広告 イタリアリーグ 海外

垂水優芽「すごく充実したシーズンになっています」日本代表外、Vリーグでもベンチからの世界最高峰イタリアセリエAへの挑戦

2025年3月6日

現地時間3月2日(日)、イタリアスーパーレガ男子チステルナ所属の垂水優芽選手に話を伺った。

この日チステルナはアウェイでモンツァとレギュラーラウンド最終節を戦った。試合は大接戦の末に2-3(27-25, 19-25, 28-26, 24-26, 15-17)でモンツァがチステルナを下した。モンツァにとっては負ければ降格となる非常に重要な試合で、会場も唯ならぬ熱気と緊張感に包まれていた。

そんな中、垂水は2セット目から途中出場を果たし、キレのあるスパイクとサービスエースで10得点をあげた。残念ながら5セット目途中から再びベンチに下がってしまったが、身長の小ささを感じさせない高く軽やかなジャンプは、特にモンツァファンにとっては昨季在籍した髙橋藍(現サントリー)を思い出させたかもしれない。

そして試合終了後、会場がモンツァのスーパーレガ残留決定のお祭り騒ぎに包まれる中、和かにインタビューを受けていただいた。

T:お疲れ様でした。まず今日の試合のふりかえりをお願いします。

垂水:そうですね、プレーオフは決まってはいたんですけど、やっぱり最後に勝って、いい流れでプレーオフに向いたいなっていう気持ちがチームとしてはあったので、そこで勝ち切りたかったっていうのが(今の)気持ちですね。

T:今日は途中出場で、スパイクだけでなくサービスエースを決められてましたが、個人のパフォーマンスとしてはどうでしたか。

垂水:いや、全然ダメダメで。良かった時と悪かった時の波が試合の中で発生したのが課題だと思います。良かった時は良かった時でレセプションも返ってサーブも攻めれて。でもミスがやっぱり出だすとそこから消極的なプレーになっていたので、そこをやっぱり消極的なプレーをしていてもやっぱりこっち(イタリア)じゃ決まらないので、そこは次の試合に向けて、プレーオフが始まるのでそこに向けてもう1回調整したいなと思います。

T:今季は初めての海外リーグ、更にいきなり世界最高峰のイタリアリーグへの挑戦だと思います。このレギュラーシーズン全体をふりかえっていかがですか。

垂水:まあそうですね、出場機会はそこまで多くはなかったんですけど、出た中で自分が練習してきたことっていうのが、徐々に出せるようになってきて、それが終盤に連れてこう(結果に)なってきました。やっぱり一番、一番かはわからないですけどやっぱりレベルの高いリーグなので、そんなに簡単に活躍できるとは思ってなかったですし、そのために来たので、この中で揉まれながら、でも徐々に自分の持ち味とかこっちで練習してきたことが試合で出せるようになってきたので、すごく充実したシーズンになっています。

T:今シーズンここまでで通用した部分と課題の部分をあげるとすればどんなところですか。

垂水:最初に通用しない部分でいくとスパイク面。こっちはブロックも高いですし、身長が高い人が多いのでディフェンスの幅も広い人が多くて、なかなかスパイクが決まりにくいなというので、こっちに来てコーチからも言われて課題としてやっているので、そこはもう少し慣れが必要かなと思います。通用した部分では、初めから通用したわけではないですけど、練習し始めてからサーブとブロックに関しては少しずつ通用するようになりました。高い相手とか、こっちに来てパワーもついたので慣れが出てきて通用するようになってきたので、そこは日本に帰ったとしても自信を持ってやっていいんじゃないかなと思っています。

T:特に印象に残っている試合をあげるとしたらどれですか。

垂水:やっぱり初めてフルというか、長く出たパドヴァ戦です。その週がけっこう調子が良くて、自分の気持ち的にも出られれば活躍できるだろうなというふうに、その時は自信もついていたので、そこで(試合に)出られて。MVPは公式にはミドルの方(マッゾーネ選手)が取ったんですけど、みんなが「お前がMVP」みたいな雰囲気でやってくれたのはすごく嬉しかったですし、やってきたことを試合で出せたので、それが一番印象的ではあります。

T:あの時はマッゾーネもコメントで「ユウガの活躍がとても嬉しかった」とコメントしてくれていましたが、マッゾーネとは普段も特に仲が良いのですか。

垂水:いや、年齢がけっこう離れているので、バレー以外でどこに行くとかはないですけどすごく親しみやすくて、たまに日本語も交えつつ面白いことも言ってくるので、すごい面白い方です笑。

T:チステルナのチームはどんなチームですか。

垂水:楽しいです笑。みんな面白いというか、フレンドリーな選手が多いです。自分が最初に言葉がわからない状態で来ても、めっちゃ簡単な英語で話してくれたりとか、どっか連れて行ってくれたりとか、フレンドリーな選手が多いのでやっていてすごくやりやすいなと思います。

T:コミュニケーションは上手くできるようになりましたか。

垂水:最初よりかはって感じですね。でもまだまだ全然、はい。試合中のバレー用語とかならこっちに来て慣れはしたんですけど、日常生活になるとまだやっぱり難しいですね。

T:ここからプレーオフ準々決勝、1位通過のトレント(トレンティーノ)との戦いになります。

垂水:トレントになりました?!トレントか…、ペルージャが良かったですね笑。いろいろ含めてペルージャが良かった。やるなら日本人の(石川)祐希さんのいるところとやりたかったですし、場所的にもペルージャが一番近いので。そこは希望としてはペルージャが良かったっすね…。まあトレントはディフェンスも堅くてスパイクもいい選手がいっぱい揃っていますね。でも当たって砕けろではないですけど、8位通過なら8位通過なりにあんまり考えすぎずにみんなで楽しみながらぶつかっていくのが大事になると思うので、自分1人でどうこうできるわけではないですけど、みんなで引っ張っていい雰囲気でぶつかっていけたらなと思います。

T:来季の予定はいかがですか(言える範囲で)。

垂水:希望としてはイタリアに残りたいなと思います。まだ日本には帰る気はないので、次のオリンピックに向けてレベルの高い場所で(自分を)磨きたいなと思うので、希望としては海外で(バレーを)続けたいです。

T:応援しています。ありがとうございました。

今年は男女6人の日本人選手がイタリアリーグでプレーしているが、日本シニア代表として公式戦出場経験がなく、また日本の所属チームでもスタメンでなかった選手は垂水だけだ。ここからの下剋上なるか、今後とも彼の挑戦に注目したい。

Photo: legapallavolo.it, 筆者撮影

-イタリアリーグ, 海外
-, , , , ,