コラム

ネーションズリーグ男子第3週日本代表の対戦相手と注目選手

この記事では、7月4日(火)~9日(日)まで行われるバレーボールネーションズリーグ2023男子第3週フィリピン大会に出場するバレーボール男子日本代表メンバーと、その対戦チーム(中国、オランダ、イタリア、ポーランド)のメンバーやチームの特徴、注目選手などを簡単に紹介します。

日本の順位と対戦スケジュール

順位

第2週終了時点順位:1位(8勝0敗22ポイント)
世界ランキング6位(6月30日現在)

日本は第2週終了時点で唯一の全勝を維持して引き続き暫定1位となっています。世界ランキングについては国際大会に出場できていないロシアが除外されたため大会前から1つ上がって6位になりました。

第3週登録メンバー

*1 西田有志 OP 2000 187
*2 小野寺太志 MB 1996 202
*4 宮浦健人 OP 1999 190
*5 大塚達宣 OH 2000 195
*6 山内晶大 MB 1993 204
*8 関田誠大 S 1993 175
10 髙橋健太郎 MB 1995 201
11 富田将馬 OH 1997 190
12 髙橋藍 OH 2001 188
13 小川智大 L 1996 175
14 石川祐希(C) OH 1995 192
20 山本智大 L 1994 171
21 永露元稀 S 1996 192
28 エバデダン ラリー MB 2000 195

第2週のメンバーから深津選手と甲斐選手が抜けて永露選手とエバデダン選手が入りました。

第2週対戦スケジュール

中国戦:2023年7月4日(火)20:00~
オランダ戦:2023年7月7日(金)20:00~
イタリア戦:2023年7月8日(土)20:00~
ポーランド戦:2023年7月9日(日)20:00~

※時間は日本時間

第3週の対戦相手

中国

第2週終了時点順位:14位(2勝6敗5ポイント)

世界ランキング22位(7月3日現在)

2022年
世界選手権24位
VNL13位

2021年
アジア選手権3位

登録メンバー

*1 ワン・ドンチェン MB 2000 200
*2 ジャン・チュアン(C) OP 1994 205
*3 ワン・ヘビン S 1999 188
*5 ヤン・ヤンミン L 1999 186
*6 ユー・ヤンタイ OH 1997 183
*8 グオ・チェン S 1996 200
*9 リー・ヨンチェン MB 1998 200
14 ザイ・デジュン OH 2000 195
15 ポン・シクン MB 2000 208
16 クー・ゾンシャイ L 1999 186
18 チェン・レイヤン S 1999 198
20 ラオ・シュハン MB 1996 205
22 ジャン・ジンイン OH 1999 207
23 ワン・ビン OH 2001 195

監督:シェン・ウー

チーム紹介

アジアの中ではイラン同様に欧米並みの大型選手を多数抱える、大きなポテンシャルを秘めたチーム。しかしまだまだプレーに粗さが見られ、今大会も思うように勝ち星を得られていません。

チームの中心はジャンとユーのアウトサイドヒッター対角の2人、207cmと183cmと同じポジションなのにまるで異なるプレースタイルは必見。またミドルブロッカーのリーのパンチ力抜群のクイックにも注目。

中国チームにはOPジャン(JT広島)、MBポン(サントリー)、MBラオ(WD名古屋)など日本でプレーしている選手も多く、そうしたチームメイト同士の駆け引きも面白いですね。

VNL開幕前の親善試合で、日本は石川・髙橋藍を欠く中で快勝していたので、今回も心配はないでしょう。

注目選手:ジャン・ジンイン

アウトサイドヒッター
身長:207cm
最高到達点:357cm
所属クラブ:グダンスク(ポーランド)

身長207cmのアジア人随一の高さとポテンシャルを誇るアウトサイドヒッター。昨シーズンは世界トップのポーランドリーグでも経験を積みました。日本との親善試合では調子が出ずにあまり活躍できていませんでしたが、本来の力が出たときに一番厄介な選手であることは間違いありません。現在大会ベストスコアラー部門6位、ベストサーバー部門3位とチームをけん引中。親善試合と同様にいかに彼にストレスをかけることができるかが試合を大きく左右するでしょう。

