試合レポート

石川祐希vs髙橋藍!イタリアバレー日本人対決後半戦、再びミラノがパドヴァを下す!!

2023年2月6日

イタリア男子バレーボールリーグセリエA後半第7節、石川祐希所属のミラノ(8位)と髙橋藍所属のパドヴァ(10位)のと試合が現地時間2月5日(日)にミラノで行われました。

試合はミラノが3-1(25-18, 23-25, 25-20, 25-19)でパドヴァに勝利。

この試合、石川と髙橋は共にスタメンで出場し、石川はチーム2位の19得点、髙橋もまたチーム2位の13得点の活躍でした。

第1セットスタメン

ミラノ

OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ヴィテッリ(イタリア)、ロセル(アルゼンチン)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)

パドヴァ

OH:髙橋(日本)、アスパルホフ(ブルガリア)
MB:カネッラ(イタリア)、クロサート(イタリア)
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット序盤はサイドアウトが続く競った展開になり、ミラノはOPパトリィやMBロセル、パドヴァはOPペトコヴィッチを中心に得点を取っていって10-9まで進みます。

しかし直後にOH石川がOPペトコヴィッチのスパイクをブロックで止めると、更にMBヴィテッリやOH石川のスパイクで続けて得点し、14-9とミラノが大きく抜け出します。

パドヴァはセッターをゾッペラーリ(イタリア)に代えますが、その後もOPパトリィがアタック、ブロック、サーブで得点をあげるなどして22-15とミラノがリードを広げます。

そのままセットポイントを握ったミラノに対し、パドヴァもOPペトコヴィッチのスパイクなどで3連続得点に成功しますが、最後はOH石川のスパイクが決まって25-18でこのセットをミラノが取ります。

第2セット、パドヴァはSゾッペラーリをそのままスタートから起用します。

序盤はMBカネッラのサーブからOH髙橋がスパイクを決めるなどして3-5とパドヴァがリードしますが、その後OPパトリィのスパイクなどでコンスタントにブレイクを取ったミラノが11-10と逆転に成功します。

しかしOPペトコヴィッチがスパイクとサーブで得点を重ねて14-16とパドヴァが再逆転すると、更にOH髙橋のスパイクをブロックしようとしたOH石川にタッチネットのミスが出るなどして18-21とパドヴァがリードを広げます。

終盤パドヴァにミスが出て22-23とミラノが1点差まで詰め寄りますが、最後はOHアスパルホフがスパイクを決めて23-25でこのセットはパドヴァが取り返します。

第3セット、ミラノは第2セット途中から投入していたOHエバディプール(イラン)をそのままスタートから起用します。

出だしからOPパトリィのスパイクやブロックでミラノが3-0とリードすると、パドヴァもOH髙橋のスパイクなどで応戦しますが、OHエバディプールのブロックなどでさらにミラノがブレイクを重ねて9-5となります。

その後もミラノはOPパトリィがしっかりとサイドアウトを取り、MBロセルやMBヴィテッリのブロックでブレイクを重ねて18-12と点差をさらに広げていきます。

パドヴァも2枚替えで入ったOPグッツォのアタックやMBカネッラのサーブで22-18と点差を縮めるも、最後はOHエバディプールのスパイクが決まって25-20でこのセットをミラノが取ります。

第4セット、出だしからOH髙橋がスパイクとサーブで得点を重ねて1-4とパドヴァがリードします。

そこからOH石川もスパイクを連続で決め、更にOHエバディプールのサービスエースで9-9とミラノが同点に追いつきます。

その後OH石川にサーブレシーブでミスが出て11-13と再びパドヴァにリードを許しますが、直後にサイドアウトを取ってOH石川にサーブが回ってくると、自身のパイプ攻撃やサービスエースで3連続ブレイクとなり15-13とミラノが逆転します。

さらにミラノはMBロセルのエース、OPパトリィのスパイクでもブレイクして19-15と点差を広げると、終盤にも再びOH石川のサービスエースが出て24-19とミラノがマッチポイントを握ります。

そして最後はOH石川のサーブからMBロセルがOHアスパルホフのスパイクを見事にシャットアウトして25-19でこのセットもミラノが取り切りました。

この結果、日本人対決となった両チームの対戦は、前半戦に続いてミラノが3-1でパドヴァに勝利する形となりました。

MVP:OPジャン・パトリィ(22得点(うちサーブ1、ブロック3)、アタック決定率67%

ミラノの石川祐希は19得点(うちサーブ2、ブロック1)、アタック決定率53%、サーブレシーブ成功率52%、パドヴァの髙橋藍は13得点(うちサーブ1)、アタック決定率55%、サーブレシーブ成功率29%の活躍でした。

この結果を受けて、ミラノは通算9勝9敗26ポイントで7位に浮上、パドヴァは6勝12敗15ポイントで10位維持となりました。

次週、ミラノは現地時間2月12日(日)15:30(日本時間23:30)からアウェイでピアチェンツァと、パドヴァも同一日時からホームでヴェローナとそれぞれ対戦します。

試合の感想など

やってまいりましたね日本人対決2回戦!

