現地時間3月2日(日)、バレーボールイタリアセリエA男子はレギュラーシーズン最終節の試合が行われた。これまでは同節の試合でも異なる日時で各試合が行われていたが、意図的な順位操作を避けるために最終節だけは全6試合が2日の18:00から同時に実施された。
石川祐希所属のペルージャはアウェイでピアチェンツァと対戦し、3-1(25-19, 25-16, 25-27, 25-14)で勝利。ペルージャが合計14本のサービスエースでピアチェンツァを圧倒。特にOHプロトニツキがサービスエース5本を含む両チーム最多18得点の活躍で勝利に貢献しMVPを獲得、OHセメニウクも16得点をあげた。ピアチェンツァもOPロマノが16得点をあげるなど活躍し3セット目を土壇場で奪い返して見せたが、それで力尽きた。
OH石川は3セット目終盤にのみワンポイントで起用されたが得点はなかった。またペルージャは勝利こそしたものの、1セット失ったことでセット率でトレントに抜かれてしまい、最終順位2位でレギュラーシーズンを終えた。

大塚達宣所属のミラノはホームでモデナと対戦し、0-3(22-25, 23-25, 23-25)で敗れた。
モデナはMVPにも選ばれたOHダヴィスキバ(17得点)とOPイクバイリ(14得点)が得点を量産してチームのストレート勝利に貢献。ミラノはOPレゲルス(12得点)と2セット目から途中出場したOHガルディーニ(8得点)を中心に得点して粘りを見せたが、僅かな差でモデナがミラノを上回った。
OH大塚も2セット目から途中出場し、3セット目はそのままスタメンで出場。3得点の活躍を見せた。この結果ミラノは最終順位6位でレギュラーシーズンを終えた。

また試合後には今季限りで現役引退を表明したミラノの主将マッテオ・ピアノの引退セレモニーが行われた。またその中で8シーズン所属したピアノの背番号11がミラノの永久欠番となることも発表された。

垂水優芽が所属するチステルナはアウェイでモンツァと対戦し、2-3(27-25, 19-25, 28-26, 24-26, 15-17)で敗れた。
大接戦となったこの試合は、特にモンツァにとって負ければリーグ降格という重要な試合だった。チステルナがOPフォール(24得点)とOHバイラム(20得点)のスパイクと強烈なサーブで攻める一方、モンツァはMVPにも選ばれたOHロアース(16得点)のスパイクやMBディマルティーノ(13得点)を中心とするブロックで対抗。また途中出場した若手OPフラスチオが14得点と躍動しゲームチェンジャーとなりチームのスーパーレガ残留に貢献した。
OH垂水は2セット目途中から5セット目途中までコートに立ち、キレのあるスパイクとサーブで10得点をあげる活躍を見せた。

チステルナはあと一歩のところまでモンツァを追い詰めたが、重要な場面でのアタックミスが少なくなかった。チームを降格させまいとする会場のプレッシャーもあったかもしれない。この結果チステルナは8位でレギュラーシーズンを終えた。

レギュラーシーズン最終順位は以下のとおり。
順位 | チーム | ポイント | 勝敗 |
---|---|---|---|
1 | トレント | 57 | 20-2 |
2 | ペルージャ(石川) | 57 | 20-2 |
3 | チヴィタノーヴァ | 46 | 14-8 |
4 | ヴェローナ | 41 | 14-8 |
5 | ピアチェンツァ | 39 | 13-9 |
6 | ミラノ(大塚) | 36 | 12-10 |
7 | モデナ | 29 | 9-13 |
8 | チステルナ(垂水) | 24 | 9-13 |
9 | パドヴァ | 19 | 6-16 |
10 | グロタッツォリーナ | 18 | 5-17 |
11 | モンツァ | 15 | 6-16 |
12 | ターラント | 15 | 4-18 |
この結果、プレーオフ準々決勝は以下のような組み合わせとなった。
トレント - チステルナ(垂水)
ヴェローナ - ピアチェンツァ
ペルージャ(石川) - モデナ
チヴィタノーヴァ - ミラノ(大塚)
プレーオフは決勝までホーム&アウェイの5戦3勝方式で行われる。トレントとペルージャが優勝候補の双璧を成している。しかし昨季はレギュラーシーズン5位だった髙橋藍要するモンツァが決勝まで進んだように何が起こるかわからないのがプレーオフだ。ここから各チームとも熱量もプレーもギアが何段も上がるので、ぜひかつ目いただきたい。
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