欧州バレーボール連盟(CEV)チャレンジカップ準々決勝2レグ、髙橋藍所属のモンツァは現地時間1月17日(水)にレフスキ・ソフィア(ブルガリア)と対戦し、3-0(25-21, 25-12, 25-21)で勝利した。髙橋藍はチーム最多18得点の活躍で勝利に貢献した。
第1セットスタメン
モンツァ
OH:レプキー(カナダ)、髙橋
MB:コンパローニ(イタリア)、ベレッタ(イタリア)
OP:ムヤノヴィッチ(スロベニア)
S:クレリング(ブラジル)
L:ガッギーニ(イタリア)
レフスキ・ソフィア
OH:トロ(アルゼンチン)、ガルコフ(ブルガリア)
MB:ゴツェフ(ブルガリア)、モレイラ(ブラジル)
OP:ティトリスキ(ブルガリア)
S:ニコロフ(ブルガリア)
L:イヴァノフ(ブルガリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
試合レポート
第1セット、序盤はモンツァが髙橋のスパイク、レフスキ・ソフィアはOPティトリスキのスパイクなどでそれぞれ得点を重ねて7-7と競ったまま試合が進む。そこからSニコロフのサービスエースで7-9とレフスキ・ソフィアが抜け出すと、その後もOHトロのパイプ攻撃やモンツァのミスでブレイクして13-18と点差をさらに広げる。しかし16-20の場面からモンツァがリリーフサーバーMBディマルティーノ(イタリア)を投入すると、自身のサービスエースを含む3連続ブレイクで19-20と1点差に迫る。さらに続くOPムヤノヴィッチのサーブから自身のサービスエースやOH髙橋のスパイクなどで5連続ブレイクを決め、一気に25-21としてこのセットを逆転でモンツァが取る。
第2セット、今度は序盤からモンツァが連続ブロックで4-1とリードする。さらに相手のミスやOH髙橋のブロックで11-5とリードを広げる。そこからSニコロフのサービスエースで11-8やや点差を詰められるが、その後のOH髙橋のサーブからOHレプキーのスパイクやOH髙橋のサービスエース3本を含む怒涛の8連続ブレイクで20-8とモンツァがレフスキ・ソフィアを一気に突き放す。終盤にもOPムヤノヴィッチのブロックなどでブレイクを重ね24-10とモンツァがセットポイントを迎えると、最後はOHレプキーがスパイクを決めて25-12でこのセットもモンツァが取る。
モンツァは1レグでレフスキ・ソフィアに3-0で勝っていたためこの時点でモンツァの準決勝進出が確定。
第3セット、モンツァはスタートからSヴィシッチとLマラッジーニを起用する。序盤はOPティトリスキの連続ブロックで1-4とレフスキ・ソフィアがリードする。しかしOHレプキーのサービスエースで6-5とモンツァが逆転すると、さらにOH髙橋の身を挺した顔面ブロックなどで10-6とリードを広げる。その後もOPムヤノヴィッチのスパイクやサービスエースやMBベレッタのブロックなどで17-11とモンツァペースで試合が進むが、途中出場のOHカンデフ(ブルガリア)のサーブからSニコロフのブロックなどで4連続ブレイクを決めてレフスキ・ソフィアが18-17と一気に1点差に迫る。しかしそこからOPムヤノヴィッチのスパイクやMBコンパローニのブロックなどでモンツァが得点を重ねて24-20とマッチポイントを握ると、最後はOPムヤノヴィッチが力強いスパイクを決めて25-21とし、このセットもモンツァが取り切る。
この結果モンツァは3-0でレフスキ・ソフィアに勝利した。
MVP:OPニク・ムヤノヴィッチ 14得点(うちサーブ2、ブロック1) アタック効果率29.62%
OH髙橋藍 18得点(うちサーブ3、ブロック2) アタック効果率61.11%
CEVチャレンジカップ準決勝1レグは、1月最終週平日のいずれかの日にガラタサライ・イスタンブール(トルコ)との試合となる。
CEV チャレンジカップ男子:http://www.cev.eu/match-centres/2024-european-cups/cev-volleyball-challenge-cup-2024-men/
また次のイタリアリーグは日本時間1月21日(日)24時30分からターラントと対戦する。
イタリアリーグHP: https://www.legavolley.it/
配信(VBTV、有料): https://www.volleyballworld.tv/home
髙橋藍試合後コメント
今日は入りから非常にいい試合展開を作れました。前回のモデナ戦は少し体調を崩したなかでの試合だったので、少しコンディション面で難しいところはありましたけど、そこからしっかり自分のコンディションをまた整えて今日の試合をいい形で臨めたので、しっかりとシーズン後半戦につながっていくいい試合ができたんじゃいないかなと思います。
