日本時間8月3日(土)早朝4時から試合開始となるバレーボール男子日本代表のパリオリンピック、予選プールCアメリカ戦。日本の準々決勝進出のかかる大事な試合だ。
本記事ではアメリカチームの紹介と試合の展望・見どころについて解説する。
アメリカ出場メンバー
監督:ジョン・スパロウ
*1 マシュー・アンダーソン OP/OH 1987 208cm Zirrat Bankkart(トルコ)
*2 アーロン・ラッセル OH 1993 205cm Zawiercie(ポーランド)
*4 ジェフリー・ジェンドリック MB 1995 208cm ?
*8 トーリー・デファルコ OH 1997 198cm ジェイテクトSTINGS
11 マイカ・クリステンソン(C) S 1993 198 Kazan(ロシア)
12 マックスウェル・ホルト MB 1987 205cm 北京(中国)
14 マイカ・マー S 1997 192cm Halkbank(トルコ)
17 トーマス・ジェスキー OH 1993 198cm 大阪ブルテオン
18 ガレット・ムアグトゥッティア OH 1988 195cm Spor Toto Spor Kulübü(トルコ)
19 テイラー・エイヴリル MB 1992 195cm Monza(イタリア)
20 デヴィッド・スミス MB 1985 202cm Kędzierzyn-Koźle(ポーランド)
22 エリック・ショージ L 1989 184cm Kędzierzyn-Koźle(ポーランド)
リザーブ
*5 カイル・エンシン OP 1997 201cm Zawiercie(ポーランド)
アメリカチームの特徴
①サーブ&ブロック
アメリカはサーブ&ブロックが非常に強力なチームである。
サーブに関しては、今大会アルゼンチンとドイツとの2試合で合計19本、セット平均2.37本とサービスエースを量産している。チームトップはOHデファルコの6本だが、スタメンの6人全員がすでに1本以上エースを決めている。
ブロックに関しても、2試合で14本、セット平均1.75本のブロック得点をマークしている。また彼らのブロックは非常にレベルの高い組織的なリードブロックで、直接的な得点だけでなくブロックタッチの数も多い。
アメリカのサーブ&ブロックからのブレイク力の高さはどのチームにとっても驚異である。
②どのポジションも高い攻撃力
サイドの3人がバランスよく得点できるのはもちろん、ミドルブロッカーの2人のアタック決定率も非常に高く、どこからでも得点できるのもアメリカの強みだ。
これを可能とするのは、各アタッカーの能力の高さはもちろんだが、イタリアやロシアのトップクラブで長年活躍するセッターのクリステンソンの技術と強気なトスによるところも大きい。また隙あらば彼自身も積極的にアタックする。
またアメリカはオポジットのアンダーソンもローテーションによってサーブレシーブに参加する、いわゆる3OHシステムを採用しているので、攻撃のバリエーションも多く厄介である。
③経験値の高さ
日本の13選手の平均年齢が27歳なのに対し、アメリカの平均年齢が32歳と高いことはもちろん、どの選手もヨーロッパのトップリーグ経験者。
またOPアンダーソンとMBスミスは今回で4回目のオリンピック出場となり、それ以外にも3回目の出場となる選手が4人、また2016年のリオ五輪銅メダルメンバーも7人残っている。
スタメン予想メンバーの中ではOPアンダーソンとMBホルトが最年長の37歳(日本のS深津と同い年)であり、日本のスタメンで最年長のS関田とMB山内の30歳と比べると大きな差がある。
一方でアメリカのコート上の最年少選手は27歳のOHデファルコ(日本は22歳のOH髙橋藍)であり、若手選手がいないという意味ではやや爆発力や起爆材料に欠けると言うこともできる。
注目選手
OHアーロン・ラッセル
1993年生まれ 205cm 所属:Zawiercie(ポーランド)
昨季まで日本のJTサンダース広島でもプレーしていたアウトサイドヒッター。今年のネーションズリーグは怪我の影響でプレーをする機会がなかったが、パリに照準を合わせスタメンとしてプレー。これまでの2試合ではサイドアタッカー3人の中でアタック効果率が一番安定しており、チームで頼れる存在となっている。またサーブも非常に強力で、サーブレシーブもとても安定している。日本のことをよく知る選手としても、試合では厄介な存在になるだろう。
最近の対戦
ネーションズリーグ2024予選ラウンド(2024年6月23日)
○3-0(25-20, 25-23, 25-19)
パリオリンピック予選(2023年10月8日)
●2-3(19-25, 25-22, 25-19, 23-25, 12-15)
ネーションズリーグ2022予選ラウンド(2022年6月10日)
●2-3(25-17, 15-25, 21-25, 28-26, 9-15)
※直近の3戦はいずれもお互いがフルメンバーでの試合ではなかったため、あまり参考にならない。
予想スタメン
ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
日本
OH:髙橋藍、石川
MB:小野寺、山内
OP:西田
S:関田
L:山本
平均身長(リベロ除く):190.83cm
アメリカ
OH:ラッセル、デファルコ
MB:ホルト、エイヴリル
OP:アンダーソン
S:クリステンソン
L:ショージ
平均身長(リベロ除く):201.5cm
日本の勝利のカギ
サーブの殴り合いを制す!
