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大塚達宣が途中出場で流れを変える7得点!ミラノがパドヴァに3-1で勝利!

2025年2月13日

現地時間2月9日(日)、イタリアスーパーレガ後半8節ミラノ対パドヴァが行われ、大塚達宣所属のミラノが3-1(27-25, 22-25, 25-22, 27-25)で勝利した。

OH大塚はベンチスタート。

第1セット、序盤はお互いにミラノはOPレゲルス、パドヴァはOHポッロを中心に得点。ブレイクしながらも競った展開となる。しかしOPレゲルスのサービスエースで19-16とミラノが3点差をつけて抜け出す。そのままOHルアティのスパイクで24-22と先にミラノがセットポイントを握るが、その後ミラノにミスが続いて24-24とデュースに。それでも最後はOPレゲルスが決め切って27-25でこのセットをミラノが取る。

第2セット、第1セットと同様に序盤から点差が離れない競った展開となる。しかしパドヴァがOHポッロのスパイクやMBプラクのブロックで14-17と抜け出す。そこからOH大塚が途中出場してすぐにスパイクを決めるなど活躍を見せたが、終盤にかけてもOHポッロが確実にアタックを決めて22-25でパドヴァがセットを取り返す。

第3セット、ミラノがOPレゲルスのスパイクを中心に得点を重ねて先行するも、パドヴァもMBプラクのサービスエースなどで喰らいつき点差が離れない。そして中盤にはMBクロサトやMBプラクのブロックで14-16とパドヴァが逆転する。しかし中盤にMBカネスキがサービスエースを3本連続で決めて18-16とすると、さらにMBラリッツァの連続ブロックも出て21-17とミラノが一気に抜け出す。最後はOPレゲルスが確実に決めて25-22でミラノが取り切る。

第4セット、このセットはOH大塚がスタートからコートへ入る。開始早々に大塚が後衛からパイプ攻撃を決めて1点目を取ったが、その後ミラノにミスが続いて8-10とパドヴァリードとなる。そこからOHセドラチェクのサービスエースで12-15とミラノが点差を広げる。しかしSポッロとMBカネスキのブロックで21-21とミラノが終盤で同点に追いつく。OHポッロがスパイクを決めて23-24とパドヴァが先にセットポイントを握るが、続くサーブがミスとなりデュースへ。そこからOPレゲルスとMBカネスキが続けてブロックを決めてミラノがマッチポイントを取ると、最後はOPレゲルスがスパイクを決め切って27-25とし、ミラノが3-1で勝利した。

詳しい試合のスタッツ
https://www.legavolley.it/match/38317

この試合は現地取材を敢行した。

石川祐希のいないアリアンツクラウドでの試合観戦/ 取材は(たぶん)初。石川所属時と比べると全体の客数はやや減ったように感じたが、それでもこの日は日本人ファンの姿も目立った。

あとやっぱり見やすくていい体育館。そして何よりアクセスがいい。公共交通でアクセスしにくい体育館がほとんどのスーパーレガの中でも地下鉄で行けて20:30からの試合開始でも終電を気にしなくていいのはここだけ。

試合はまず大塚の活躍を見られてよかった。前回現地で見たザビエルチェ戦ではあまり目立った活躍を見られなかったので今回は是非とも見たかった。大塚がベンチスタートで序盤のカジースキの調子がそこそこ良さげだったので、前衛での出番はないかなと思ったが、結果的に大活躍してくれた。

アタックで7得点、失点なしのアタック効果率64%と素晴らしすぎる数字だ。元々イタリアリーグでは守備面で存在感を見せていたが、ここ最近はアタックがとてもいい。この日は2セット目に途中交代して早々にスパイクを決めたし、第4セットの最初のポイントも大塚のパイプ攻撃だった。セッターポッロの信頼も勝ち取っているようだ。

スパイクのパワーもついたように見えるし、コース幅が広がり、引き出しも多くなったと思う。去年まではアタック時のミス、特にアウトにしてしまうミスが少なくなかったが、ブロックの感覚も掴んで上手くブロックアウトが取れるようになったと思う。この辺りは大塚本人も手応えを感じているようで、試合後のインタビューでもこれについて嬉しそうに語ってくれた(「よくぞ聞いてくれました!」って感じだった笑)。

言語もだいぶ喋れるようになっているようでコミュ力に更に磨きがかかっているよう。ベンチでもコートでも関係なく声掛けやスキンシップが多い。近くで見ていると本当にそれがよくわかる。本当に多い笑。やっぱりこれが彼の真の強みなのだろう。

しかしMVPはMBカネスキ。総得点こそ10点とそれほど多くなかったが、3セット目の3連続サービスエースは圧巻であったし、4セット目も終盤での彼の2本のブロックが勝敗を分けた。MVPに相応しい活躍だったと思う。

ただ大塚は観客投票のMVPを獲得した。

最多得点だったのはOPレゲルス。サービスエース2本とブロック1本を含む23得点。本当に頼もしいし安定している。イタリアリーグデビューだった昨季は石川と2枚看板のような感じだったが、今季はほとんどの試合でチームの最多得点をあげている。この日はキレのあるラインショットを何本も決めていたのが印象的だった。

点を取る責任が昨季より増していることについて尋ねると、本人はその状況を楽しんでいるようだった。これはもっと伸びると思う。

ただ個人的にこの試合で一番印象に残ったのはパドヴァのOHルカ・ポッロ。22得点とこの試合のパドヴァのトップスコアラー。驚異的だったのはアタックで、29本打って一度もミスやブロック失点することなく21本決めてアタック効果率72%を記録。フロント、バック関係なくガンガン決めていた。

点の取り方も際どいコースを狙ったり、ブロックアウトを取ったり、フェンイントで落としたりと多彩で、プレーを見ていて何度も舌を巻いた。またサーブでも1エース、ディフェンスもすばらしく、特に4セット目終盤の連続ディグは凄かった。

名前が同じポッロであることからもわかるように彼はミラノのセッターであるパオロ・ポッロの弟で、兄よりも身長は高いがそれでも193cmしかない。ほぼ石川祐希と同じだ。

しかしバレースキルは抜群であり、かつ勝負所でしっかりとパフォーマンスを発揮できるメンタル面の強さがすごいと個人的には感じている。昨年はシニア代表デビューからパリ五輪メンバーまで一気に駆け上がった。イタリア代表でスタメンを掴むのもそう遠くはないとだろう。まだ彼のプレーを見たことがない人はぜひ見てほしい。

彼にも少しだけ話を聞けた。

とまあ3-1だったが、非常に内容の濃い面白い試合で、見たかったものが見られたので大満足であった。

試合後、大塚も石川や髙橋と同様に最後の1人まで丁寧にファン対応していた。ボランティアスタッフの少年少女たちにも大人気だった。こういう姿を確認できるのもやはり嬉しい。

国内リーグ、欧州チャンピオンズリーグとここから佳境に入っていくが、どの選手も自身の能力をコート上で十分に発揮し、素晴らしい活躍を見せてほしいと思う。

Photo: legavolley.it、筆者撮影

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