オランダ

第2週終了時点順位:8位(4勝4敗14ポイント)

世界ランキング10位(7月3日現在)

2022年
世界選手権10位
VNL8位

2021年
欧州選手権5位
VNL14位

登録メンバー

*1 シーベ・コーレンブレック MB 2002 214
*2 ヴェッセル・ケーミンク S 1993 198
*3 マールテン・ファンハルデレン OH 1990 200
*4 テイス・テルホルスト OH 1991 205
*5 ルーク・ファンデルエンド MB 1998 208
*6 シルヴェスター・メイス S 2002 202
*7 セイス・ヨルナ OH 1989 197
*8 ファビアン・プラク MB 1997 197
12 ベニー・タウンストラ OH 2000 195
14 ニミル・アブデルアジス(C) OP 1992 202
16 ヴァウタ―・テルマット OP 1991 200
18 ロバート・アンドリンガ L 1990 192
22 ツヴァン・ヴィルテブルク MB 1997 204
30 ニルス・リプケ L 2002 180

監督:ロベルト・ピアッツァ(イタリア)

チーム紹介

大エース・ニミルを擁するオレンジ軍団。これまではOPニミルのワンマンチームの様相を呈していましたが、今大会はOHファンハルデレンとOHタウンストラの両アウトサイドヒッターも高い得点能力でチームに貢献し、ニミルに頼り過ぎないバレーボールができています。それでも勝負どころではほとんどニミルにボールが託されるので、彼にどれほどストレスを与えられるかが試合のカギとなることは間違いありません。

また今大会のオランダはブロックがとてもよく、1セット当たりのブロック本数が2.41本とイタリアと並んで現在1位。オレンジの壁には要注意です。

オランダのピアッツァ監督は石川祐希がすでに3年所属するミラノでもずっと指揮を執っているので石川のことはよく知っている。しかし逆に石川も監督のやり方を熟知しているので、この2人の戦い(?)にもご注目。

注目選手:ニミル・アブデルアジス

オポジット
身長:202cm
最高到達点:365cm
所属クラブ:ハルクバンク・アンカラ(トルコ)

世界ナンバーワンオポジットのひとり。今大会もここまでベストスコアラー、ベストアタッカー、ベストサーバーランキングで1位。202cmと身長はそこまで高いわけではないですが、長い腕と高い跳躍力から繰り出される強烈なスパイクとサーブは世界最強クラス。しかもこれでキャリアの途中まではセッターをしていて、基本的なプレーも上手い(セッターでもオランダ代表でした)。まずは彼のサーブをキッチリあげてサーブから調子に乗せないようにしたい。

イタリア

第2週終了時点順位:7位(5勝3敗15ポイント)

世界ランキング4位(7月3日現在)

2022年
世界選手権優勝
VNL4位

2021年
欧州選手権優勝
東京オリンピック6位
VNL10位

登録メンバー

*5 アレッサンドロ・ミケレット OH 2001 211
*6 シモーネ・ジャンネッリ(C) S 1996 200
*8 リカルド・スベルトリ S 1998 188
10 レオナルド・スカンフェーラ L 1998 184
12 マッティア・ボットロ OH 2000 196
14 ジャンルカ・ガラッシ MB 1997 201
15 ダニエレ・ラヴィア OH 1999 200
16 ユーリ・ロマノ OP 1997 201
19 ロベルト・ルッソ MB 1997 207
20 トマソ・リナルディ OH 2001 200
21 アレッサンドロ・ピッチネッリ L 1997 189
28 ジョヴァンニ・サングイネッティ MB 2000 203
30 レアンドロ・モスカ MB 2000 208
31 ロレンツォ・サーラ OP 2002 200

監督:フェルディナンド・デジョルジ

チーム紹介

昨年の世界選手権覇者。若手中心で挑んだ第1週は苦しみましたが、主力を戻した第2週から徐々に調子をあげていきました。もちろんこの第3週フィリピン大会も控えを除いてほぼ世界選手権優勝時と同じメンバーで臨んでいます。

