトがOHラヴィアをブロックで止めて一矢報いて12-20とするも、最後はそのOHラヴィアのスパイクが決まって15-25でトレントが危なげなく第1セットを奪います。
第2セット、パドヴァはOHアスパルホフをそのままコートに残します。
序盤トレントのMBリシナツにエースが出て3-5とリードを許しますが、パドヴァもOPペトコヴィッチのスパイクなどでなんとか食らいつきます。
しかしサーブで攻めきれないパドヴァに対し、その後トレントはOHミケレット、そして再びMBリシナツにサービスエースが出て9-13と点差が広がります。
パドヴァもOHデスメットがスパイクで奮闘するものの、トレントがMBリシナツのスパイクなどでそのまま得点を重ね、Sスベルトリにもこの試合2本目となるダメ押しのエースが出て13-21となると、最後はOPカジ―スキがスパイクを決めて16-25でこのセットもトレントが取ります。
第3セット、序盤からドリブル、タッチネットといったミスが続いたパドヴァが2-5とトレントにリードを許します。
その後もOPカジ―スキのスパイク、OHラヴィアのエースなどで5-10とトレントが点差を広げていきます。
パドヴァもMBクロサートのサーブからこの試合初めて2連続ブレイクに成功して8-11としますが、その後OHアスパルホフに代わって入ったOHガルディーニに連続してミスが出るなどして10-15と再び5点差に戻ってしまいます。
しかしその後はOHガルディーニのスパイクなどでパドヴァが食らいつき、ようやくちゃんとした試合らしくなってきた18-21の場面でリリーフサーバー髙橋藍登場。
鋭いサーブで相手のサーブレシーブを大きく崩すと、返ってきたフリーボールを丁寧に処理し、それをOPペトコヴィッチが確実に決めて19-21と2点差に詰め寄ります。
ここでこの試合初めてトレントにタイムアウトを使わせ、更にタイムアウト明けのサーブも相手をレシーブを乱す好サーブとなりましたが、今度はOHラヴィアがハイセットをしっかりと決めて19-22とトレントの得点に。
パドヴァの反撃はもうここまでとなり、最後はOPペトコヴィッチのスパイクがOHミケレットのブロックに阻まれて21-25でこのセットも取り切ったトレントが0-3のストレートでパドヴァに勝利しました。
MVP:MBスレチコ・リシナツ(14得点(うちサーブ2、ブロック1)、アタック決定率73%)
髙橋の活躍は1得点、アタック決定率25%に留まりました。
これでパドヴァは通算成績を3勝6敗6ポイントとして暫定11位。
次は現地時間12月8日(木)17:00(日本時間翌1:00)から、ホームで同12位のシエナと対戦します(第6週延期分の試合)。
感想など
第3セットの髙橋のリリーフサーブの場面を除けば、正直見るに耐えない試合でした…。
相手が強豪のトレントだったこともあるでしょうが、パドヴァは今季ワーストの試合を更新したように思います。
パドヴァはチームとして本当に何がしたいのかよくわからないですね。
2本のブロックを浴びてしまったとはいえ、3本しかスパイクを打っていない髙橋を第1セット早々にアスパルホフに代え、でもいつものようにサーブレシーブでボロボロになり、逆に状況が悪化するといういつもパターン。
もう何回この展開を見せられているのだろうと思います。
パドヴァの選手たちの表情を見るにとても苦しんでいるようですし、タイムアウトのときの監督の言葉もあまり届いていないようにも見えました。
画面越しから見る髙橋の表情も今シーズン一番険しいというか、何か葛藤を抱えているようにも見えました。
トレントは確かに強豪ですが、通常のリーグに加えて欧州チャンピオンズリーグの試合もこなしており、この試合のつい3日前にもポーランドのチームと試合をしたばかりで疲労が抜け切れていなくてもおかしくなかったのです。
しかしこの日のパドヴァはトレントに対してほとんどプレッシャーをかけることができていなかったので、疲労も何も関係なかったことでしょう。
本当にこの試合はパドヴァを応援している身からすると、つまらないし見ていて辛い試合でしたね。
こんな試合を金とってファンの前で2度と見せてほしくはないです。
でも第3セットでガルディーニがちょっと活躍してくれたのは収穫だったと思います。
来週はガルディーニと髙橋の対角でもいいんじゃないでしょうか?
クッティーニ監督、よーく考えてチームとして取り得る最善の策を取ってください。
そしてもう一度シーズン序盤の輝きをチームに取り戻してください。
全力を出して負けちゃうのは仕方ないんです。
それは納得できます。
でも今のパドヴァは明らかに出せることをすべて出すことなく負けてしまっているように見えます。
こんなのもったいないじゃないですか。
もう一度元気なパドヴァをぜひ取り戻してほしいと思います。
次のシエナ戦、注目して見ましょう。

写真:Lega Pallovolo Serie A