試合レポート

髙橋藍所属パドヴァ、強豪ペルージャに逆転で敗れる

2022年10月24日

現地時間10月23日(日)、イタリア男子バレーボールリーグセリエA第4節パドヴァ対ペルージャの試合が行われ、昨季レギュラーシーズン1位のペルージャがホームのパドヴァに3-1(21-25, 25-12, 25-19, 25-18)で勝利しました。

髙橋藍はこの試合もスタートから出場しチーム最多16得点を記録しますが、今回はチームを勝利に導くことはできませんでした。

第1セットのスタメン

パドヴァ
OH:髙橋(日本)、デスメット(ベルギー)
MB:ヴォルパト(イタリア)、クロサート(イタリア)
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)

ペルージャ
OH:セメニウク(ポーランド)、プロトニツキ(ウクライナ)
MB:ソレ(アルゼンチン/ イタリア)、フラヴィオ(ブラジル)
OP:リヒリツキ(ルクセンブルク/ イタリア)
S:ジャネッリ(イタリア)
L:ピッチネッリ(イタリア)

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット、序盤はサーブが上手く機能したパドヴァがブレイクチャンスを掴み、そこに髙橋がキレのあるスパイクを確実に決めきって5-2とスタートダッシュに成功します。

その後ペルージャがリヒリツキのスパイクなどで9-9と追いつきますが、パドヴァもペトコヴィッチのサーブからエース含む連続ブレイクで12-9と再び点差を離します。

ペルージャはミドルのソレとフラヴィオを中心に得点を重ねる一方、パドヴァはサイドの3人が確実に決めて相手の追従を許しません。

またブロックとディグも機能して長いラリーを制し、逆に17-13と点差を広げます。

セット終盤もパドヴァの勢いは止まりません。

特に髙橋はキレキレのパイプ攻撃、そして難しいハイセットを相手の3枚ブロック関係なく2度打ち抜ぬいて会場を大いに沸かせます。

最後も髙橋のスパイクが炸裂して25-21で第1セットをパドヴァが取ります。

髙橋はこのセットだけで9得点、アタック決定率脅威の82%と圧巻のパフォーマンスを見せつけます。

しかし、続く第2セットは1セット目がまるでなかったかのようなペルージャの一方的な展開になります。

ペルージャはこのセットからリベロをサーブレシーブ成功率が14%とよくなかったピッチネッリからリオ五輪銀メダリストのベテランのコラーチ(イタリア)に代えます。

これによりペルージャはサーブレシーブが安定したことに加え、サーブでもパドヴァを攻め立てプレッシャーを与えることに成功します。

このうえパドヴァはペトコヴィッチが相手ブロックに捕まるなどしてなかなかスパイクで得点できず、序盤から一気に10-3と大きく点差を広げられてしまいます。

このセット髙橋はサーブレシーブの場面で相手から避けられていたうえ、スパイクを打つ機会もほとんどなくなかなかプレーに絡むことができません。

パドヴァはセッターをゾッペラーリ(イタリア)に、OHのデスメットをアスパルホフ(ブルガリア)に代えるなどしますが状況を改善することはできず。

逆にリヒリツキやプロトニツキが確実に決めて点差を広げ、最後はセメニウクのサービスエースで25-12と大差でペルージャがセットを取り返します。

第3セットも引き続きペルージャリードで進みます。

しかしパドヴァも第2セットとは違い、相手のサーブミスではなく自分たちのスパイクでサイドアウトを取れるようになっていき、得点源のペトコヴィッチも復活の兆しを見せます。

13-7とペルージャが6点リードしたところで再びパドヴァはデスメットに代えてアスパルホフをコートに送り込むと、その後彼のサーブが火を噴いてサービスエースを含む5連続ポイントで14-13とペルージャに迫ります。

