イタリア男子バレーボールリーグセリエA第7節は石川祐希所属のミラノと髙橋藍が所属するパドヴァの日本人対決が実現。現地時間11月13日(日)にパドヴァにて行われたこの試合は、3-1(28-30, 25-23, 25-19, 25-18)のミラノがパドヴァに勝利しました。
石川と髙橋はそれぞれスタメン出場し、石川は11得点、髙橋は12得点の活躍でした。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:石川、エバディプール(イラン)
MB:ヴィテッリ(イタリア)、ロセル(アルゼンチン)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)
パドヴァ
OH:髙橋(日本)、アスパルホフ(ブルガリア)
MB:ヴォルパト(イタリア)、クロサート(イタリア)
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
第1セット開始直後からミラノのMBヴィテッリが古巣パドヴァ相手にサービスエースを決めると、続けて石川がOPペトコヴィッチを、MBロセルが髙橋を連続でブロックし、ミラノが4-1と好スタートを切ります。
その後OHエバディプールを中心に得点を重ねるミラノに対し、安定したサーブレシーブからペトコヴィッチやOHアスパルホフのスパイクが決まりはじめ、パドヴァがミラノに食らいつきます。
石川がキレのあるパイプ攻撃で18-16とすると、その後髙橋も負けじと鋭いパイプ攻撃を決め、更にアスパルホフのサーブから連続ブレイクに成功して19-19と並ぶとそこからお互い一歩も譲らない、長いラリーの多い激しい攻防となります。
ロセルのエースで24-23と先にセットポイントを握ったのはミラノでしたが、次をペトコヴィッチが決めきってデュースに。
お互いセットポイントを握っては逆にブレイクされてセットポイントを奪われるといったような緊張した場面が続きますが、最後はパドヴァのMBクロサートがスパイクとブロックを連続して決めきって、28-30でパドヴァが接戦の末にこのセットをものにします。
第2セットは序盤から髙橋らのサーブが走ったパドヴァがコンスタントにブレイク成功してリードを広げ11-8とし、更に髙橋にサービスエースも出るなどして9-15とパドヴァが大きくリードて中盤を迎えます。
しかしミラノが石川のライトスパイクで悪い流れを断ち切ると、そこからその石川祐希がサーブで覚醒。
パドヴァの髙橋とリベロのツェンガーを崩すキレのあるサーブでエースを含む4連続ブレイクに成功して14-15とミラノがパドヴァに一気に迫ります。
その後またパドヴァリードで試合が進みますが、再び石川がサービスエースを決めて21-21とミラノが同点に追いつくと、ヴィテッリのブロックで23-22と逆転に成功し、最後はパトリィが決めきって25-23でこのセットを逆転で取り返します。
第3セット、ミラノは2セット目途中からエバディプールに代えて起用していたメルガレホ(キューバ)をそのままコートに残します。
先に走り出したのはパドヴァで、髙橋がスパイクで1点目を決めると、その後アスパルホフからのフェイクセットも決めきって0-3とパドヴァがリードします。
しかしすぐさま髙橋が2連続で捕まるなどしてミラノが4-4と同点に追いつき、その後石川のサービスエースやパイプ攻撃で14-12と逆転に成功。
そこから石川が連続でキレのあるスパイクを相手コートに叩き込み、メルガレホにもエースが出るなどしたミラノが更に22-15とリードを大きく広げ、最後はパドヴァにミスが出て25-19でこのセットもミラノが取ります。
第4セットは足の痙攣が出た石川に代わりエバディプールがミラノコートに戻ります。
それでもミラノの勢いが止まらず、メルガレホのスパイクやロセルのブロックで6-3と序盤からリードします。
パドヴァは第3セット途中からスパイクが決まっていなかった髙橋にボールを託せず、攻撃がより単調になる苦しい展開に。
一方のミラノはパトリィとエバディプールが安定してスパイクを決め、またロセルに続けてブロックポイントが出るなど勢いが収まらず18-12と試合を支配していきます。
更に終盤にメルガレホのダメ出しのエースが決まって21-14とすると、最後もエバディプールのサーブがネットにかかってエースとなり25-18で危なげなくこのセットも取り切ったミラノが3-1でパドヴァに勝利。
日本人対決となった試合は石川のミラノに軍配が上がることとなりました。
MVPは11得点(うちサーブ2)、アタック決定率53%を記録したメルガレホが選ばれました。
