現地時間2月16日(日)、イタリアスーパーレガ後半9節ペルージャ対ミラノが行われ、石川祐希所属のペルージャが大塚達宣所属のミラノを3-1(25-22, 23-25, 25-22, 25-19)で下した。
この試合、大塚はスタメン、石川はベンチスタート。
第1セット、ペルージャがOPベンタラのスパイクやサービスエースで得点を重ねて6-3と序盤から抜け出すと、Sジャネッリのブロックなどで10-4とさらに点差を広げる。対するミラノはMBカネスキのブロックや途中出場OHガルディーニのスパイクなどで15-13と点差を縮める。しかしその後もペルージャが点差を詰めさせず、最後はOHセメニウクがOPレゲルスをブロックで仕留めて25-22でペルージャがこのセットを取る。
第2セットは序盤からOH大塚が躍動。バックアタックと2本のサービスエースで3連続ブレイクを決めて4-0とミラノにリードをもたらす。そこからOHプロトニツキのスパイクやSジャネッリのサービスエースなどでペルージャが11-11と追いつき、さらに18-15と逆転する。しかしOPレゲルスのスパイクなどで20-21と終盤にミラノが再逆転すると、最後は途中出場のOPバロットのブロックとOH大塚のスパイクが続けて決まり23-25でミラノがセットを取り返す。
第3セットも序盤はOPレゲルス、OH大塚、OHガルディーニらが続けて得点を決めて4-10とミラノがリード。ペルージャはOH石川を投入するも、その後もミラノがSゾンタのブロックなどで9-16と点差を広げる。しかしSジャネッリのサーブからエースやOPベンタラのブロックなどで5連続ブレイクし15-16、さらにOHプロトニツキが3本のエースを決めるなどして21-18とペルージャが逆転。その後OH石川がダメ押しのサービスエースを決めてペルージャが24-20とセットポイントを握ると、最後はミラノのサーブミスで25-22となりペルージャが大逆転でこのセットを奪う。
第4セットはスタートからOH石川がコートイン。序盤はOPレゲルスのブロックやサービスエースで4-6とミラノが先行する。しかしSジャネッリのブロックで8-8とペルージャが追いつくと、その後終盤でMBルッソが連続エースを決めるなどして20-16と大きくリードする。そのまま最後はコートに戻ったOHセメニウクがスパイクを決めて25-19でペルージャがこのセットを取り、3-1で試合に勝利した。
詳しい試合のスタッツ
https://www.legavolley.it/match/38319
まずイタリアリーグ初スタメン出場を果たしたミラノの大塚。11得点(アタック8、サーブ2、ブロック1)をあげ、特に2セット目は序盤で上述の3連続ブレイクを決めてチームを勢いづけた。特にここまでサーブで今一つ存在感を発揮できていなかった中で2連続のエースを決められたことは今後の自信につながったと思う。
しかし全体のアタック効果率が26%と低く、4セット目にサーブレシーブで2失点してしまったことは痛かった。それでも体調不良のOHルアティに代わりスタメンの役割をよく果たした。

ペルージャの石川は途中出場で5得点(アタック3、サーブ1、ブロック1)。すべて3セット目の得点で、劣勢の場面からコートに入りチームの大逆転劇に貢献した。特に元チームメイトのOPレゲルスをシャットした18点目のブロックはこのセットのターニングポイントだった。ただ4セット目に得点できず、全体のアタック効果率が14%とかなり低くなってしまった。

MVPは怪我から約1ヶ月ぶりにスタメン復帰を果たしたOHプロトニツキ。19得点(アタック12、サーブ6、ブロック1)で、とにかくサーブがエグかった。サービスエース数が多いのがペルージャの強みだと言うことは以前言及したが、特にプロトニツキのサーブこそペルージャの強みであったことを思い出される活躍だった。本当に彼のサーブは乗ったらどうしようもない。
現にスーパーレガの1セットあたりのサービスエース数は現在プロトニツキが0.79本でダントツの1位だ。2位のOPブケゲル(モデナ)の0.57本とは約0.2ポイントも離れている。
3セット目は途中ミラノが最大7点リードしており、バレーボールでこの点差をひっくり返されることはほとんどない。ミラノの選手たちもこの時点で「イケる」と思ったに違いない。しかし、この試合ではプロトニツキのサーブがそんな慢心を無慈悲にぶち壊して見せた。やはりサーブで殴るは正義。フォームもカッコ良すぎる。

とはいえミラノも本当によく戦った。上記の大塚もそうだが、同様に体調不良の正セッターポッロの代わりを見事に務めたSゾンタもよかった。また1セット目途中から入ったOHガルディーニはOPレゲルスに次ぐ17得点の活躍だった。敗れはしたがガルディーニはこの試合が今季のベストゲームだったんじゃないかというくらいいい仕事してたと思う。
だがとにかく、前半戦では実現しなかった日本代表対決が実現したこともよかったのだけど、プロトニツキがフルで試合に出られるようになって本当によかった。今後もその左腕でガンガン暴れてほしい。もちろん怪我には十分に気をつけて。
Photo: legavolley.it