しかしあと一歩のところでスパイクミスが出てなかなか同点にできないパドヴァ。

逆にペルージャがセメニウクの3連続サービスエースでまた22-16と点差を広げてパドヴァの逆転を絶望的なものにします。

終盤パドヴァはリリーフサーバーのガルディーニがエースをとって一矢報いますが既に時遅く、最後はMBソレがクイックを叩き込んで25-19でペルージャがセットを連取。

第4セットも序盤から流れが変わらず、3-0とペルージャリードでスタート。

その後も髙橋やクロサートが相手ブロックに捕まり7-3と点差が広がります。

しかし直後に髙橋がサービスエースを決めると、アスパルホフのスパイクや髙橋の巧みなコースうちで12-11とペルージャに1点差まで迫ります。

しかしまたペルージャがリヒリツキとセメニウクのサービスエースなどで21-16と点差を広げて終盤を迎えます。

パドヴァにもペトコヴィッチのエースが出て21-18としますが、その後ペルージャがフラヴィオのサーブから4連続得点。

プロトニツキのスパイクでマッチポイントを決めたペルージャが25-18でこのセットを取り切って、3-1でパドヴァに勝利しました。

MVPには12得点でアタック効果率脅威の91%を記録したペルージャのMBソレが選ばれました。

この日の髙橋は16得点(アタック15、サーブ1)、アタック決定率65%、サーブレシーブ成功率58%と個人としては素晴らしい数字を残すことができましたが、残念ながらチームの勝利にはつながりませんでした。

これでパドヴァは通算2勝2敗で10位となりました。

次週は現地時間10月30日(日)18:00から、アウェイでターラントと対戦します。

筆者の感想など

この試合は現地で観戦しました。

試合結果は残念なものとなってしまいましたがとても見ごたえのある試合でした!

第1セットの髙橋祭りは感動とか驚きというかすごすぎてポカーンとなっちゃいましたし、第2セットさておき、第3、第4セットは逆転の可能性を見せてくれるまで肉薄していたので、最後まで試合を楽しむことができました。

更にこの試合は、対戦相手が人気選手を数多く抱えるペルージャということもあり会場はほとんど満席状態で、その会場の熱量も試合を大いに盛り上げてくれていました。

特に髙橋が得点を決めたときには会場全体がドッと沸いて最高に盛り上がっていましたね!!

パドヴァのみなさんはたぶんもう髙橋大好きですよ(笑)。

また髙橋が得点するとパドヴァの応援団が「アリガトウ!」とか「ガンバレ!」とか日本語でエールを送ってくれていて、そうした応援にも心を動かされました。

髙橋はコート外ではニコニコしていますが、コート上では何か研ぎ澄まされているような、ゾーンに入っているようなそんな表情をしていて、並々ならぬ集中力の高さがこちらにもビリビリと伝わってきました。

こんな凄まじいギャップを見せられるとそりゃ惚れるわ(笑)。

そのうえチームからの信頼も厚く、難しいトスでもどんどん託されて、そしてそれを決めちゃうんですよ。

またサーブレシーブ、ディグも素晴らしいですけど、2本目のトスの精度も見事。正確な数字はわかりませんけど、彼がトスを上げたときのスパイク決定率はかなり高いんじゃないでしょうか。

パドヴァはやはり髙橋の対角のアウトサイドの安定感が課題でしょうね。特に髙橋は相手からサーブを避けられてしまうので、サーブレシーブでいかに耐えられるかが重要ですね。

それがデスメットになるか、アスパルホフになるか、はたまたガルディーニが出てくるのかわかりませんが、ここが固まればパドヴァは飛躍的に強くなれるはず!

頑張れ!とりあえず次こそ勝ち点3が欲しい!!

そしてペルージャですが、やはり強かった。

第1セットこそ失いましたが、第2セットからは一度もパドヴァにリードを許さない圧巻のバレーボールでした。

しかもこの試合はチームの大エースで世界最高のアタッカーのひとりとも言われているレオン(ポーランド)を温存しての勝利でしたからね。

でも代わりに出てくる選手も代表ではスタメンでエース級という層の厚さなのでチーム力はあまり変わらない印象です。

特に今日の試合では、個人的に密かに推しているプロトニツキのサーブを何度も間近で見られたのがよかったです。

いや本当にかっこよかった。

ちょっとドキドキしました(笑)。

ペルージャは第4週を終えて唯一の全勝で首位となりました。

この連勝記録をどこまで伸ばせるか、またはどのチームが破るのかも今後注目ですね。

トータル本当に大満足の現地観戦となりました。

皆さんもぜひ現地でこの感動を味わわれてください!!

髙橋も待ってますよ!!!

なおイタリアリーグは全試合Volleyball World TVで生配信、アーカイブ配信されています!まだ利用されていない方は、下記リンクから視聴方法を確認して一緒に選手を応援しましょう!!

写真:Lega Pallavolo Serie A

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