試合レポート

宮浦健人ニサ、ワルシャワに逆転負けで4連敗

2022年12月11日

ポーランド男子バレーボールリーグ(プルスリーガ)第13節、宮浦健人所属でリーグ8位のニサは現地時間12月6日(火)にホームで同10位のワルシャワと対戦し、1-3(25-18, 21-25, 15-25, 20-25)で敗れました。

宮浦健人はオポジットとして途中出場し6得点の活躍を見せましたが、チームの勝利にはつながりませんでした。

第1セットスタメン

ニサ

OH:ゲルジョット(ポーランド)、クファソフスキ(ポーランド)
MB:ゼルバ(アルゼンチン)、アブラモヴィッチ(ポーランド)
OP:ベンタラ(チュニジア)
S:ズコウスキ(クロアチア)
L:デムビエツ(ポーランド)

ワルシャワ

OH:ティリ(フランス)、シャルプク(ポーランド)
MB:ヴロナ(ポーランド)、ノヴァコフスキ(ポーランド)
OP:クラヴェク(オランダ)
S:フィルレイ(ポーランド)
L:ヴォイタシェク(ポーランド)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット、開始早々ニサのOPベンタラがワルシャワのMBノヴァコフスキにブロックされてしまいますが、その後は高い決定率で次々とスパイクを決めていきます。

ワルシャワもOPクラヴェクを中心に得点を重ねて6-7としますが、ニサのSズコウスキのサービスエースなどで連続ブレイクに成功して10-7ニサがリードします。

更に続くOHクファソフスキのサーブでも2本のエースを含む3連続ブレイクで14-8とニサがワルシャワを突き放します。

18-12の場面でチャンスを得たリリーサーバー宮浦もこの流れに乗りたかったですが彼のサーブはミスとなります。

しかし終盤でOHクファソフスキが再びサービスエースを決めて21-16にするなど、サーブで攻めてOPベンタラがしっかりスパイクを決めてくるニサの勢いが止まらず、最後もOPベンタラが足でディグしたボールをOHゲルジョットが決めきって、25-19でこのセットはニサが取ります。

第2セット、また序盤でOHクファソフスキがワルシャワからサービスエースを奪うも、ワルシャワも緩急をつけたサーブで逆にニサのレセプションを揺さぶり、そこからOHティリのスパイクなどで得点を決めて4-7とリードを広げます。

ニサもOHゲルジョットのスパイクや久々のサービスエースなどで追い上げを図るも、ワルシャワはMBノヴァコフスキのブロックやOPクラヴェクのスパイクが決まって10-15とむしろ点差を広げていきます。

その後もアウトサイドの3人が高い決定力で得点を稼ぎ、サーブも効果的に機能したワルシャワがリードを保つと、最後はMBヴロナがスパイクを決めて21-25でこのセットはワルシャワが取り返します。

第3セット、序盤は互いにサイドアウトを取り合いながらも9-8とニサが1歩リードしたまま試合が進みます。

しかし直後のOHシャルプクのサーブからOHティリの連続ブロックなどで9-12とワルシャワが抜け出すと、その後もOHシャルプクのスパイクなどでブレイクを重ねて12-17とリードを広げていきます。

ニサは流れを変えるべくOP宮浦とSシュチュ―レク、OHエルグラオウイをコートに送り込みますが、ワルシャワのOPクラヴェクのエースやOHエルグラオウイが相手ブロックに連続して捕まるなどして逆に点差が広がってしまい、最後はOHティリのスパイクが決まって15-25でワルシャワがこのセットを危なげなくものにします。

第4セット、序盤でOPベンタラがサービスエースを決めてチームに流れを引き戻そうとしますが、OHシャルプクが連続でスパイクを決めて4-7とワルシャワがリードします。

更にOPベンタラがミスと被ブロックで続けてスパイク失点をして8-13とワルシャワにリードを広げられ、ニサはOPベンタラに代えてOP宮浦を再び投入。

OP宮浦は高い決定力を見せますが、OHシャルプクにエースが出るなどして12-20と逆にワルシャワにリードを広げられてしまいます。

終盤OP宮浦が渾身のサーブを放ち、自身のサービスエースを含む2連続ブレイクを成功させ18-22まで迫るもニサの反撃はここまで。

最後はリリーサーバーとして入ったOHエルグラオウイのサーブがミスとなり、20-25でこのセットも取ったワルシャワが1-3でニサを下しました。

MVP:OPニエルス・クラヴェク(17得点(うちサーブ2)、アタック決定率68%)

宮浦は6得点(うちサーブ1)、アタック決定率56%でした。

これでニサは通算6勝8敗20得点で暫定10位となりました。

次節は現地時間12月13日(火)20:30(日本時間翌4:30)から、アウェイで同14位のリヴィウと対戦します。

※リヴィウはウクライナのチームですが今シーズンからポーランドリーグに参戦。ただしホームゲームはポーランドのクラクフで行っています。

感想など

この日は現地観戦・取材でした!

