試合レポート

ネーションズリーグ2021第3週レポート 疑問の残るアルゼンチン戦

2021年6月13日

⑨vs.アルゼンチン ●1-3(32-30, 16-25, 18-25, 21-25)

Photo by FIVB

1セット目スタメン(サーブ順)

日本
OH大塚、MB山内、OP清水、OH福澤、MB高橋健太郎、S関田、L小川

アルゼンチン
MBロセル、Sデセッコ、OHコンテ、MBソレ、OPペレイラ、OHポグラヘン、Lマッシミノ

ミーティングでこの3連戦は絶対に勝利すると話されていたようでしたが、本当に勝つつもりがあったのか疑問に残る残念な試合となってしまいました。前日のイタリア戦から空き時間も少なかったためか、この試合の日本のスタートは控えメンバー中心。対するアルゼンチンは、デセッコやコンテなどを含むガチメンバーでした。「アルゼンチンなめられてんな~」と正直思いました(笑)。でもロシア戦も似たようなスタートだったので最初はあまり気にしませんでした。

第1セットだけは良かったと思います。相手のミスに助けられた面も大きかったとはいえ、石川のいない日本がガチメンのアルゼンチンに対してなんとか食らいつき、デュースでも集中力を切らさず32-30で取れましたからね。

ただ2セット目以降はなんかもう見てられなかったです。日本は大塚、福澤の両アウトサイドが明らかに不調でした。大塚はなかなかスパイクがを決めることができない。福澤にいたっては被ブロックが多すぎるし、守備でも崩されている。こういう場面では普通に考えれば選手交代します。ロシア戦も選手交代したから勝てたようなもの。でも不思議なことに変わらないんですね。アウトサイド陣との唯一の交代と言えば、本来リベロの山本がリリーフレシーバーとして福澤と後衛時のみ変わるだけ。でもこれだけでははっきり言って意味ありません。前衛にくるとまた福澤が戻ってシャットアウトされてしまいます。

アルゼンチンのエース、コンテ Photo by FIVB

「高梨出せよ~」と思っていましたが高梨はベンチアウト。更に高橋藍は山本に代わってリベロ登録。唯一ベンチにいるOHの石川は出る気配なし。あれ何かおかしい。事実上交代できるアウトサイドヒッターがひとりもいないではありませんか。試合は1セット目が嘘だったように2セット目以降は最後までアルゼンチンペースで進んで、当然のようにアルゼンチンが勝ちました。そら当然ですよ。不調の選手を出し続けたんですから。

アウトサイドヒッターを、少なくとも福澤ひとりだけでも交代させられることができていれば勝機はあったかもしれませんし、少なくとももっといい勝負ができたはずです。山本を普通選手登録したのはひとつの試みなので別に悪くはなかったと思います。その代わりに高橋藍がリベロ登録されていたのも理解できなくはないです。でもなぜ高梨をベンチアウトしていたんでしょうか。ミドルが14人中4人も入っていたのにアウトサイドは3人。しかも石川はどんなに劣勢になっても出る気配なし。ミドル3人にして高梨を入れてもよかったと思いますし、石川を使う気がないのなら石川を代わりにベンチアウトさせてもよかったのでは。また仮に高梨に体調不良等問題があったのであれば、高橋藍をリベロにするべきではなかったのでは。なぜアウトサイドヒッターが大塚と福澤の事実上2人のみでアルゼンチンに挑んだのか。アルゼンチンをなめすぎていたのか、もしくは全力で勝つつもりがなかったかのどちらかしか考えられません。

いずれにしても個人的には見ていて非常に不愉快な試合でした。手を尽くして負けるならまだしも、こんな変な負け方はないでしょう。百歩譲ってブラジルとかポーランドとか本当にどうしようもない相手だったらスタメンを休ませるために無理に勝ちにいかないという選択肢もあるかもしれませんが、アルゼンチンはそんな相手ではないです。今後こんな試合を見せられないことを祈るばかりです。もしこうなった他の理由を知ってらっしゃる方がいれば教えてください。

この敗戦でもともと厳しかったけどワンちゃんあるかもと思わせてくれてたファイナル進出が更に絶望的になりましたね。

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