セッターのジャンネッリを中心にOHミケレット、OHラヴィア、OPロマノのサイド3人がサイドアウト・ハイボールともにバランスよく得点できるのが強み。またセッターも含めて全体的に高さがあるブロックとリベロのスカンフェーラを中心とした堅いディグからなるトータルディフェンスにも定評があります。

またSスベルトリ、OPロマノ、MBモスカは石川祐希の元チームメイト、OHボットロは石川、髙橋藍の2人と元チームメイトです。お互いにスタメンで出てくるであろうOPロマノとOH石川のマッチアップに注目。

ネーションズリーグでは2021年、2022年とも日本が3-2で勝っているなど相性的には悪くないチームですが、今回も接戦になること間違いないでしょう。

注目選手:シモーネ・ジャンネッリ

セッター
身長:200cm
最高到達点:363cm
所属クラブ:ペルージャ(イタリア)

28歳ながらすでにオリンピック出場2回、代表キャリア8年目に突入するもはやベテランセッター。どんなときもミドルを忘れない強気なトスワークと、サーブ、ブロック、そしてスパイクでの得点力が魅力。昨年のポーランドとの世界選手権決勝戦においても自らのツーアタックとサーブでチームに流れを引き寄せました。おそらく少なくとも2028年のロサンゼルス五輪までは彼が正セッターとしてイタリア代表を支え続けるでしょう。現代バレーを象徴するベストセッターのひとり。

ポーランド

第2週終了時点順位:5位(6勝2敗14ポイント)

世界ランキング1位(7月3日現在)

2022年
世界選手権2位
VNL3位

2021年
欧州選手権3位
東京オリンピック5位
VNL2位

登録メンバー

*3 ヤクブ・ポピフチャク L 1996 180
*5 ウーカシュ・カチュマレク OP 1994 204
*6 バルトシュ・クレク(C) OP 1988 205
*7 カロル・クウォス MB 1989 201
*9 ウィルフレド・レオン OH 1993 202
10 バルトシュ・ベドノシュ OH 1994 201
11 アレクサンダル・シリフカ OH 1995 196
12 グジェゴシュ・ウォマチ S 1987 187
15 ヤクブ・コハノフスキ MB 1997 199
16 カミル・セメニウク OH 1996 195
17 パヴェウ・ザトルスキ L 1990 184
19 マルチン・ヤヌシュ S 1994 196
20 マテウシュ・ビエニエク MB 1994 210
99 ノルベルト・フベル MB 1998 207

監督:二コラ・グルビッチ(セルビア)

チーム紹介

世界ランキング1位、昨年の世界選手権では銀メダルに輝いたポーランド。日本の名古屋でプレーし今季はチームをリーグ優勝に導いたOPクレクが名実ともにチームの中心。そんなクレクが率いるポーランド代表は「ハゲのギャング」という愛称でポーランドファンの間では親しまれています(笑)。

アウトサイドヒッターも粒ぞろいですが、注目はミドルブロッカーの強さ。特に210cmの高さが魅力のMBビエニエク、199cmそれほど大型ではないものの運動能力が高いMBコハノフスキの2人は要注意で、スパイク、ブロック、サーブのどのプレーでも高いレベルで得点を量産します。

ネーションズリーグ前の親善試合で対戦したときにいた選手も何名か残っていますが、そのときとはまったく別のチームと考えるべきでしょう。日本としては相手の強力なサーブをうまくあげてサイドアウトをしっかりと取ることがまず求められるでしょう。日本にとってはこの予選ラウンド最後にして最大の敵となるに違いありません。

注目選手:バルトシュ・クレク

オポジット
身長:205cm
最高到達点:370cm
所属クラブ:ウルフドッグス名古屋

日本でもおなじみのポーランドの大砲。ポーランド代表でもキャプテンかつポイントゲッターとしてチームをけん引する。高さとパワーを兼ね備えたスパイクとサーブは破壊力抜群。また高いキャプテンシーで精神面からもチームを支えます。ただ逆に彼が機能しなくなったポーランド代表は厳しくなるので、クレクにストレスを与えることが試合のカギを握るでしょう。日本の選手はVリーグでの対戦経験も多いので、クレクにとっても厄介な相手になると思います。

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