イタリア男子バレーボールリーグセリエA、石川祐希所属ミラノはペルージャとのプレーオフ準々決勝第3戦を現地時間3月26日(日)にアウェイで戦い、1-3(25-22, 30-28, 18-25, 20-25)で敗れました。
石川祐希はこの試合もスタメンで出場し、チーム最多17得点の活躍でした。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ロセル(アルゼンチン)、ピアノ(イタリア)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)
ペルージャ
OH:レオン(ポーランド)、プロトニツキ(ウクライナ)
MB:ルッソ(イタリア)、フィラヴィオ(ブラジル)
OP:エレラ(キューバ)
S:ジャンネッリ(イタリア)
L:コラーチ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
第1セット、出だしからMBピアノがOHレオンをブロックすると、さらにMBロセルにもブロックポイントが出て4-1とミラノが先行します。
そこからさらにOH石川のスパイクやMBピアノブロック、ペルージャのミスなどで13-8とミラノが点差を広げます。
その後ペルージャもMBルッソのブロックや途中出場のOHセメニウク(ポーランド)のサービスエースなどで13-12と1点差まで詰め寄りますが、ミラノもMBピアノのブロックやSポッロのサービスエースなどで21-18として逆転を許しません。
そして最後はOHプロトニツキのスパイクがミスになり25-22でこのセットをミラノが取ります。
第2セット、ペルージャは第1セット途中から入っていたOPリヒリツキ(ルクセンブルク/イタリア)とOHセメニウク(ポーランド)をそのままコートに残します。
序盤からSポッロのツーアタックやサービスエース、OHメルガレホのブロックなどでミラノが6-4とリードします。
その後もOH石川のスパイクやブロック、MBロセルサービスエースなどで16-12とミラノがリードを保ちながら試合が進みます。
終盤にもミラノがOH石川の好サーブからMBロセルがスパイクを決めて23-19としますが、OH石川のパイプ攻撃がOPリヒリツキに止められると、続くサーブでペルージャがOHレオンをリリーフサーバーで投入。
そのOHレオンがサービスエースを決めて、さらにOPリヒリツキもブロックで続いて23-22とペルージャが1点差に迫ります。
さらにOPエレラをリリーフサーバーで投入し、そこで今度はSジャンネッリがブロックを決めてペルージャが24-24と追いついて試合をデュースに持ち込みます。
ミラノはOH石川を中心にサイドアウトを切って連続得点のチャンスを伺いますが、OHセメニウクのエースでペルージャが25-26と逆転すると、最後はOHプロトニツキのサーブから直接返ってきたボールをOPリヒリツキが叩き込んで28-30でペルージャがこのセットを奪います。
第3セット、序盤でOHプロトニツキのスパイクやMBルッソのブロックでブレイクを決めたペルージャが6-8と先行します。
ミラノは攻撃面で苦しんでいたOHメルガレホに代えてOHエバディプール(イラン)を投入しますが、ペルージャがその後もミラノのミスやOHプロトニツキのサービスエースで連続得点を決めて10-16とリードを広げます。
ここからMBロセルのクイックなどでサイドアウトをうまく取れるようになりますが、サーブミスが多く波に乗れずに点差が縮まりません。
そして最後はOPリヒリツキがスパイクを決めて18-25でこのセットもペルージャが取ります。
第4セット、OPリヒリツキのスパイクやMBフラヴィオの連続ブロックなどで4-8と序盤からペルージャがリードします。
ミラノはOH石川を中心に得点を取って行きますが、中盤にそのOH石川がSジャンネッリにブロックで止められると、さらにOHプロトニツキにもブロックポイントが出るなどして10-17とペルージャが点差を大きく広げます。
その後OH石川の好サーブからOHエバディプールがブロックとスパイクで連続得点を決めて19-15としますがそれ以上点差を詰めることができず。
最後はOHセメニウクがOPパトリィのスパイクをブロックでシャットアウトして20-25としたペルージャがこのセットも奪います。
この結果、ミラノは1-3でペルージャに敗れました。
MVP:オレク・プロトニツキ(18得点(うちサーブ2、ブロック2)、アタック決定率47%、サーブレシーブ成功率57%)
石川祐希はチーム最多の17得点(うちブロック2)、アタック決定率43%、サーブレシーブ成功率56%の活躍でした。
これで両者の対決はペルージャの2勝1敗となり、ペルージャが準決勝進出に王手をかけました。
次回のプレーオフ準々決勝第4戦は現地時間4月2日(日)18:00(日本時間翌1:00)からホームのミラノで行われます。
試合の感想など
まず試合始まる前に放たれた紙テープを選手たちも一緒にお片付けしていたのが面白かったです(笑)。
この試合は2セット目の終盤までは終始ミラノペースでしたね。
ペルージャのサイドアタッカーのミスが多く決定率が下がっていたことがもちろん大きな要因でしたが、それだけでなくミラノがそれに付き合わずにしっかりと自分たちのやるべきことが徹底できていたのがよかったですね。
まず1セット目だけで3本のブロックポイントを決めたキャプテン・ピアノをはじめブロックがとてもよく、またそれに関連してフロアディフェンスも非常に組織されていました。
またここまで苦しんでいたプロトニツキのサーブに対しても耐えられていましたし、そこ以外のサーブについてもサーブレシーブがそれほど得意ではないメルガレホが失点をせずに耐えることができていたのはとても大きかったと思います。
本当に第2戦を勝った勢いそのままな感じで、2セット目終盤まではこのままストレート勝ちもあり得る雰囲気すら漂ってました。
しかしこのまま終わらないのがペルージャ。
第2セット終盤23-20とミラノが3点リードの場面でリリーフサーバー投入されたレオンがサービスエース、さらに続けてリリーフサーバーで投入されたエレラもブレイクを決めて24-24と並ばれ、デュースではセメニウク、そしてプロトニツキのサーブにやられて逆転でこのセットを奪われてしまいました。
そしてそこから試合はいつも調子を取り戻したペルージャのほぼワンサイドゲームで終了。
やっぱりペルージャはペルージャでした。
ペルージャの選手たちの持つ「個」の力を改めて認識させられた試合でした。
あの場面でリリーフサーバーでレオンが使えるのがズルし(笑)、あの勝負所の場面でエースを決められるレオンはやはりバケモン。
ましてや1セット目はスタメンで出たのに不調で交代させられてましたからね。
そのあとでリリーフサーバーで出てよくあのパフォーマンスが出せるなと感心するしかないです。
流石レオン。
しかしまあレオンやエレラを潰しても代わりの選手が入って勝てちゃうペルージャに対し、ミラノにパトリィの代わりが務まる選手はいないんです。
ミラノの控えのオポジットのローレンスは能力的に2段階ぐらい落ちる印象なので変えようにも変えられない。
3、4セット目はメルガレホが決まらなくなって、パトリィも決まらないから石川に集めるしかなくなって苦しくなるパターンでした。
ああいう場面でパトリィがしっかりと機能できていればまだミラノにも反撃のチャンスがあったでしょう。
何度も言いますがミラノのカギはやっぱりパトリィ。
他の選手たちはだいぶ各々の本来の力を発揮できている。
あとは君だけだパトリィ。
ミラノでの第4戦はパトリィ爆発でミラノ勝利&パトリィMVPを期待しています!
石川先生のプレッシャーもあるかもしれないけど(笑)、頑張れパトリィ!!!
写真:Lega Pallavolo SerieA