試合レポート

髙橋藍所属パドヴァ、大逆転でターラントを破り今季3勝目!

2022年10月31日

イタリア男子バレーボールリーグセリエA第5節、髙橋藍所属のパドヴァは現地時間10月30日(日)にアウェイでターラントと対戦し3-2(19-25, 21-25, 25-21, 25-19, 16-14)と0-2から逆転で勝利しました。

髙橋藍はこの試合も全セットスタメンで出場し、チーム2番目に多い18得点でチームの勝利に貢献しました。

第1セットスタメン

パドヴァ

OH:髙橋(日本)、デスメット(ベルギー)
MB:ヴォルパト(イタリア)、クロサート(イタリア)
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)

ターラント

OH:アントノフ(イタリア)、レプキー(カナダ)
MB:アレッティ(イタリア)、ラリッツァ(イタリア)
OP:ステファニ(イタリア)
S:ファラスキ(イタリア)
L:リッツォ(イタリア)

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット、パドヴァはいきなり連続ブロックで3-0と好発進を見せますが、ターラントも髙橋を止めて5-5とすぐさま追いつきます。

その後はパドヴァはペトコヴィッチと髙橋、ターラントはステファニを中心にサイドアウトを取っていき、一方がブロックやエースでブレイクをしてももう一方もそれらをお返しする形で中盤まで競った展開を見せます。

しかし昨季パドヴァでプレーしていたターラントのレプキーが元チームメイト髙橋のスパイクをブロックで止めて17-18とすると、続くサーブでデスメットが崩され17-20とターラントが連続ブレイクに成功。

パドヴァも髙橋の3枚ブロックを打ち抜くスパイクなどで抵抗を見せますが、ターラントのファラスキにエースが出て更に点差を広げられ、最後はデスメットに代わって入ったアスパルホフがネットに触れてしまい19-25でターラントがこのセットを取ります。

第2セット、パドヴァは序盤デスメットやMBクロサートで得点していきますが、サーブミスが続いてなかなかブレイクできません。

一方ターラントがペトコヴィッチを止めるMBラリッツァのブロックやレプキーのエースで8-11と抜け出します。

パドヴァは再びデスメットとアスパルホフに代えて状況の改善を図りますが、その後もサーブで相手を崩すことができず点差が縮まりません。

逆にターラントはレプキーがまたエースを決めるなどして15-19と点差を広げ、最後もレプキーのスパイクで21-25とし、このセットもターラントが取ります。

第3セット、後がないパドヴァはこのセットスタートからOHデスメットに代えてアスパルホフ、MBヴォルパトに代えてカネッラを起用します。

パドヴァはこのセット序盤から効果的なサーブで相手を崩すことに成功し、ターラントスパイクをうまく拾ってラリーからブレイクを奪って7-4とリードします。

その後レプキーのブロックなどで7-7と追いつかれますが、ペトコヴィッチのエースやターラントの連続スパイクミスなどで12-9とパドヴァが再びリードし、髙橋やアスパルホフのスパイクでこのリードを保ったまま終盤を迎えます。

最後もターラントのOPステファニがスパイクをアウトにして25-21でパドヴァがセットを奪い返します。

第4セット、パドヴァはペトコヴィッチ、アスパルホフ、髙橋のサイド3人、ターラントは好調のOPステファニとOHレプキーを中心にサイドアウトを取り合い、3点差以上離れない緊迫した展開が終盤近くまで続きます。

しかしターラントが常に先行していて、パドヴァとしてはやや苦しい状況でした。

その流れをガラッと変えたのがオポジットのペトコヴィッチ。

スパイクを決めて17-17とすると、そこから自身のサーブが走りまくり、自らスパイク、サービスエースを決めるなど5連続ブレイクに成功し、パドヴァが22-17と一気に抜け出します。

