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【VNL2021男子ファイナル】レビュー

2021年7月1日

先日ネーションズリーグ2021のファイナル男子決勝戦が行われました。対戦カードはブラジル対ポーランド。予選リーグの1位と2位、世界ランキングも1位と2位。正に順当に勝ち上がってきた2チームによる激しい戦いとなりました。それまでのファイナルは準決勝、3位決定戦ともにストレートかつほぼ一方的な試合が続いていたので、ポーランドの勝利を願いつつワクワクする試合内容を期待する僕は少々不安でしたが、決勝戦は両者一歩も譲らない激しい攻防戦となりました。…第2セットまでは(笑)。

 

ブラジルvsポーランド 3-1(22-25, 25-23, 25-16, 25-14)

1セット目スタメン(サーブ順)

ブラジル
OH18ルカレッリ
MB16ルーカス
OP8ウォレス
OH9レアル
MB13マウリシオ・ソウザ
S1ブルーノ
L17タレス

ポーランド
S11ジズガ
OH13クビアク
MB20ビエニェク
OP6クレク
OH9レオン
MB1ノヴァコフスキ
L17ザトルスキ

第2セット目までは本当に面白い展開の試合でした。本当にどっちが勝ってもおかしくないというか、片方がちょっとリードしてももう片方がすぐに追いつく、流れがコロコロ変わるような本当に見ていてワクワクする試合でした。英語実況の言葉を借りれば「ジェットコースター」のような試合でした。迫力のあるスパイクはもちろん、お互いにミスが少なくめちゃめちゃ強いサーブを両チームとも打ち込んでいるんですが、サービスエースや被ブロックがめちゃめちゃ少ない。ハイセットの決定力の高さも凄い。ディグもめっちゃ拾うし、繋ぎも諦めない。一瞬でも手を抜いたらやられる。そんな緊張感のある、世界トップ2の試合にふさわしいハイレベルすぎる試合でした。今大会は日本戦を中心に見ていましたが、試合の強度が全然違いました。日本が最終的に目指すべき姿をここに見た感じがします。またその決勝の舞台にVリーグでプレーしている選手が2人もいるのも単純にすごいことだなと思いました。

ブラジルのOPウォレス(イコールユニフォーム着用)

ブラジル、ポーランドともにレアルとレオンというキューバからの帰化選手を抱えていて、試合前は彼ら2人による激しい打ち合いが予想されていました。しかしお互いがそれぞれのキューバ人選手をサーブターゲットにして攻撃参加の機会を減らそうとしていたのでそうはならず、その代わりにウォレスとクレクという両オポジットにボールが集まる展開となりました。キューバ人選手たちが規格外なので影が薄れてきている印象がありましたが、この日の存在感はすごかったです。実際に両者ともチームのトップスコアラーでしたし、特に苦しい場面、チームメイトが必死に繋いで託されたハイセットを決めきってピンチを救う場面が何度もありました。これぞエース。これぞ世界のエース。

彼らの活躍に触発されてかブラジルのレアルもサーブレシーブに苦しみながらも徐々に調子をあげてきます。一方レオンはなかなか調子があがらず、スパイクも思うように決まらず、予選リーグであれだけ爆発したサーブもこの日は影をひそめます。勝敗の要因はいろいろあるでしょうが、やはりレオンが調子を上げられず、交代させざるを得なかったのが第3セット以降のブラジルの一方的な展開につながってしまったのは間違いないでしょう。彼に代わって入ったセメニウクも本来の力を発揮できずミス連発しちゃいますし。でも本当にこういうハイレベルな試合は歯車がひとつでも狂ってしまうとドンドン差が広がり、いつの間にかもうどうすることもできなくなります。ブラジルの集中力は本当にすごかった。2セット目までの展開のままずっと試合を見ていたかったですが、ブラジルにあっぱれというしかないですね。おめでとうブラジル。そしてポーランドも準優勝おめでとう。この借りはオリンピックで返そう。

チームポルスカ

 

ファイナル最終順位

  1. ブラジル(初優勝)
  2. ポーランド
  3. フランス
  4. スロベニア

個人賞

ベストセッター:
ファビアン・ジズガ(ポーランド)

ベストオポジット:
ウォレス・デソウザ(ブラジル)、バルトシュ・クレク(ポーランド)

ベストアウトサイドヒッター:
ヨランディ・レアル(ブラジル)、ミハウ・クビアク(ポーランド)

ベストミドルブロッカー:
マウリシオ・ソウザ(ブラジル)、マテウシュ・ビエニェク(ポーランド)

ベストリベロ:
タレス・オッス(ブラジル)

MVP:
ウォレス・デソウザ(ブラジル)、バルトシュ・クレク(ポーランド)

写真:FIVB

 

 

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