イタリア男子バレーボールリーグ後半第7節、石川祐希所属のミラノは現地時間2月11日(日)にパドヴァと対戦し、2-3(23-25, 25-22, 22-25, 25-21, 16-18)で敗れた。石川祐希は先発出場し20得点の活躍だった。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ヴィテッリ(イタリア)、ロセル(アルゼンチン)
OP:ディルリッチ(クロアチア)
S:ポッロ(イタリア)
L:カターニャ(イタリア)
パドヴァ
OH:ガルディーニ(イタリア)、ポッロ(イタリア)
MB:プラク(オランダ)、クロサート(イタリア)
OP:ガルシア(プエルトリコ)
S:ファラスキ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
試合レポート
第1セット、序盤からOH石川のサービスエースやMBロセルのブロックなどで連続ブレイクを決めたミラノが5-1とリードする。その後もOHメルガレホのサービスエースやMBヴィテッリのスパイクなどで得点して14-9とミラノがリードを保つ。しかしOHガルディーニのスパイクなどでパドヴァが3連続ブレイクを決めて16-15と1点差に迫ると、さらにMBプラクのブロックなどで17-18と逆転に成功する。そこからOPガルシアのスパイクでサイドアウトを取ってパドヴァがリードを守ると、最後はMBクロサートのスパイクで23-25としてこのセットをパドヴァが取る。
第2セット、出だしにOPディルリッチのスパイクで2-0とミラノが先行する。そこからMBプラクのブロックで9-9とパドヴァが同点に追いつくと、さらにMBプラクのサービスエースやOPガルシアのブロックなどで4連続ブレイクを決めて10-14とパドヴァが逆転する。しかしOPディルリッチのスパイクやSポッロのサービスエースで18-17とミラノが再び前に出ると、終盤でOH石川にもサービスエースが出て22-18と点差を広げる。その後OHポッロのスパイクで23-22とパドヴァが1点差まで迫るが、最後はパドヴァのタッチネットで25-22でこのセットをミラノが取る。
第3セット、OHポッロのサービスエースで3-4とパドヴァが先行すると、さらにOHポッロのスパイクで6-9とパドヴァがリードする。その後もOHガルディーニのスパイクやサービスエースで13-16とパドヴァがリードを保つが、MBヴィテッリのブロックで18-18とミラノが同点に追いつく。しかし再びOHポッロのサービスエースで18-20とパドヴァがリードすると、最後はOHガルディーニの2連続サービスエースが決まり22-25でこのセットをパドヴァが取る。
第4セット、序盤はOPガルシアのスパイクやOHポッロのサービスエースで3-6とパドヴァがリードする。しかしMBロセルのサービスエースなどで連続得点を決めたミラノが13-11と逆転に成功すると、そこからはOPディルリッチのスパイクを中心にサイドアウトを重ねる。終盤にもOPディルリッチのブロックでブレイクを決めて20-16とミラノが点差を広げると、最後はパドヴァのサーブミスで25-21としてこのセットをミラノが取る。
第5セット、パドヴァのサーブミスで1点目はミラノが奪うも、OPガルシアやOHガルディーニのスパイクで得点を重ねたパドヴァが5-7とリードする。その後OH石川のスパイクとパドヴァのミスで7-7とミラノが同点に追いつくと、さらにOPガルシアのアタックミスで11-10とミラノが逆転。パドヴァもOPガルシアが連続でスパイクを決めて12-13とするも、ミラノがOH石川のスパイクでブレイクを決めて14-13と先にマッチポイントを迎える。そこからデュースに突入し、OH石川とOHガルディーニの打ち合いで16-15と進む。しかしここからOHポッロが連続でスパイクを決めて16-17とパドヴァが逆転でマッチポイントを握ると、最後はOPガルシアがブロックでOH石川をシャットアウト。16-18でこのセットをパドヴァが取り切る。
この結果ミラノは2-3でパドヴァに敗れた。
MVP:OHルカ・ポッロ 16得点(うちサーブ3) アタック効果率30.76%
OH石川祐希 20得点(うちサーブ3、ブロック1) アタック効果率39.28%
L谷口渉 途中出場
これでミラノは通算成績9勝9敗30ポイントとし順位を1つ下げて6位となった。
次回は日本時間2月14日(水)28時00分から髙橋藍所属のモンツァと対戦する。
イタリアリーグHP: https://www.legavolley.it/
配信(VBTV、有料): https://www.volleyballworld.tv/home
トシキのコメント
どうしたのミラノ?