まず映像を見たときに驚いたことが2つ。

ひとつ目は観客席の日本人、アジア人の多さ。

「本当にイタリアで試合してるの?!」と思うくらいに日本人、アジア人で会場が埋め尽くされていましたね!

前回パドヴァでやったときにはここまでではなかったと思いますが、やっぱりミラノ自体に現地在住の日本人やアジア人が多いこと、そして去年よりも日本からの渡航のハードルが下がったことも影響しているでしょうね。

試合後に髙橋もツイッターで「日本で試合してるみたいでした」とコメントしていましたが、映像で見ていても本当にそんな感じで驚きました。

改めて石川髙橋両選手の注目度、そして日本人対決の注目度の高さを感じさせられました。

そしてもう1つが髙橋の髪型!!!

試合前にSNSで髪を切ったことを報告してくれていましたが、流石に切り過ぎ、というか刈り上げでは?(笑)

他のパドヴァのチームメイトもバッサリ刈り上げていたので一緒にやったのかなとも思いましたが、今回は日本からテレビの取材も来ていたみたいなので本人的には大丈夫だったのかな…。

まあでもこの髪型でもカッコいいのがまたすごい。

来週僕もパドヴァに行くのでこの髪型については改めて本人に直接聞いてみたいと思います(笑)。

またこの試合は関係者席に日本代表のブラン監督の姿もありましたね。

さて試合は1セット目から白熱した展開となり、ミラノのパトリィが力強いスパイクを決めれば、パドヴァの髙橋が巧みなロールショットで得点。

初っ端かな魅せてくるな髙橋!

パドヴァ応援団、メン・イン・ブラックの皆さんの声もよく聞こえてました。

むしろ音だけ聞くとパドヴァホーム(笑)。

またポッロの連続ロセルにも痺れました、前衛3ローテ全部ロセルでサイドアウト取ってくるんですもの。

確かにパドヴァはミドル攻撃に対するブロックはあまりよくないイメージですし、ロセルとポッロのコンビネーションは本当に今年に入ってどんどん良くなっていっているのでどんどん行け!!

あとミラノはパトリィが非常によい、安定感抜群。

そういえばパトリィも髪切ってましたね。

髙橋もパトリィも、散髪組は調子よさげでした(笑)。

1セット目は中盤の石川ブロックからミラノが連続得点をあげて流れを掴みましたね。

ヴィテッリ兄さんの足セーブもよかった。

そしてパドヴァは珍しく控えセッターゾッペラーリを投入。

ただ交代してすぐはコンビネーションが合わずに髙橋がブロックに捕まるなどしました。

そうこうしているとラリー中に後衛石川がライトからバックアタックを決める(めっちゃかっこよかった)。

前衛オポジットがブロックなどでライトに開けないときに、攻撃のネット幅を確保するために後衛サイドがライトに開いて打つのはよくあるパターンですが、やっぱりこのプレーは何度見ても好きです!

このセットは最後も石川のスパイクで25-18ミラノ!

第2セットは、早々に石川が執念の片手ディグ→パトリィが助走なしスパイクを決める。

でもそのあとサーブミスした石川に「ありがとう!」コールするメン・イン・ブラックの皆さんwww。

元パドヴァの選手にも容赦ない皮肉を送ります(笑)。

このセットはパドヴァのペトコヴィッチがスパイクにサーブに大車輪の活躍。

しかし中盤に石川も自らのパスが乱れてメルガレホがアンダーでギリギリつないだボールを打ちにいって決めるというスーパープレー!!

いやいやカッコ良すぎでしょうよ。

それでもパドヴァは髙橋、ペトコヴィッチがスパイクを決めて逆転を許さず。

そこでミラノはエバディプールを投入して、すぐさまアタックとサービスエースを決める!!!

