先週の1月27日(金)にポーランドリーグの宮浦健人選手が所属するニサとオルシュティンの取材のためにイワヴァという街に行ってきました。
オルシュティンのホームタウンはもちろんオルシュティンなんですが現在アリーナが改装工事中らしく、今季は近郊のイワヴァ(Iława)という街のアリーナでホームゲームを開催しています。
僕が住んでいるワルシャワからイワヴァまでは特急電車で約2時間、2000円程度で行けるので、今回は日帰り取材となりました。
イワヴァは湖畔の街で湖岸にはビーチもあるので、本来は夏がベストシーズンかと思いますが、冬も冬でいい感じの雰囲気でした。
そうしているとニサのバスを発見!
ということはアリーナはすぐ近くなんだと思ったら目の前にありました。
どうやらこの建物のようです。
写真では伝わりにくいかもしれませんがかなり小さい建物で、本当に街の体育館という感じでした(笑)。
会場内はこんな感じ。
席数が1200席くらいなのでまあこんなもんですかね~。
小さいアリーナでしたが、とてもキレイでした。
試合開始の約1時間前に入場しましたが、すでに両チームの選手たちもいました(ニサのプリンスキ監督とセッターのズコウスキがなんか話してました)。
上からだとこんな感じ。
ちゃんと宮浦くんの生存確認もできました(笑)。
今日の1本目#宮浦健人 pic.twitter.com/9Ae2l2Z9DW
— トシキ TOSHIKI (@toshikit71) January 27, 2023
この日の対戦相手オルシュティンはOPブトリン(ポーランド)、OHリピンスキ(ポーランド)、MBエヴリル(アメリカ)と各ポジションにポイントゲッターがいるバランスの取れたチーム。
特にオポジットのブトリンは身長194cmとバレーボール選手、特にオポジットとしては小柄ながら最高到達点360cmのジャンプ力と強靭な身体から繰り出されるパンチ力抜群のスパイクとサーブが武器で、僕も宮浦くんも大好きな選手です(笑)。
あとブトリンはあまり調子の波がないところもいいですね。
ポーランド代表では現在3番手のオポジットなんですけど、個人的にはスタメンで活躍してほしい選手ですね、クレクにはちょっと申し訳ないけど(笑)。
またオルシュティンはニサと順位・ポイントが近く、お互いにプレーオフ進出争いしているチームであるので、この試合は両チームにとってとても重要な試合でした。
しかし前週の試合でオルシュティンは正セッターのトゥアニンガ(アメリカ)がケガをして今季中の復帰ができなくなってしまったので、オルシュティンとしては不安を抱えた試合でもありました。
逆にニサにとっては大きなチャンスであったのでどうしても勝ちに行きたかったでしょう。
試合は第1セット早々からオルシュティンのOPブトリンがアタックとサーブで次々と得点を決めます。
そのあとにもオルシュティンにサービスエースを取られて2-5とリードされるニサ。
そんな中でもニサ応援団のドラムの音が会場内に大きく響いていました。
ただアウェイでもいつも大勢いるニサ応援団はこの日は少な目。
車でも6、7時間かかるので仕方ないですが、それでも声を枯らしながら応援している姿にクラブ愛を感じました。
しかしその後もオルシュティン先行で試合は進みます。
OPブトリンもすごかったですが、MBエブリルもサーブにアタックに大活躍で、特にアタックは途中まで決定率100%だったんじゃないかと思います。
あとオルシュティンはウェベル監督のアクションがすごかったです、一番目立ってた(笑)
ただニサもOHクファソフスキがスパイクで引っ張って、MBヤンコフスキのブロックで18-18と同点に追いつきます。
しかしまたニサがサービスエースを取られて、リリーフサーバー宮浦のサーブでもブレイクが取れずに22-24で先にオルシュティンがセットポイント。
そこからOPブトリンのミスなどで24-24となりましたが、最後はサーブで乱されOPブトリンのブロックにOHクファソフスキが止められて24-26でオルシュティン。
もともと控えのセッターが上げているとは思えないなオルシュティン、ミドルがすごく効果的。
