ネーションズリーグ第1週4日目、バレーボール男子日本代表はセルビアと対戦し、3-1（22-25, 25-21, 25-23, 25-20）で勝利しました。
第1セットスタメン
日本
OH：髙橋藍、石川
MB：小野寺、山内
OP：西田
S：関田
L：山本
セルビア
OH：クユンジッチ、ペリッチ
MB：クラスマノヴィッチ、ネデリコヴィッチ
OP：ルブリッチ
S：バタク
L：カプル
※ポジション：OH＝アウトサイドヒッター、MB＝ミドルブロッカー、OP＝オポジット、S＝セッター、L＝リベロ
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試合レポート
第1セット、序盤は競った展開となりますがOH髙橋のサービスエースなどで連続得点を決めた日本が10-7と抜け出します。しかしセルビアがOPルブリッチのスパイクなどで15-16と逆転に成功。その後日本はサーブミスが続いてブレイクチャンスをつかめず、そのまま最後はMBネデリコヴィッチがOH石川のスパイクを止めて22-25でこのセットをセルビアが取ります。
第2セット、セルビアが連続ブロックを決めるなどして出だしから0-4とリードしますが、MB小野寺のブロックや堅い守備からのOH石川のパイプなどで8-7と早々に日本が逆転します。そこからはOP西田がスパイクを決めまくり20-15と点差を広げます。終盤にOHペリッチのスパイクやサービスエースで20-18とセルビアが2点差まで詰め寄りますが、途中出場のOP宮浦がサービスエースを決めると、最後も好調のOP西田がしっかりと決めきって25-21で日本がセットを取り返します。
第3セット、日本はMB山内に代えてMB高橋健太郎をスタートから起用します。そのMB高橋のクイックで日本が1点目を取ると、OH髙橋藍のスパイクやOP西田のサービスエースなどで12-9と中盤までにリードを広げます。終盤MBクラスマノヴィッチのサービスエースや日本のミスで20-20とセルビアが同点に追いつきますが、OP西田のスパイクを中心にサイドアウトを取ると最後はOH石川のパイプ攻撃が決まり25-23でこのセットも日本が取ります。
第4セット、序盤から日本はOP西田、セルビアはOHペリッチを中心に得点を重ねる拮抗した展開が続き14-14まで進みます。そこからMB高橋健太郎が連続でクイックを決めて16-14と日本が抜け出すと、さらにS関田のサービスエースやOH石川のスパイクで連続ブレイクに成功し20-15と点差を広げます。そのまま最後はOPルブリッチのサーブがミスになり25-20でこのセットも取った日本が3-1でセルビアを下し、開幕2連勝を飾りました。
これで日本はVNL予選ラウンドの通算成績を2勝6ポイントとしました。
個人的MVP
日本：西田有志
24得点（うちサーブ1、ブロック1）、アタック効果率56.25％
復活の西田。親善試合から火曜日のイラン戦までらしくないプレーが多く心配されていましたが、セルビア戦では昨年の世界選手権フランス戦を彷彿とさせるような「打てば決まる」西田で得点を量産してくれました。アタック決定率は驚異の68.75％。これまでと比べるとジャンプにも高さが感じられ、ストレートコースにもスパイクがよく決まっていました。アメイジングでした。ちょっと高級なバナナでも食べたのかな？(笑)。ただサーブに関しては1本エースがあったものの半分以上がサーブミスとなってしまったので、サーブが戻ってくるまで完全復活はお預け。
次点：高橋健太郎（6得点、アタック効果率100％）
セルビア：パヴレ・ペリッチ
22得点（うちサーブ1、ブロック4）、アタック効果率50.00％
セルビアが苦しい場面でも得点を決め続けた207cmの大型アウトサイドヒッター。ブロックでの貢献も大きかったですが、同様にサーブレシーブでの失点も多く、ここの克服が主力が戻った後でもスタメンを守れるかどうかの分かれ目となるでしょう。
感想など
試合前の僕の予想とは裏腹になかなかタフな試合になりましたが、無事3-1で勝利して3ポイント獲得。1セット目の日本は止まらないルブリッチとサーブミスの多さ（8本）に苦しみましたが、2セット目以降これらを見事に修正して逆転勝利を飾りました。
まず何と言っても上述した西田がすごかった。ゴリラ全開でした(笑)。他のスタメンの選手たちが調子を上げていた中でひとり苦しんでいるような状態だったので、大会2試合目という早い段階でここをブレイクスルーできたことはチームにとって大きなプラスになったと思います。
ただ宮浦を個人的に応援している身としては宮浦のスタメンがちょっと遠ざかってしまったという意味で悔しいです。しかし彼もこの試合ではネーションズ初サーブで早々にエースを決めてくれましたし、フルで出れば今日の西田以上に活躍してくれると期待しているので、まあ問題はないでしょう(笑)。
あと途中出場の高橋健太郎が本当にいい仕事をしてくれました。イラン戦と比べるとブロックで苦しんでいた山内に代わっての出場となり、3、4セットのみでブロックポイントこそなかったもののブロックタッチを多くとってセルビアアタッカーにプレッシャーをかけつつ日本のブレイクに大きく貢献しました。またスパイクでは6/6で決定率100％。当たり損ねっぽいスパイクもあったので修正は必要ですが抜群の存在感でした。ただサーブではあまりプレッシャーをかけられていなかったのでそこが課題かなと思います。
もちろん他の選手たちもいつもどおりすごくてこの試合もチームとしての強さを見せた龍神NIPPON。特に髙橋藍は2本のサービスエースと足ディグなど見せ場も多かったですね。ただスパイクでの失点も少なくなかったので次回修正してほしいところ。
一方相手のセルビアは若手中心ながら攻撃力とブロック力の高いチームでした。上述したペリッチの他、OPルブリッチは1セット目のアタック決定率が100%と驚異でした。ただセットがサイドに偏向していてミドルの攻撃が少なかったのがもったいなかったなと思います。セルビアは今年のパリ五輪予選でもあたる相手ですが、今回はOHコヴァチェヴィッチやMBリシナツなど主力のほとんどが出ていなかったのでそのときはまた全然違った、日本にとってはいっそう厳しい試合となるでしょう。
そういえばルブリッチと深津兄の元チームメイトコンビはお話できたのかな？(笑)
次は6月10日(土)19:10からブルガリアとの試合になります。
こちらも今回は若手主体のチームですが、高さはもちろん、ニコロフなど爆発力のある選手もいるのでまた厳しい戦いが予想されます。
VNL第1週の対戦相手はこちらの記事にまとめています↓
次も頑張れ龍神NIPPON！！！
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Photo: FIVB