エバディプールはメルガレホがスタメンにすっかり定着してしまってから出番が少ないので、こうした彼の活躍は本当にうれしい。

エバちゃんはイラン代表キャプテンとして有名ですが、僕にとっては推していたベウハトフというポーランドのチームで5シーズンプレーしていた選手でもあるし、今シーズンも取材時に多く話をしたので頑張ってほしい選手のひとり。

そういえばパドヴァのペトコヴィッチも元ベウハトフでエバちゃんのチームメイト。

あとミラノには石川やヴィテッリなど元パドヴァの選手も比較的多いから、この2チームは日本人の2人だけじゃなくていろんな縁を持っているチームなんだなと改めて思ったりもしました(試合後もやっぱりその人たちで話していたし)。

しかしこのセットはペトコヴィッチのスパイクやサーブ、またツェンガーの好ディグも光って23-25でパドヴァ。

第3セット序盤は石川髙橋の打ち合いに。

5-3ミラノリードから髙橋が強烈なレフトスパイクを決めると、石川もツーアタック(フェイクセットしなかった)でやり返す。

あとパドヴァはこのセットからアスパルホフのミスが目立つようになりましたね。

サーブミス、ガペみたいに変に腕を回したスパイクミス、またサーブレシーブは比較的緩いボールでも崩れてしまって、ミラノ側からするとそこまで厳しいサーブを打たなくてもアスパルホフを狙いさえすればいいような楽な展開になっていたように思います。

前週のシエナ戦終盤のよくない感じをまだ引きずっているのかな。

そうしてこのセットはミラノリードで進んでいきますが、でもそんな中でもラン・タカハシは当たっている。

スパイクもよく決まるし、15-10の場面での相手のジャンプサーブをギリギリで片手で上げてAパスにする(さらにちゃんとスパイクにも開いてる)という神技まで披露してくれます。

でもミラノはパトリィが相変わらず止まらんし、エバディプールもブロックにスパイクにめっちゃ仕事する。

パドヴァもMBカネッラのフローターサーブがいい仕事してたけど(福澤さん曰くミラノのLペサレージはフローターに弱い)、25-20で第3セットはミラノ。

第4セット出だしは髙橋。

1本目をスパイクで決めると、その後サーブエースなどで2連続ブレイク!!(その間にアタックミスした石川は、また「ありがとう」コールを受ける(笑))。

そしたらお次は石川が連続でスパイクを決める!!

そして髙橋がパイプを決めれば、石川もパイプでお返し!!!

そしてエバちゃんがサービスエースを決める!!!!

エバちゃん!!!!!(笑)

とまあアツい展開ですね。

しかしMBクロサートのサーブに石川が崩されて11-13とパドヴァがリード。

でもこっからギアが入った石川。

ペトコヴィッチのアタックミスでサーブが石川に回ってくると、返ったボールを自ら拾って自ら打つ!

次にサーブを打つ石川の後ろのブランがニンマリ(笑)。

更にラインギリギリにサービスエースを決めて15-14逆転!!

自らのミスをそれ以上の得点に変える男ユウキ・イシカワ、マジかっけえ…。

こっからはもうミラノペース、髙橋も元チームメイトのヴィテッリ兄さんにブロックされてしまう。

最後もまた石川先生がサーブエースをとって、更に先生のサーブからのロセルブロックで25-18のミラノでゲームセッツ!!

やっぱりミラノが勝ったか~。

ミラノは結局パトリィが最後まで止まらなかったし、石川先生の4セット目のサーブが効きすぎましたね。

パドヴァも髙橋本人は数字を見てもとても調子がよかったと思うんですが、対角のアスパルホフがなんだかイマイチでした。

やっぱり自身のサーブレシーブが乱れるとアタックにも悪影響が出てしまいますね。

理想的には悪いプレーが出てもまた別のプレーで補って調子を落とさないようにするのがいいんですけどね。

まあそれをやったどころか、それ以上にギアを上げることに成功したのが我らが石川先生だったわけですが(笑)。

流石のメンタリティ。

でも髙橋もまた試合の中で自分のプレーをコントロールするのが上手い選手ですよね。

彼もまた石川先生の背中を追ってここまで来たのでしょうから、やはり石川先生は偉大…。

でも本当にお互いにスーパープレーが出たり、バチバチの打ち合いが見られたりととても見ごたえのある試合だったんじゃないかと思います!!

とりあえず今シーズン予定されている両者の対戦はこれで終了。

まだ5位決定戦で当たる可能性もありますが、ミラノには最低ベスト4に行ってもらわねばならないのでそこは考えません!(笑)

次にこの2人はどこのチームでどんな形で対戦するのでしょうか。

個人的には髙橋をポーランドに連れていきたいので(笑)、次はヨーロッパチャンピオンズリーグで初の日本人対決として両者の対戦が見たいですね!!!

でもこれも全然夢物語ではないはず。

とにかく今から次の所属先が気になりすぎます。

でもまずは今シーズンしっかり結果を出すこと。

ミラノはプレーオフ進出、できれば8位通過は避ける(最強ペルージャと当たるから)。

パドヴァは最下位(自動降格)の回避。

フォルツァ・ジャッポネーゼ!!!!

写真:PowervolleyMilano

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