トシキのコメント
この試合は現地で観戦しました。
モンツァは雨でした。そんな中シェアサイクルを使って宿から会場に向かった僕は履いていたジーンズの左半分を汚しました(右側通行で車道を走ったため)。
前回現地で見たのは年末のチヴィタノーヴァ戦で、試合にも負けて髙橋もコンディション等含め疲労困憊であったので、この日はチームの勝利と彼の活躍を期待していました。
今回の対戦相手となったレフスキ・ソフィアは1レグでもフルメンバーを出さずにモンツァが3-0で下した相手だったので、この日もさっと終わらせてくれるであろうと思っていました。
それにしてもこの日の会場は閑散としておりました。まあ日曜日にホームゲームやったばかりだし、対して面白い試合にならないことがわかっているからこんなもんなのでしょう。
モンツァの練習の雰囲気はいつもどおり和気あいあいとしていました。
髙橋はウォームアップからキレのあるスパイクを披露していましたが、チームメイトから心配そうな表情で声をかけられたりしていたので、コンディション的にはまだまだ本調子ではないのかなと思ったりもしました。
日曜日のモデナ戦ははっきり言って本来の彼のパフォーマンスからはかけ離れていましたからね。
そんなこんなで試合開始。モンツァのスタメンは大方予想どおり。アウトサイドはモデナ戦でフル出場したマーを休ませて髙橋ーレプキー対角。
1セット目序盤からカショパがめちゃめちゃ髙橋を使う。コンディションを確認するかのごとくめちゃめちゃ使う。そして髙橋もそれに応えてめちゃめちゃ決める。動きもよい感じ。
しかし相手の強いサーブにやられてジワジワを点数を離される。
特にシメオン・ニコロフ(チヴィタノーヴァにいるニコロフの弟、17歳)のサーブが凄い。やっぱりお兄ちゃんと一緒。それでセッターだもの。206cmのセッターなんですよ。身長以上に腕が長いからセットアップ位置がめちゃめちゃ高いです。
あとカショパとベレッタのコンビが合ってなくて失点になったケースもありました。
そんなこんなでズルズルと進んで15-20とソフィアが5点リード。普通ならこのままセットを取られてしまってもおかしくなかったんですが、ここで救世主ディマルティーノのサーブから3連続ブレイクで19-20とします。18点目にはカショパがディグしたボールを髙橋がそのまま叩き込むというスーパープレーもありました。
さらに続くムヤノヴィッチのサーブも爆発。彼はまだ安定感がないですが、当たればすごいです。
そして気づけば25-21で1セット目をモンツァが取ってる。これがイタリアリーグの実力か。
2セット目以降はもうほとんどモンツァペースで試合が進みました。第2セットの中盤なんかは髙橋のサーブから8連続ブレイクで12-8から20-8と一気に試合を決めてしまいました。最後の4点は事実上のものも含めると4連続のサーブポイントでした。僕らのラン・タカハシ、大車輪の活躍でした。
点差が開いて余裕が出てきたのか、このあと髙橋はかなり笑顔で楽しそうにプレーしていました。スパイクのときもレシーブのときにニヤニヤ、ワクワクというような感じで。よかったね。
そうして25-12の大差で第2セットも取り準決勝進出が確定。3セット目はセッターとリベロも控えの選手を出して臨みます。
そこでなんと相手のスパイクがブロックで跳んだ髙橋の顔面に直撃。ボールはキレイに相手コートに落ちてブロックポイントとなったものの、いっときまともに動けなくてかなり痛そうでした…。しかし顔に大きなけがなどなくてよかったです。
このセットは途中18-12から18-17とソフィアに追い上げられたものの、最後は髙橋とムヤノヴィッチが締めて3-0でモンツァの勝利。試合時間も77分。コンパクト。
髙橋はベストスコアラーでアタック効果率も60%強と文句なしのパフォーマンスでしたが、MVPはムヤノヴィッチに。納得はいかないけどチームとしてあげられるときに彼にあげたいのはわかります。
ムヤノヴィッチはポテンシャルはあると思うので、もっとアタックの通過点を高くするのと軟打が上手くなるように頑張ってほしい。ソフィア相手にアタック効果率30%届かないのはあかんですから。
試合後のインタビューでは年末よりも多くの笑顔を見せてくれた髙橋でした。その点は安心しましたが、まだまだ疲れもあるようでした。
とりあえず今月は月末のコッパイタリアに万全の状態で臨んでくれることを願います。
Photo: CEV、筆者撮影
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