カジースキ、ピアノがいないとはいえパドヴァに負けるとはまさかでした。
パドヴァがミラノに勝ったのは5シーズンぶりだそうです。しかもその5シーズン前のパドヴァにいたのが石川祐希という皮肉。
とにかくパドヴァはサーブでガンガンに攻めてました。ガルディーニとプラクはパワフルに、ポッロ(弟)はショートサーブも織り交ぜながらいやらしく攻めてました。
ミラノのレシーバーはそれぞれサービスエースを取られてしまっていましたが、特にリベロのカターニャが4本の失点をしてしまったのがとても痛かった。
逆にミラノは相手以上にサーブで殴ることができませんでした。ガルディーニはサーブレシーブで5失点してますが、要所でなんとか持ちこたえましたね。
ミラノは2セット目途中からOHにレゲルスを入れてよくなってセットを取れたのに、また3セット目にメルガレホに戻してしまったのがもったいなかったなと個人的には思います。この日のメルガレホはそんなによくなかったですし。
ただカジースキが怪我してOHの控えがいない中、OPもOHもできるレゲルスがベンチにいてくれる安心感が大きいのはわかります。それでもあのままOHレゲルスの方がうまく回ったんじゃないかな。
石川個人はチーム最多得点でめっちゃ頑張ってましたけど、彼の調子もまたそれほどよくはなかったですね。マッチポイントもブロックに捕まってしまいましたし。勝たなければいけない相手に負けてしまったこの敗戦は石川的にはかなり悔しいだろうなと想像してしまいます。
パドヴァはガルディーニもすごかったけど、MVPを取ったポッロ(弟)の活躍には舌を巻きましたね。
サーブレシーブは安定してるし、サーブはショートサーブで3本サービスを決め、スパイクもブロックアウトの取り方など非常に巧みでした。
改めてスタッツを見てみると4本被ブロックしていてアタック効果率はそこまで高くなかったですが、それを感じさせないほどに要所での得点能力が本当に光った試合だったと思います。
1レグではミラノのセッターのポッロ(兄)がサービスエース3本、パドヴァのポッロ(弟)が途中出場でサービスエース1本でしたが、この日は綺麗に逆になりました。弟に軍配です。
でもやっぱり見た目は弟の方が兄より兄っぽいんですよね(笑)。
そして日本人対決。
今季これまで何度か日本人が所属するイタリアリーグの3チームが対戦してきましたが、1度も両方のコートに日本人選手が同時に立つことがありませんでした。
しかしこの日はとうとうその瞬間が第1セットに実現。
石川祐希の中央大学の後輩にあたる谷口渉が第1セット終盤でリリーフサーバー兼レシーバーとしてコートインしました。
残念ながらサーブはネットにかかってしまったものの、その後3ローテでディフェンスや繋ぎでチームに貢献しました。
その間に石川がサーブを打つ場面がありましたが、谷口の守備範囲からは逸れて隣のリベロのツェンガーのところへ(惜しい!)。
その後も谷口が石川からのボールに触れることはなかったですが、とにかくやっとコート上で日本人対決が見れてよかったです!
次のミラノ対モンツァも、髙橋の怪我の回復が万全ではないでしょうから実現は難しいでしょうし。
ただ思ったより怪我の回復が早そうなので、可能性はゼロではないですね!!
Photo: volleyball.it
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