この日は平日にも関わらず16:15からかなり早めの試合開始時間で、更に外は雨も降っているということで、ウォームアップ中にちょっと話した宮浦君も「今日なんか人少なそうですよね…」とこの日の客入りに関しては弱気な発言をされていました(笑)。

しかしいざ試合開始直前になってみると、そこそこお客さんが入っていました。

正確には1050人のお客さんが入っていたようで、確かに客層は定年を迎えられたであろうおじいちゃんおばあちゃんにだいぶ偏ってはいましたが、それで1000人以上お客さんが入るのは流石ポーランドだなと感じました。

そもそも日本のバレーボール会場におじいちゃんおばあちゃんの姿なんてほとんど見当たらないので、ポーランドという国でバレーボール観戦という娯楽がいかに幅広い層に浸透し、かつスタル・ニサというクラブがいかに地元の人に愛されているかということを改めて認識することができました。

この日の宮浦君のウォームアップのペアはゼルバ。

アルゼンチン代表のミドルブロッカーで、宮浦君と同い年で彼も今年からポーランドリーグでプレーし始め、2人ともポーランド語のわからない外国人同士など何かと共通点が多く、それゆえに仲がよいのかもしれませんね。

試合中のベンチでのふたり

この日の対戦相手のワルシャワですが、ポーランド代表・元代表選手を5人抱え、外国人選手にも東京オリピックで優勝したフランス代表のOHティリ(現パナソニックパンサーズ監督の息子さん)など充実した戦力を誇るチーム。

ニサはここまで3連敗と厳しい状況なのでどうしても勝っておきたい試合でした。

第1セットはそんな僕の願いも届いたのか、ニサのサーブが爆発してワルシャワを圧倒。

ニサはシーズン序盤こそ相手にサーブで攻め込まれながらもそれ以上に相手をサーブでゴリゴリに殴って試合に勝っていたチームでしたが、ここ最近はその強サーブ集団という特徴が影を潜めていたので、目の前でそのサーブで攻めまくるニサを見て、なんだかちょっと泣きそうでした…。

特にここ3試合は連敗でずっと苦しい試合が続いていたし、自分が最近現地で見たザビエルチェ戦もジェシュフ戦も0-3のボロ負けだったので、目の前でこんなに試合で生き生きしてるニサの選手たちを見れて、なんかもう、「よかったねみんな」ってなってしまっていました(笑)。

1セット目は、リリーサーバー宮浦のサーブがミスになってしまったこと以外は本当に完璧な試合運びだったと言って問題ないでしょう。

でもこれが続きませんでした。

ワルシャワは1セット目以上にサーブでニサのOHゲルジョットを狙ったり、ショートサーブでゆさぶりをかてきたりして、ニサはレセプショントラブルに直面。

またニサのサーブもなりを潜めてしまう始末…。

ワルシャワは1セット目不調だったOHシャルプクが2セット目以降はバンバン決めるようになっちゃったし、OPクラヴェクも相変わらず決定力高いし、たまに来るMBノヴァコフスキのえぐい角度のクイックも全然拾いきれへん…。

(唯一OHゲルジョットが久しぶりにサービスエースを決めてくれたのはうれしかったのですが、)そんな感じであれよあれよと2セット目取られて3セット目もワルシャワが大量リード。

ここ最近のいつものニサに戻ってしまった。

そして3枚替えで宮浦君投入。

宮浦君自身の調子は悪くなかったどころかむしろよかったのですが、同時に入ったOHエルグラオウイがボロボロ…。

ニサは選手交代が上手く機能するケースが少ないように感じるのは僕だけでしょうか?

4セット目も序盤からうまくいかずにOPベンタラから宮浦君に再び交代。

でも既に5点差ついてから巻き返すのはかなり厳しいですよプリンスキ監督、もうちょっと早めに出してあげて。

このあとの宮浦君のパフォーマンスがよかっただけになおさらそう思いました。

スパイクもよく決めるし、変なミスや被ブロックはなかったし、最後には力強いサーブでエースも決めてくれました。

本人の調子、パフォーマンスは本当によく感じましたし、宮浦君自身の言葉からもかなり自信を持ってプレーしていることを感じます。

スタメンOPベンタラは確かに高いポテンシャルの選手ですが、宮浦君もまったく遜色ないですし、プレーの安定感で言うと宮浦君の方があるようにも見えます。

しかしまだまだスタメンで使ってもらうには何か足りないのでしょうね。

もしくはやはり監督としてはベンタラに懸けたいという気持ちもあるのでしょう。

でもまだチャンスはある。

チームが上手くいっていないときだからこそ、ここで活躍してチームを立て直すことができればベンタラからスタメンを奪うチャンスも十分にあるんじゃないかと思います。

正直そのくらいでいないとこのポーランドリーグでは生き残れないですしね。

でも本人も虎視眈々とそのチャンスを伺っている様子でしたので、僕たちはそれを信じて、しっかりと見守っていきましょう!!

頑張れミヤケン!!!

あとこの日は日本からファンがひとりいらっしゃってましたね。

初めてのポーランドでニサという誤解を恐れずに言うとかなり辺ぴな場所に来られるなんてなかなかの強者(人のこと言えない(笑))。

それゆえに宮浦君への思いの強さも感じました。

今後もポーランドで日本人ファンの方に会えると嬉しいですね。

イタリアは既にいろんな方が行かれてるようですからなおさらポーランドにも来てほしい。

でも基本的にスタメン出場が約束されている石川や髙橋と違って、宮浦君は見に行っても試合に出るか、出てもちょっとだからというところで足かせになっている部分もあるように感じます。

そのためにもやっぱりスタメンを奪っちゃえ!!

やっちゃえ健人!(笑)

宮浦選手の試合後のコメントはこちら↓

写真:Katarzyna Barczak Fotografia、筆者撮影

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