2セット目は序盤からミドルのブロックが続けて決まって7-3とニサペース。
サーブもエースはないですが、しっかりと1セット目に苦しんだ相手のクイックを潰すことができていました。
会場もなんかあからさまに静かになっていました(笑)。
またふとベンチを見てみると、宮浦くんはゴムチューブトレーニングしながら試合を見守ってました。
そこからオルシュティンが14-14と追い付きますが、ニサもOHゲルジョットらのスパイクが決まります。
また今日のSズコウスキは珍しくミドルも上手く使えてMBゼルバがよくクイックを決めてました。
宮浦くんはこのセットもリリーフサーバーで出るもまたもやブレイクはならず。
しかしそのままニサリードで行って、最後はOHゲルジョットの高さのあるスパイクが決まって25-22でこのセットはニサ。
でも第3セットも序盤はOPベンタラエースなんかでニサリードだったんですけど、MBエヴリルやOPブトリンにサービスエース、更にSヤンケヴィッチのサーブからの3連続ブレイクといつもサーブレシーブボロボロの負けパターンに陥ってしまいなんかもう打つ手なしに。
Sヤンケヴィッチの気迫がすごかったです、点数決まるたびに吠えて顔が真っ赤でした。
やっぱりトゥアニンガがいなくなったプレッシャーが相当にあったのではないかと思います。
ニサはOHゲルジョットから職人OHブシェクに代えてもサーブレシーブが安定せず、そのまま13-21に。
ニサもなんとかサーブで攻めたかったですが、それまでサーブターゲットだったOHリピンスキに代わってOHカリツェクが入ったことでニサのサーブ効果が下がって攻めあぐねてましたね。
ここでOPベンタラをOP宮浦に交代させましたけど、いやここで代えられてもどうしようもないやないか。
思った通りそのまま何もできずにむしろ更なるオルシュティンのサービスエースで点差が開いて15-25でオルシュティン。
第4セットは最初から相手のサーブターゲットになっていたOHゲルジョットを外した布陣にしたニサ。
序盤こそOPベンタラが決めまくって6-3とリードできましたが、OHクファソフスキがOHアンドリンガのサーブに連続でやられて9-10とオルシュティン逆転。
これでオルシュティンのスタメン6人中4人からエース取られている状態でほとんどどのサーブでもプレッシャーがかかる。
そのあとウェベル監督の遅延行為でレッドカードが出たりして14-11またニサがリードして、「このままいけるんやないか?!」と思っていたらまたOPブトリンがサービスエース、しかも2本…。
それまでちょっと嫌な雰囲気だった会場も一気に大盛り上がり。
ここのローテーションで14-15とオルシュティンが逆転し、その後さらにブレイクを重ねて16-19に。
リリーフサーバー宮浦で追いつきたかったですが今回のサーブはネットに。
そしてそのままの勢いで21-25でオルシュティンが取って、1-3でオルシュティンの勝ち。
正セッターがケガで抜けた直後の試合を取れなかったとは悔しかった。
逆にオルシュティンはこれであまり不安なくこれからの試合も臨めるようになったんじゃないかと思います。
また宮浦くん個人に関しても、サーブでブレイク0本というのはこれまであまりなかったので悔しい結果となってしまいましたね。
そのことについては実際本人も触れていましたし。
にしてもオルシュティンのOPブトリンはよかったな~。
途中アタックミスが増えたこともあったけどうまく修正してパフォーマンスを戻しましたからね。
もちろん試合中ずっと調子がいいのが一番ですが、やっぱり試合中にプレーを修正できる選手は強いなと改めて感じました。
宮浦くんも大絶賛でしたし。
ブトリンみたいになるにはもっと筋肉モリモリにしないといけませんね(笑)。
次週はホームでこれまたポイントの近いルブリンとの一戦。
前回はMBノヴァコフスキ、僕称「胸板のノヴァコ」にやられた印象だったので、なんとかリベンジをしたいですね。
また宮浦くん個人の活躍も見たいところ!!
次も現地取材です!!!
写真:筆者撮影