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石川祐希MVP!!ミラノが強豪ルーベに逆転勝利で2年連続コッパイタリア準決勝進出を決める!!

2022年12月30日

イタリア男子バレーボールリーグセリエAはコッパイタリアの準々決勝が行われ、リーグ前半を7位で終えた石川祐希所属ミラノは現地時間12月29日(木)にアウェイで同2位だったルーベ・チヴィタノーヴァ(以下ルーベ)と対戦し、3-1(18-25, 25-21, 25-18, 25-21)で勝利しました。

石川祐希はこの試合スタメンで出場し、チーム最多の21得点をたたき出してチームの勝利に大きく貢献し、試合のMVPにも選ばれました。

第1セットスタメン

ミラノ

OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ヴィテッリ(イタリア)、ロセル(アルゼンチン)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)

ルーベ

OH:ニコロフ(ブルガリア)、ボットロ(イタリア)
MB:シネニエゼ(フランス)、アンザーニ(イタリア)
OP:ザイツェフ(イタリア)
S:デチェッコ(アルゼンチン)
L:バラーゾ(イタリア)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

奇しくも昨年と同じ顔合わせとなったコッパイタリア準々決勝。

第1セット、スタートからミラノのMBヴィテッリが相手MBアンザーニのブロックに捕まり、更にOPパトリィとSポッロのアタックもルーベのブロックに阻まれて1-6とのっけから大きくリードを広げられてしまいます。

その後もルーベはOPザイツェフのエース、OHニコロフの強烈なサーブからのMBシネニエゼのダイレクトスパイクなどで更にブレイクを重ねて5-13とミラノとの点差を更に広げます。

セット中盤以降はミラノもOHメルガレホやOH石川のスパイクなどで相手のサーブを1回で切れるようになってきましたが、サーブでミスが出るなどしてなかなかブレイクできず、またルーベのOHニコロフが勝負所でしっかりとスパイクを決めてミラノの追い上げを許しませんでした。

最後もOHニコロフのスパイクが決まり、18-25でルーベがこのセットを取ります。

第2セット、ミラノは第1セット途中からMBヴィテッリに代えて投入していたMBピアノ(イタリア)をそのままスタートから起用します。

序盤はミラノがOH石川やMBピアノのスパイクで得点すると、ルーベはOPザイツェフを中心に得点を重ねて競った展開が続きます。

しかしミラノがOHニコロフをブロックで止めて10-8と一歩抜け出すと、OH石川のサービスエース、更にOPパトリィの連続スパイクで19-14とルーベに5点差をつけて終盤に入ります。

直後にルーベもOHニコロフのサーブから自身のエースを含む2連続ブレイクで19-17と追い上げますが、ミラノもすぐさまOHメルガレホのエース、OPパトリィの好ディグからのOH石川のカウンターアタックで連続得点を決めて23-18と点差を戻します。

そのまま最後はOPパトリィが力強いスパイクを決めきって25-21でこのセットをミラノが取り返します。

第3セット、ミラノは第2セットの勢いそのままに序盤からMBピアノのスパイクやOHメルガレホのブロック、スパイク、サーブが続けて決まり7-3とルーベを突き放します。

その後もラリーからのOH石川のスパイクやMBピアノのブロックでミラノが得点を重ねて15-8とリードを更に広げます。

ルーベもOHニコロフに代えて投入されたOHヤント(キューバ)のスパイクなどでブレイクに成功するも、再びOHメルガレホのエースやMBピアノのブロックで21-13とミラノが追従を許しません。

そしてミラノがマッチポイントを握ったところからOHボットロに2連続サービスエースを献上したりもしたものの、3本目はOH石川がしっかりとセッターに返し、そのトスをOHメルガレホに代わって入っていたOHエバディプール(イラン)が決めきって25-18でこのセットも続けてミラノが取ります。

第4セット、OH石川の強烈なサーブからOPパトリィがOHボットロをブロックで止めてミラノが先制点を奪います。

その後はミラノはOH石川とOPパトリィ、ルーベはOPザイツェフとOHニコロフのスパイクを中心にサイドアウトの応酬で点差がなかなか開きません。

しかし中盤にSポッロがOHニコロフのスパイクをブロックして15-13と抜け出すと、今度はOH石川がOPザイツェフを1枚でシャットアウトして17-14、更に石川のキレのあるパイプ攻撃も決まって19-15とミラノが点差を4点まで広げます。