先述したようにアメリカはとてもサーブが強力なチームであるが、サーブが強力なのは日本も同じ。相手以上に日本がサーブで攻めてアメリカを崩せるかがこの試合のカギとなるだろう。
実際にドイツも最後まで強気のサーブを打ち込み続けた結果、アメリカを相手にフルセット勝負にまで持ち込むことができた。
単純なサーブ力だけでいうとアメリカにやや部があるかもしれないが、その反面サーブレシーブでは日本の方が上手であると思う。
したがってサーブで攻めることはもちろん、相手のサーブをしっかり触る、例え崩されてもサービスエースを取られないようにしたい。どんなに強いサーブでも上に上げることさえできれば、今の日本なら得点に変えられるはず。
日本は次のアメリカ戦で1セットでも取れれば、他の試合の結果に関係なく準々決勝出場が決まる。なんとしてもここで最低1セットをとって、次のステージへ駒を進めたい。
そのためにもサーブレシーブで耐えてサーブで殴り勝つことがカギである。
アメリカ戦のキーマン
OH石川祐希
1995年生まれ 191cm 所属:ペルージャ(イタリア)
銀メダルに輝いたネーションズリーグでは、OH石川のサーブによる活躍が目立っていたが、パリ五輪の2試合では勝負所でサービスエースを奪うような本来の活躍が見られていない。アメリカ戦ではOP西田、OH髙橋藍に加えてOH石川のサーブでの貢献も必要になってくるだろう。
またサーブレシーブでは、OH石川が相手のサーブターゲットとなると予想されるので、彼がサーブレシーブでどれだけ耐えることができるかも重要になってくる。また大会前に本人が話していた選手の間に打たれるサーブに上手く対応できるかもポイントだ。
OH石川に関してはアタックについてもここ2試合ではまだ試合を通して良い数字を残せていない。次のアメリカ戦では準々決勝進出を決めると共にそこへ向けたきっかけが掴めるような試合にしてほしい。
プールC順位表(7月31日終了時点)
1位 アメリカ★ 2勝0敗 5ポイント
2位 日本 1勝1敗 4ポイント
3位 ドイツ 1勝1敗 3ポイント
4位 アルゼンチン 0勝2敗 0ポイント
★準々決勝進出確定
小ネタ
チームメイト一覧
- 石川とショージ(ラティーナ(イタリア)2017/18)
- 石川とジェスキー(ミラノ(イタリア)2021/22)
- 小野寺とラッセル(JTサンダース広島 2022/23)
- 西田、大塚、山内、山本とジェスキー(大阪ブルテオン 2023/24〜)
- 富田とジェスキー(大阪ブルテオン 2024/2025〜)
- 宮浦、関田とデファルコ(ジェイテクトSTINGS 2024/25)
関連インタビュー
試合情報
予選プールC アメリカ戦
8月3日(土)4:00~(日本時間)
テレビ
NHK総合:3:50〜(Eテレ:6:00〜)
ネット配信
NHKプラス
日本男子の今度の試合予定
※時間は日本時間
決勝トーナメント
8月5日(月) 時間未定 準々決勝
8月7日(水) 時間未定 準決勝
8月9日(金) 23:00~ 3位決定戦
8月10日(土) 20:00~ 決勝戦
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[配信日時]
7月27日(土)午後5時 男子#1 男子#2
8月 3日(土)午後5時 女子#1
8月10日(土)午後5時 女子#2
8月24日(土)午後5時 男子#3
8月31日(土)午後5時 女子#3
9月 7日(土)午後5時 男子#4
9月14日(土)午後5時 女子#4
(TBSテレビリリースより引用)
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Photo: Volleyball World