現地時間3月8日(土)イタリアスーパーレガ、プレーオフ準々決勝ペルージャ対モデナの第1戦が行われた。試合は石川祐希所属のペルージャが3-1(23-25, 32-30, 25-22, 25-28)でモデナを下し、ホームでの初戦を勝利で飾った。プレーオフはホーム&アウェイ5戦3勝方式。
石川祐希は前の試合に続いてベンチスタート。
第1セット、序盤からMBマティやOHグティエレスの活躍でブレイクしたモデナが4-7とリード。中盤にMBロセルのブロックで12-12とペルージャが追いつくが、MBアンザーニのサービスエースなどで14-17と再びモデナが点差を広げる。さらにOPブケゲルのスパイクなどで得点を重ねたモデナが18-24と先にセットポイントを握る。そこからSジャネッリのサーブからエースなどで4連続ブレイクしたペルージャが23-24と迫るが、最後はOPブケゲルがスパイクを決め切って23-25でこのセットをモデナが取る。
第2セット、OPブケゲルの連続スパイクが決まるなどして4-6とモデナがリードする。しかし再びSジャネッリのサーブからエースやOHプロトニツキのスパイクで連続ブレイクを決め、ペルージャが15-13と逆転する。そこからMBソレやOPベンタラのスパイクなどで得点を重ねて24-21とペルージャがセットポイントを握る。しかしリリーフサーバーOHマッザーリのエースなどでモデナが24-24とデュースに持ち込む。そしてOPイクバイリのエースで25-26と逆にモデナがセットポイントを握るも、MBロセルのブロックで30-29とペルージャがセットポイントを握り返す。最後はOHセメニウクがブレイクチャンスでスパイクを決め切って32-30でこのセットをペルージャが取る。
第3セット、序盤は互いに点を取り合う競った展開になるもOHダヴィスキバの連続エースで9-11とモデナが前に出る。しかしペルージャがOPベンタラのエースですぐに追いつき、12-12となった場面でOHプロトニツキに代わってOH石川がコートイン。そこからお互いにブレイクを取りながらも点差が離れず、OHセメニウクのスパイクで19-18となった場面でOH石川が再びベンチに下がる。その後OHセメニウクのスパイクとモデナのミスで22-19とペルージャが抜け出し、最後はMBロセルがクイックを決めて25-22でこのセットをペルージャが取る。
第4セット、序盤はOPブケゲルの連続エースで3-5とモデナがリードする。しかしペルージャがOPベンタラのブロックで5-5とすぐに追いつくと、さらにこの試合最長のラリーをSジャネッリがツーアタックで締めて8-7とペルージャが逆転。その後もOHセメニウクやOPベンタラで得点を重ねてペルージャがジワジワ点差を広げて17-13とする。終盤にはOHプロトニツキがスパイクとサービスエースを決めて24-17とペルージャがセットポイントを握ると、最後もOHプロトニツキのパイプ攻撃で締めて25-18でこのセットもとったペルージャがモデナを3-1で下した。
詳しい試合スタッツはこちら↓
https://www.legavolley.it/match/38957
この試合は現地で見守った。
諸事情により会場に到着したのが試合開始直前となってしまい、席に着いた時にはスタメン発表が行われていた。スタメン発表に石川の名前はなかった。
僕個人としては髙橋藍が戦った昨シーズンのプレーオフ決勝以来のパラ・バルトン(ペルージャホームアリーナの名前)。会場はわずかに空席もあったが、やはりコートエンド一面のペルージャ応援団は圧巻。ど迫力。うるさい(褒めてる)。
そして試合前に銀テープ飛ばして選手も一緒になって片付ける笑。
これがペルージャ、ペルージャなんだよなぁ。

そうして試合スタート。なんとレギュラーシーズン7位通過のモデナが2位ペルージャを押しているではないか。アグレッシブなサーブとブロックが上手く機能し、切り返しでOHグティエレスやOPブケゲルが上手くブレイクポイントを奪っていた。
今季、この両チームは3回対戦していたがいずれもペルージャのストレート勝利であったため、この日もあっさり終わってしまうのではないかと思っていた。しかしやはりプレーオフ、ここまでの対戦成績など関係ないのである。
ペルージャが決して悪かったわけではなかったと思う。本当にモデナが良かった。1セット目はペルージャのロレンツェッティ監督もかなりイライラしていて、終盤にOHプトトニツキがアタックミスをした時にはベンチにペットボトルを軽く投げつけていた。
19-24からジャネッリのサーブで23-24まで持っていったのは圧巻でパリ五輪準々決勝を彷彿とさせたが、今回はここまでで1セット目はモデナ。
しかしその後の2セット目の30点を超えるデュースをペルージャが取り切ると、そのまま3セット連続と取ってペルージャが勝利。それでも4セット目の中盤までは本当に拮抗した試合だったのは間違いない。ペルージャが得意のサーブからリズムを作りたかったところをモデナがサーブレシーブで上手く耐えていいサイドアウト、いいラリーに持ち込めていた。4セット目はそこの均衡が崩れてペルージャのサーブが優位になった結果の現れだったと思う。モデナの集中力が切れたか、ペルージャのギアがまた上がったかとも言える。
MVPはSジャネッリ。苦しい中でも的を絞らせない配球で、5人中4人のアタッカーが2桁得点。本人も3エース、2ブロック、2アタックで7得点。4セット目のこの試合最長だったであろうラリーを自らのツーアタックで終わらせた後のドヤ顔は忘れない。

個人的にはOHセメニウクの攻守にわたる活躍もMVP級だったと思う。2セット目のセットポイント32点目を決めたスパイクは震えた。
モデナでMVPをあげるとすればOPブケゲルかな。4セット目こそ失速してしまったが、そのまでの決定力は凄まじかった。

OH石川は2, 3セット目に途中出場し、特に3セット目にはアタックを打つ機会もあったが得点にはいたらなかった。試合後インタビューに答えていただいが、インタビュー中ときおり咳をされていて病み上がりのような症状だったので、100%万全なコンディションではなさそうだった。早期回復を願うばかり。
いやしかしプレーオフ。プレーも選手たちも熱い熱い。レギュラーシーズンと場所と日程が読みにくい上にチケットも取りにくくなってくるが、これこそ本当に現場で目撃してほしい戦い。
Photo: legapallavolo.it, 筆者撮影