試合レポート

ミラノ、石川祐希含む6名を欠きチヴィタノーヴァに0-3で敗れる

2023年3月5日

イタリア男子バレーボールリーグセリエA後半第10節、石川祐希所属ミラノ(8位)は現地時間3月4日(土)にアウェイでルーベ・チヴィタノーヴァ(4位、以下ルーベ)と対戦し、0-3(22-25, 15-25, 12-25)で敗れました。

石川祐希はこの試合ベンチ入りこそしていましたが、大事を取ってかウォームアップにも参加しませんでした。

その他ミラノは5名の新型コロナウィルス陽性者が出たため合わせて6人を欠き、計7人のみでこの試合に挑みました。

第1セットスタメン

ミラノ

OH:メルガレホ(キューバ)、ペサレージ(イタリア)
MB:フサロ(イタリア)、ピアノ(イタリア)
S/OP:ヴィテッリ(イタリア)、ロセル(アルゼンチン)
L:コロンボ(イタリア)

ルーベ

OH:ニコロフ(ブルガリア)、ヤント(キューバ)
MB:シネニエゼ(フランス)、アンザーニ(イタリア)
OP:ザイツェフ(イタリア)
S:デチェッコ(アルゼンチン)
L:バラーゾ(イタリア)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

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試合レポート

ミラノはセッター、オポジット、アウトサイドヒッターをそれぞれ2人ずつ欠いていたため、残ったメンバーの多くが本来のポジションとは異なるポジションでプレーしました。

1セット目は本来リベロのペサレージがアウトサイドヒッターに入り、本来ミドルブロッカーのヴィテッリとロセルの2人でセッターとオポジットを兼任する、いわゆるツーセッターで試合に臨みました。

1点目こそメルガレホがスパイクを決めてミラノがサイドアウトをとりますが、その後ザイツェフがスパイクとサーブで次々と得点を決めてルーベが1-5とリードします。

ただしミラノもそこからはメルガレホのスパイクやフサロのブロック、またルーベのミスでサイドアウトを取ると、その後ピアノのサーブからメルガレホが連続して得点を決めて19-17と逆転に成功します。

しかしヤントがメルガレホをブロックするなどしてすぐにルーベが20-21と逆転に成功すると、途中出場のガルシア(アメリカ)のサーブからも連続ブレイクを奪い、最後はアンザーニのアタックが決まって22-25で1セット目をルーベが取ります。

2セット目、ミラノはヴィテッリとペサレージの役割を入れ替えます。

またルーベは1セット目途中からニコロフに代わって入っていたボットロ(イタリア)をそのまま起用します。

ザイツェフがサーブでヴィテッリを狙ってサービスエースを含む4連続ブレイクで0-5とルーベがリードします。

そこからミラノはロセルやヴィテッリ、ルーベはボットロやザイツェフでサイドアウトを取り合って12-17まで試合が進んで行きます。

その後ルーベがヤントのサーブからボットロのブロックや自身のエースなどで一気に4連続ブレイクして12-22とミラノとの点差を大きく広げると、最後はピアノのサーブがミスとなり15-25でこのセットもルーベが取ります。

第3セット、ミラノはフォーメーションを第1セットのものに戻します。

それでもルーベが序盤からボットロとザイツェフを中心に連続得点を重ねて4-10と大きくリードします。

ミラノもロセルのサービスエースで7-11と点差を縮めるも、そこからロセルにミスが続くなどして7-15、さらに途中出場のガルシアのスパイクとサーブが続けて決まって9-19とルーベが点差を10点まで広げます。

終盤にもボットロのサービスエースなどでブレイクしたルーベが12-24と大差でマッチポイントを握ると、最後はロセルがライトから放ったスパイクがアウトになり12-25でこのセットも取ったルーベが0-3でミラノに勝利しました。

MVP:OHマティア・ボットロ(13得点(うちサーブ1、ブロック4)、アタック決定率62%、サーブレシーブ成功率57%)。

これでミラノは通算9勝12敗27ポイントとして8位を維持。

次の試合は現地時間3月12日(日)18:00(日本時間翌2:00)から、ホームで11位のターラントと対戦します。

この試合がレギュラーシーズン最終戦となります。

試合の感想など

人数・ポジションが少ない中でよくやったと思いますミラノ。

特にセッター不在の中でロセル、ヴィテッリ、ペサレージの3人でツーセッターを回してよくやったと思います(まさかこのセリエAでツーセッターを見れる日がくるとは思っていませんでした(笑))。

特に1セット目は、ルーベのミスに助けられた部分も多かったですが、ほとんどハイボールだったのにメルガレホがスパイクを決めまくっていましたし、初スタメンとなったフサロもサーブとブロックで活躍してましたし、ピアノのサーブからの連続ブレイクもすごかったですね。

メルガレホの対角が本来リベロのペサレージ(だだし190cmある)だったので、メルガレホが下がったときのサイドアウトが心配されましたけど、本来ミドルのロセルがサイドからスパイクを決めるなどしてなんとか乗り切ってました。

ただルーベがミスの多かったニコロフに代えてボットロを投入してからはもうずっとルーベペースでしたね。

あとやっぱり本職セッターがいないのでトスミスでの失点が多かったですし、サーブレシーブもかなり崩されていましたね。

特に初スタメンだったリベロのコロンボは正直ひどかった、まったくサーブレシーブでもつなぎでもとてもセリエAのレベルではなかったです(第3セットの最後にはピアノはコロンボと交代していませんでしたし)。

ただそんな中でもミラノの選手たちが楽しそうでした。

あのメンバーでルーベに勝つことはほとんど不可能だったと思うので完全に開き直っていたからかノープレッシャーだったのはあるでしょう。

特にロセルのセットからフサロがAクイックを決めたり、本来リベロのペサレージがスパイクを決めたりした場面ではベンチも一緒になって大きく盛り上がっていました。

ベンチにいた石川も普段よりかなり笑顔多めだったと思います。

例えが合っているかわかりませんが、なんか学生バレーで強豪校に立ち向かう弱小校を見ているような感じで、負けるのはわかっているけどそんな中でも頑張って出たいいプレーをみんなで喜ぶ。

公式戦で選手たちのこんな姿を見られるのはなかなかないと思うので、ロセル・ヴィテッリのツーセッターなども含めていろんな意味で面白い試合でした。

個人的なこの試合のハイライトは3セット目のヴィテッリのライトへのワンハンドセットですね(笑)。

試合後に選手に話を聞きたかったですが、チームから何も答えないように言われていたらしく、石川の脚の状態も含めて情報を聞き出すことはできませんでした。

ただ同時刻に行われていたピアチェンツァ対チステルナ戦は、チステルナがコッパイタリア優勝のピアチェンツァを3-0で下し、ミラノ1ポイント差と肉薄しているので、次のターラント戦は本当に勝たないとプレーオフ進出もどうなるかわかりません。

したがって、少なくとも来週にはスタメン全員復活して、万全の状態で試合に臨めることを願います。

フォルツァ・ミラノ!!!

写真:筆者撮影、Lega Pallavolo Serie A

※記事および写真の無断転載&複製を禁止します。

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