その後髙橋にもダメ押しのサービスエースが出てパドヴァがセットポイントを握ると、最後はカネッラがクイックを決めきって25-19とし、試合はファイナルセットへ。

第5セット、第4セットの勢いそのままにペトコヴィッチが序盤から2連続エースを決めて3-0とパドヴァリードでスタートします。

その後もパドヴァはトスをうまく散らしてサイドアウトを重ね、ターラントもステファニを中心に得点しますが、パドヴァがリードしたまま終盤に入っていきます。

ペトコヴィッチのスパイクで14-12とパドヴァが先にマッチポイントを握りますが、そこからターラントがステファニ、レプキーのアタックで追いつき14-14とデュースに持ち込みます。

しかし再びペトコヴィッチが力強いスパイクでサイドアウトを取ると、最後はアスパルホフのディグからつないだハイボールを髙橋が見事に決めきって16-14とし、パドヴァが0-2からフルセットの末の大逆転でターラントに勝利を収めました。

喜ぶパドヴァのメンバー

MVPはチーム最多25得点、うちエース4本、ブロックも3本と大活躍だったオポジットのペトコヴィッチが選ばれました。

髙橋は2番目に多い18得点(うちサーブ1、ブロック1)、アタック決定率50%、サーブレシーブ成功率52%とこの日も安定した活躍を見せました。

これでパドヴァは通算3勝2敗6ポイントで9位となりました。

次週は現地時間11月5日(土)18:30(日本時間翌2:30)から、ホームでシエナと対戦します。

感想など

パドヴァ、見事なカムバックでした!!

1, 2セットはサーブも攻めれてないし、サーブレシーブも崩されてなすすべなしの状態で正直「スト負けか?!」と思ってしまいました。

しかし3セット目からサーブが機能し始めて相手にプレッシャーをかけられたのが大きなターニングポイントだったと思います。

MVPのペトコヴィッチもすごかったですね!!!

この日はスパイクミスも多く心配ではあったのですが、4セット目のサーブは本当にチームの窮地を救い、流れをグッとパドヴァに引き寄せてくれましたし、あの勢いのまま第5セットをスタートできたのもとてもよかったですね。

また地味なポイントではありますが、この試合はアスパルホフが相手のサーブで狙われながらもしっかりと耐えてくれたこともすごく大きかった。

この試合あの髙橋ですら受数27本中3本の失点を出してしましましたが、アスパルホフは25本受けて失点ゼロ、成功率も52%と安定したパスをセッターサイッタに供給してくれていました。

髙橋も攻守にわたりこの日もチームに大きく貢献してくれました。

1セット目の終盤のキワキワの超クロススパイクや、マッチポイントのハイボールを決める姿には痺れましたね。

ただこの日はアタックで被ブロック5本、サーブレシーブでも失点3とやや心配な数字もあったので、次回以降しっかり修正していってほしいですね。

ターラントはイタリアの若手OPステファニの攻撃力がすごく、特に試合序盤はサーブ&ブロックが見事にハマって試合を完全に支配していたように見えました。

お客さんの声援もアツかったですし!(あと相手チームに対するブーイングも(笑))

しかし第3セットはアタックミスとサーブミスが多くブレイクチャンスを逃し、結果試合の流れをパドヴァに譲ってしまいました。

今回はパドヴァの勝利となりましたが、次回の対戦ではどうなるかわからないので、リーグ後半のパドヴァホームでの再戦も楽しみですね。

パドヴァは現在3勝2敗で、6位のピアチェンツァよりも勝率は高いのですが、勝った試合全部フルセットなのが仇となり、ポイントの関係で順位が9位となってしまっています。

ですから次のシエナ戦こそは3-0ないし3-1で勝って勝ち点3を獲得したいところ!

Forza Padova!!!

なおイタリアリーグは全試合Volleyball World TVで生配信、アーカイブ配信されています!まだ利用されていない方は、下記リンクから視聴方法を確認して一緒に選手を応援しましょう!!

写真:Lega Pallavolo Serie A

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