そこからはOHメルガレホとOH石川がサイドアウトの場面でしっかりとスパイクを決めきり、最後も石川のライド側からの気迫のこもった鋭いスパイクがルーベコート中央に突き刺さり、25-21でこのセットも取り切ったミラノが3-1でルーベに勝利。

この結果、ミラノが2年連続でルーベとの準々決勝を制して来年2月に行われるコッパイタリア準決勝進出を決めました。

MVP:石川祐希(21得点(うちサーブ1、ブロック2)、アタック決定率60%(失点2)、サーブレシーブ成功率43%(失点2)。

石川はリーグ戦を通して今季初のMVP受賞となりました。

コッパイタリア準決勝、決勝戦は来年2月25、26日にローマで行われ、ミラノは準決勝でトレントと対戦します。

また次回のリーグ戦は、年明けの現地時間1月8日(日)15:30(日本時間翌23:30)から、アウェイで最下位のシエナと対戦します。

前半戦のレポートはこちら

感想など

勝った~~~~~~~~!!!!しかも石川MVP!!!!!!!

と僕はチヴィタノーヴァ会場で歓喜したわけですが、ひとまず時系列で僕の中に起きていたことをお話します(笑)。

この日は現地取材しました。

勝てばコッパイタリアベスト4が決まる大事な試合、行かない理由がありません。

前日にモデナで同じコッパイタリア準々決勝のモデナ対トレント(これもアツい試合でした)を見ていたので、この日はモデナから電車でチヴィタノーヴァへ移動しました。

特急電車を使えば3時間半で移動できますが、差額の9ユーロ(約1300円)を渋った僕は普通列車(1回乗り換え)で約4時間半の旅を選択。

チヴィタノーヴァに着いたらもう外は夕方色でした。

チヴィタノーヴァ・マルケ駅

とりあえずアドリア海を拝んで、前回来た時に気に入ったイタリアンジェラードを食べていざ会場へ。

アドリア海、青くてキレイ

チヴィタノーヴァ・マルケ駅から試合会場までは約3.5km。

バスもあるようなのですが、僕は毎回40分くらいかけて歩いています。

街中で発見した試合のポスター

ルーベはもともと近くのマチェラータという街をホームとしていたのですが、アリーナが小さかったので2015年に新しいアリーナの建設とともにチヴィタノーヴァにホームタウンを移しました。

アリーナ外観

中はこんな感じ。

早く着いたためお客さんはほとんどいない

コートがイタリア国旗のトリコロールでおしゃれですし、座席は傾斜が大きいためどの席でもとても見やすいです。

オフィシャルショップも充実していました。

ただ前日のモデナに比べるとちょっとお客さんが少ない印象(実際モデナは約4400人入っていたのに対してこの日のチヴィタノーヴァ会場は約2600人でした)。

昨シーズンプレーオフでの満席の会場を知っていることもあってなんかちょっと寂しくなりました。

今シーズンは映像で見ていてもルーベホームのお客さんの少なさが目立っているのでなんか心配です。

ユアントレーナが抜けちゃったからかな…?

それでもすごいルーベ応援団。

一方のミラノファンは少数精鋭で声援を送ります。

そういえばこの3日前に行われたミラノでのホームゲームでは多数の日本人ファンがアリアンツクラウドに詰め掛けていたという報告を受けましたが、流石にチヴィタノーヴァまで来ている方は少なく、僕が確認できたのは日本人ファンの方は3人程度でした(それでもすごいことですが)。

まあそんなこんな考えていると両チームのウォームアップが始まりました。

まずは生存確認(笑)。

ミラノ、ルーベともにみんなプレーできそうでした。

石川はいつもどおりパトリィくんと対人パス。

この日の石川は、ウォームアップの時点からなんだかいつも以上に内に秘めた闘志がオーラになって前面に出ているような感じかしました。

スマホを構えていたらチラ見されてしまう

そしていよいよ試合時間が迫ってきます。

この試合、ミラノはこの試合スタメンでメルガレホを起用。

ルーベはサーブが強いのでサーブレシーブがよいエバディプールをスタメンにするんじゃないかと踏んでいた僕には少しサプライズでした。

守備よりもメルガレホの攻撃力にピアッツァ監督がかけたのでしょう。

しかし試合が始まると第1セットはルーベの一方的な展開になってしまいます…。

ルーベのブロックディフェンスが堅く、ミラノがなかなかサイドアウトを取れない状況が続いてしまいます。

セッターのポッロのトスもなんだかイマイチ、ロセルとのコンビネーションもまだうまくいかない。

逆にルーベはザイツェフやニコロフ、シネニエゼがスパイクをどんどん決めてくるし、それに伴って会場もイケイケ状態。

記者席の真後ろにルーベ応援団がいたわけですが、ただでさえうるさいドラム音がこのときはやたら大きく聞こえていました。

しかしそんな劣勢の中でも、いや劣勢だからこそなのかもしれませんが、ミラノベンチでキャプテンのピアノがタイムアウト中やスタメン選手が交代でベンチに下がったときに、笑顔で積極的にコミュニケーションをとっている姿がとても印象的でした。