石川祐希は11得点(うちサーブ3)、アタック決定率38%、髙橋藍は12得点(うちサーブ1)、アタック決定率35%という活躍でした。
この結果を受けて、ミラノは通算4勝3敗10ポイントで暫定7位、パドヴァは通算3勝3敗6歩イントで暫定10位となりました。
次週、ミラノは現地時間11月20日(日)20:30(日本時間翌4:30)からホームでピアチェンツァと、パドヴァは現地時間11月21日(月)19:30(日本時間翌3:30)からアウェイでヴェローナとそれぞれ対戦します。
感想など
いやあああ、凄まじい試合でした…。
試合が始まる前は「戦力的にはミラノが上だけど、パドヴァは調子いいからなんとなくパドヴァが勝ちそう」と思っていました(石川ファン、ミラノファンの皆さんごめんなさい)。
いよいよ試合スタート。
1セット目は正にバチバチで、お互いつないでつなぐ長ラリーの応酬…。
ただその中でも最終的にセットを取ったパドヴァの髙橋のレシーブとスパイクが光ってて、またパドヴァの課題でもあった髙橋の対角に入るアスパルホフがサーブレシーブで大きく崩されることなくよく耐えていたことがとってもよかったと思います。
いやでもとにかくラリーが長かった。ポイントも30-28だったし、なんかこの時点でけっこうお腹いっぱい、少なくとも腹八分目くらいはいってたんじゃないかと思えるくらい1セット目から濃い内容でした。
しかしショータイムはここからでした。
1セット目の勢いのまま中盤までかなりのパドヴァペースで、「あれ、もしかしてパドヴァがこのまますんなり勝っちゃう?!」と思っていたところででてきましたよ、石川大先生のサーブが。
まず髙橋にドーン!、続けてツェンガーにドーン!!、タイムアウトを挟んで今度はサービスエースドーン!!!
いやいや、キレキレすぎじゃありませんか?!?!
もう「石川先生~~~~~~~~!!!」と叫ばずにはいられなかった(なぜだか「先生」と付けたくなってしまう男、石川祐希)。
そこからまた1周回ったあとのサーブでもエース、パイプを決めて逆転でミラノが第2セットとっちゃって、3セット目も中盤以降サービスエースに連続アタックにキレキレ。もうキレキレ。
先週のペルージャ戦の3セット目もキレのある姿を見せてくれてましたけど、更に今日の試合はまた1段ギアがあがっていた印象でした。
そう、これがユウキ・イシカワなのですよね。
でも第4セットからいなくなっちゃったと思ったらどうやら足が痙攣していたようで…。
そりゃあんだけギアあげるとオーバーヒート起こしますわな、ワンピースのギアセカンドもそんな設定でしたし。
それでもそのままの流れでミラノが勝利。
個人的にはフルセットまで行ってほしかったけど、石川先生の覚醒が見れて満足でした。
もし石川があのまま最後まで試合に出続けられていたら、MVPは間違いなく石川だったでしょう。
少なくとも第4セット出てなくても僕は石川にMVPあげたい!!あんたがMVPや!!!(笑)
また推しのひとりであるミドルのロセルもブロック7本の大活躍でしたし。
あとはポッロとのコンビネーションを高めてクイックの方でもドリフトとかゴリゴリのロセルをみたいな。
あとやはり個人的にはミラノのアウトサイドは石川ーメルガレホがいちばんいいんじゃないかと思います(ピアッツァ監督はエバディプールを使いたいんだろうけど)。
一方のパドヴァ、苦しんだ髙橋。
第1セットはよかったけど、やはりフロントスパイクをミラノのブロックに通してもらえなかったですね。
ここはやはりまだまだ課題となるところでしょう。
あとサーブレシーブについてはアスパルホフは頑張っていたけど、リベロのツェンガーが崩されすぎていたな、リベロで失点5点はあかんよ。
リーグ後半のミラノホームでの再戦は来年2月。
この試合、日本から応援に来れられていた方はまだまだそこまで多くなかったようで、また地元の観客もそこまで埋まってなかったので、2月のアリアンツクラウドの試合はもっとお客さんが埋まるといいな。
そしてフルセットでハラハラしながら長く勝負の行く末を見守れるような試合を期待してます!!
でも次週はピアチェンツァ、ヴェローナとお互い強敵との勝負になるのでまずは目の前の試合に集中!
そうすればもしかしたらコッパイタリア、そしてプレーオフでも2人の対決が見られる未来もあるだろうから。
そうなってくると激アツですね!!!!
写真:Lega Pallavolo Serie A, Powervolley Milano
なおイタリアリーグは全試合Volleyball World TVで生配信、アーカイブ配信されています!まだ利用されていない方は、下記リンクから視聴方法を確認して一緒に選手を応援しましょう!!