試合レポート

パドヴァ、髙橋藍がチーム最多13得点も首位ペルージャにストレートで敗れる【イタリア男子バレー】

2023年1月16日

イタリア男子バレーボールリーグセリエA後半第4節、髙橋藍所属の10位パドヴァは現地時間1月15日(日)にホームで同1位のペルージャと対戦し、0-3(22-25, 21-25, 21-25)で敗れました。

日本の髙橋藍はこの試合スタメンで出場しチーム最多の13得点の活躍でした。

第1セットスタメン

パドヴァ

OH:髙橋、アスパルホフ(ブルガリア)
MB:カネッラ(イタリア)、ヴォルパト(イタリア)
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)

ペルージャ

OH:レオン(ポーランド)、セメニウク(ポーランド)
MB:ルッソ(イタリア)、メンゴッツィ(イタリア)
OP:エレラ(キューバ)
S:ジャンネッリ(イタリア)
L:ピッチネッリ(イタリア)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

パドヴァは前節のチステルナ戦で大活躍したアスパルホフが久しぶりにスタメン復帰を果たしました。

第1セット、パドヴァはOPペトコヴィッチのサービスエースで幸先のいいスタートを切ると、Sサイッタのサーブからディフェンスが機能し、そこからの切り返しでMBヴォルパトやOPペトコヴィッチがスパイクを決めて7-3と序盤で首位ペルージャに対してリードを奪います。

その後もパドヴァはOH髙橋のスパイクなどでサイドアウトを重ねていきますが、中盤にOHレオンの連続サービスエースで13-11とペルージャに詰め寄られると、更にMBメンゴッツィのサーブからパドヴァに連続してミスが出て17-18と逆転を許してしまいます。

それでもOH髙橋のスパイクやサーブでパドヴァがそれ以上点差を離させず20-20まで進みますが、再びOHレオンのサーブからOHセメニウク、Sジャンネッリのスパイクが決まりペルージャが20-23と終盤に抜け出すと、最後はMBメンゴッツィのクイックが決まって22-25でこのセットをペルージャが取ります。

第2セット、パドヴァはOH髙橋とアスパルホフ、ペルージャはOHレオンとOPエレラを中心に得点を重ねて7-7と競ったまま試合が進みます。

そこからOH髙橋が相手のOPエレラ、OHセメニウクを連続でブロックして9-7とパトヴァがリードしますが、ペルージャもOHセメニウクのサービスエースですぐさま9-9と追いつきます。

しかしOPエレラにもサービスエースが出て逆転を許すと、さらにパドヴァのOPペトコヴィッチとOHアスパルホフが続けて相手ブロックに捕まり、そこからさらにOHレオンのサービスエースも決まって12-15とペルージャが抜け出します。

その後パドヴァは粘りの守備からOPペトコヴィッチやOH髙橋につないで得点しますが、ペルージャのOHレオンが止まらず終盤にもサービスエースが出て19-24とし、最後はMBルッソのクイックが決まって21-25でこのセットもペルージャが取ります。

第3セット、あとがないパドヴァはMBヴォルパトに代えてMBクロサートをスタートから起用します。

このセットは序盤からミスが目立つパドヴァに対し、ペルージャがOPエレラを中心にサイドアウトをきりMBメンゴッツィのブロックなどでブレイクを取って4-9と一気に走ります。

パドヴァはOH髙橋のスパイクなどで応戦しますが、ペルージャがMBルッソの髙橋のレシーブを弾くサービスエースなどで9-16と点差を更に広げます。

その後MBクロサートのブロックやSサイッタのツーアタックなどで18-21とパドヴァが3点差まで近づきますが、最後はOHアスパルホフのサーブがミスになって21-25でこのセットも取ったペルージャが0-3でパドヴァに勝利しました。

MVP:MBロベルト・ルッソ(7得点(うちサーブ1、ブロック3)、アタック決定率60%)

髙橋藍は13得点(うちブロック2)、アタック決定率55%、サーブレシーブ成功率35%の活躍でした。

これでパドヴァは通算成績を5勝10敗11ポイントとして暫定11位に順位を下げました。

次は現地時間1月22日(日)18:00(日本時間翌2:00)から、ホームで同10位のターラントと対戦します。

前半戦のレポートはこちら↓

感想など

ペルージャはやっぱり強かったですね…。

でも個人的には見ごたえのある試合だったと思います!

特に第1セットはリードする場面も見られましたし、髙橋はペルージャの協力なブロッカー陣に対してもアタック決定率が高く、ブロックでもめずらしく2得点上げることができていました。

また先週大活躍だったアスパルホフも引き続きいい活躍をしてくれていました。

サーブレシーブ失点が5だったのは痛かったですが、その内3本はレオンのサーブでしたのであまり気にする必要はないかと思います。

レオンのサーブはエースかミスかのほどんど2択のような感じなので、入ればエースが当たり前、逆にレシーブできたらすごいというレベルですから(笑)。

そういう意味では途中上げていた髙橋のサーブレシーブはやはり流石といったところでしょうか。

あとは髙橋やツェンガーを筆頭に全体としてとてもディグが上がっていました。

フロアディフェンスの強さはパドヴァの大きな武器ですね。

だからこそペトコヴィッチのスパイク失点(ミスや被ブロック)の本数をもっと減らせればいいなと思います。

ペルージャ、パドヴァホームで戦った前半戦とはスタメンを半分以上入れ替えての試合でしたが誰が出ても本当に強い。

今回はレオンとエレラのキューバ人コンビのアタックとサーブにやれてしまっていましたね。

特にレオンのサーブは最速136キロ(たしかバレーボール記録)の殺人級のスピードなので、レシーバーから少しでもずれてコートに入ればもうエースです(笑)。

あとセッターのジャンネッリも曲者でしたね。

序盤はバンバン自分でアタック打ちに行って(笑)、それを印象付けると、後半はうまくフェイク動作をかけてパドヴァブロッカーを翻弄してました。

あと第2セットでみられたジャンネッリと髙橋のフェイクセット対決も面白かった(笑)。

ジャンネッリはサーブにスパイクにと直接点数を取る場面が多いので結構派手に見えますが、この試合でもサイッタのブロックのところにレオン、髙橋のブロックのところにエレラなど、こちらのアタッカーと相手のブロッカーのミスマッチが起きているところにボールを集めるなど基本に忠実でしたし、ミドルやパイプをちゃんと上手く使えているところもやはりすばらしかったです。

この試合のMVPはMBのルッソが取りましたが、逆にパドヴァはもう少しミドルの攻撃力がほしいところですね。

もっとミドルにボールを集められればサイドの3人も更に生きてくるでしょう。

とにかくパドヴァは善戦したと思います。

前半戦では確かに1セット取れましたが、その後の3セットが結構ボロボロだったのに対し、今回はストレート負けだったものの、最後まで内容のある試合ができていたんじゃないかと思います。

本当にレオンのサーブガチャに当たらなければセット取れていたはず(笑)。

まあここまで今シーズン無敗のペルージャには負けてもしょうがないので、次のターラント戦にしっかりと照準を合わせたいところですね。

ターラントはこの試合の前日にヴェローナを下して勢いに乗っているので、ここで勝って、できれば勝ち点3を取って、プレーオフまでの望みをつなげたいところです。

写真:Lega Pallavolo Serie A

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