なんだかチームのお父さんみたいな感じで、元イタリア代表でスタメンを貼っていた選手だけあってプレーはもちろんですが、人間的にもやっぱり素敵な選手だなと改めて感じました。

キャプテン・マッテオ

そのピアノも途中で投入され、後半はなんとか持ち直してサイドアウトをコンスタントに取れるようになったものの、前半の点差がそのまま響いて1セットはルーベが大差でセットを取ります。

数字だけ見ると正直とてもヤバい状況ではありましたが、僕はそこまで悲観していませんでした。

というのも、1セット目の後半に持ち直していたというのもありますが、前日のモデナでの試合も第1セットはホームのモデナが25-17と相手のトレントを圧倒したんですが、その後2、3、4と続けてトレントがセットを取って逆転勝利を収めるという試合をみたばかりだったので、「この試合も昨日みたいに大逆転してくれるんじゃないかな」となんとなく思っていました。

そしたらなんと本当にそうなってしまいました(笑)。

第2セットも相変わらずザイツェフの調子が良いですが、ミラノも石川やピアノが高い決定力でサイドアウトを繰り返す展開に持ち込みます。

特に石川がすごい。

動きもキレキレだし、鋭いアタックに加えてリバウンド、フェイント、ブロックアウト、そしてサービスエースとすべてがうまくいっている印象でした。

石川のサーブ、これがエースになった

またそれに呼応するようにメルガレホもパトリィもスパイク、サーブともに調子を上げていく好循環。

攻撃のみならずディフェンスも非常に機能していて簡単にボールが落ちませんでした。

逆にルーベはボットロがキレキレのラインショットを見せるなどしましたが、ニコロフが勝負所でミスするなどなかなか乗れない状況。

ガビがリリーサーバーで出てサーブをミスした時には会場全体から「あぁぁ~↓」という声が漏れていました(笑)。

もう明らかに流れがミラノに来ていました。

そんな感じで2セット目を25-21とり、第3セットも引き続きミラノペース。

まじでノリノリのミラノ、特に石川先生がほんまにヤバい。

中盤のメルガレホのディグとパトリィの後方からのアンダーセットで繋いだボールを決めったシーンは個人的にこの試合のベストプレーでした、見てて震えました。

そしてこの表情である

また16-11の場面で、ザイツェフのスパイクを追いかけてメルガレホと一緒にボードにぶつかってしまったあとには「今のは自分ののボールだから自分にまかせろ!」と言ったようでその後大きく胸のあたりをドンドン!とたたいていて気迫全開でした。

そしてこのセットはキャプテン・マッテオもスパイクにブロックに大活躍。

1セット目のベンチから必死にチームメイトを鼓舞する姿を見ていただけに、プレーでもその存在感をしっかり見せてくれる展開に胸がアツくなりました。

あとなんだかピアノと並ぶと石川もいい意味で表情が緩むときがあるというか、リラックスできてる印象も受けました。

石川とピアノのブロック

やはりキャプテンは偉大だ。

あとポッローロセルのホットラインもようやくかみ合ってきたし、この試合のミラノは本当にみんないい、みんなすごい。

第3セット終盤に石川が弾かれる形でボットロに連続エースを奪われちゃいましたが、最後には石川がしっかりと上げてちゃんとエバディプールが決めきって25-18で取り切りました。

こうした嫌なこと、不安要素をあとに残さないところもこの試合のミラノはかなりうまくできていたように思います。

第4セット目も石川が初っ端からゴリゴリにサーブで攻め、ボットロのスパイクをパトリィがブロックする好調な出だし。

2本目はミスになったもののサーブのコースをしかっり代えてくるところが憎い石川。

2-2の場面でのパイプはセッターの位置がアタックラインよりだったこともあってクイックなみのテンポで叩き込む。

でもミラノだけじゃなくてルーベも非常にいいディフェンスをするし(リベロのバラソのキックディグはすごかった)、苦しい状況だけどボットロも笑顔でチームを鼓舞していました。

第4セットは本当にバチバチの戦いでした。

跡がないルーベと、流れを渡す前にこのセットで試合を決めたいミラノ。

1球1球にかける思いの強さがビリビリ伝わってきて、まだ試合の結果わからないものの「ここに来てよかった、幸せ」と思えるような試合でした。

特にルーベのザイツェフのオーラが凄くて、アドレナリンが高まっているからか遠くから見てもわかるくらい彼の肌は真っ赤になっていました。

しかし渾身のサーブもネットに阻まれ(ルーベファン「あぁぁ~↓」)、渾身のスパイクも石川の1枚ブロックにシャットアウト。

それでも気迫のこもったプレーでアタックを決めて気を吐いている姿がとてもカッコよく映りました。

あれは真の漢の背中でした。

しかしそんなザイツェフにも今日のミラノは止められない。

ロセルのクイック、石川のパイプが決まって19-15。

僕も興奮で自分の心拍数が上がっているのを感じました。

終盤メルガレホでテンポよくサイドアウトを取って、そこで前に回ってきた石川が決めて23-19。

この時点でほとんどの場合勝負は決まったかのように思えますが、僕の脳内にはこの間のピアツェンツァ戦での大逆転劇もあったので、まだ油断はできません。

石川自身も試合全体としては調子がよくても勝負所の1点を決めきれずに辛酸をなめた試合も代表も含めて今シーズン少なくありませんでしたし。

しかしこの日の彼にはいらぬ心配だったようです。

まずレフトから冷静にリバウンドを1回挟んでから力強いブロックアウトでマッチポイントを掴みます。

そして次のサイドアウトの場面でも、ポッロから託されたボールをライトからコート中央付近叩き込んでゲームセット!!!!!

ちなみに彼の放ったウィニングボールは最終的に僕のところまで飛んできました(笑)

MVPはもちろん我らがユウキ・イシカワ!!!!!

数字で見ても試合の印象で見ても、誰が見ても間違いない、文句なしのMVP!!!

個人的にはピアノにもなんか賞をあげたい!!(笑)

勝利後とにかく喜びを爆発させて沸き上がり、みんなでハグをしあうミラノメンバー。

勝利写真を撮った後には比較的長い時間円陣を組んで何か話していました。

みんな達成感と安堵感で喜び溢れる表情。

僕も便乗して取材を通して仲良くなったエバディプールとハグをかわしました(笑)。

一方、敗れたルーベのメンバーはそそくさと会場を後にします。

2年連続でコッパイタリアのベスト4を逃したことはビッグクラブとしてはとても大きな打撃だったに違いありません。

しかし昨年はそこからスクデット(リーグ優勝)まで見事なカムバックを果たしたので、きっとこれから1段も2段も強くなってくるでしょう。

石川もひととおりチームメンバーやスタッフの方々とハグをし終えた時点でインタビューに応じてもらえました。

今日はコート上でいつも以上に気持ちを爆発させていたのに、僕が「やっとこれが言えます!勝利おめでとうございます!」と興奮しながら伝えたら、いつもの淡々としたトーンで「ありがとうございます」と言ってくれました(笑)。

でもこれまでは例え個人の調子がよくても、今日はあれがダメだった、これができなかったと反省色の強いコメントが多かったですが、今回は一貫してポジティブなコメントをしてくれたました。

いつもどおり淡々とコメントしていただいた中でも、これまでの負けた後のインタビューとは違う、どこか自信やうれしさが垣間見える語り口調でした。

でも傍から見ると確実に僕の方がニヤニヤしていたでしょう(笑)

そんな石川選手の試合後コメントはこちらから↓

とくかく本当におめでとうミラノ、おめでとう石川祐希。

これまで現地取材はことごとくミラノの負け試合でしたけど、初めての勝ち試合がコッパイタリアファイナル進出を決める大事な試合で、ルーベ相手で、そして石川が大車輪の活躍のMVPでもう本当に言うことないです。

また個人的にはイタリアでの現地取材日本人チーム全敗伝説を2022年中に払拭できてよかったです(笑)

これなら年明けには藍君の勝利インタビューもすぐにできそう(笑)

とにかくもう本当に最高でした!!!

流行りに乗っかるならブラボー!!!!(笑)

準決勝は2月25日㈯、相手はトレント、決戦はローマ!!!

去年は行けなかった決勝の舞台に今年こそ立とうぜ!!!!

とりあえず本当にこの瞬間に現地で立ち会えたことに本当に感謝します。

みなさんの応援のおかげです。

本当にありがとうございます!!!

それでは皆さまよいお年を!!!

写真:LegaPallovoloSerieA、Powervolleymilano、筆者撮影

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