イタリア男子バレーボールリーグセリエA後半第9節、石川祐希所属ミラノ(8位)は現地時間2月19日(日)にホームでトレント(3位)と対戦し、2-3(25-22, 26-24, 23-25, 24-26, 8-15)で敗れました。
石川祐希はこの試合スタメンで出場し、チーム2位の18得点の活躍でした。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ヴィテッリ(イタリア)、ロセル(アルゼンチン)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)
トレント
OH:ミケレット(イタリア)、ラヴィア(イタリア)
MB:デヘアー(ベルギー)、ポドラスチャニン(セルビア)
OP:カジ―スキ(ブルガリア)
S:スベルトリ(イタリア)
L:ラウレンツァーノ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
この試合のスタッツはこちら
試合レポート
第1セット、トレントがサイドアタッカー3人の攻撃で1-3と先行すると、MBデヘアーのサービスエースやミラノのスパイクミスなどで連続得点をあげて5-10と大きくリードします。
しかし今度はミラノがOH石川のブロックなどで13-15と点差を縮めると、その後トレントにミスが重なり21-20と終盤で逆転に成功します。
その後も途中出場のOHエバディプール(イラン)のサービスエースやOH石川の3枚ブロックを打ち抜くキレのあるスパイクなどで次々と得点を重ねたミラノが25-22でこのセットを取ります。
第2セット、ミラノはOHエバディプールをそのままコートに残します。
序盤はOH石川とOHミケレットの点の取り合いとなりますが、その後はお互いにブレイクを奪いつつも3点以上開かない拮抗した展開が続きます。
そんな中でもOPカジ―スキのスパイクなどでトレントがやや先行して16-17まで進みますが、そこからミラノがOPパトリィのサービスエースや途中出場のMBピアノ(イタリア)のブロックなどで3連続ブレイクに成功し20-17と一気にリードを広げます。
その後OH石川のスパイクなどで24-21と先にマッチポイントに乗せますが、そこからMBポドラスチャニンのスパイクやブロックでまさかの3連続得点で24-24と同点に追いつかれてしまいます。
しかし最後はOH石川の強気のサーブからMBロセルがブロックを決めて26-24でこのセットもミラノが取ります。
第3セット、こちらも序盤から競った展開となり、ミラノはOPパトリィとOH石川、トレントはOPカジ―スキやOHラヴィアを中心に得点を重ねて15-15まで進みます。
ここでトレントがOPカジ―スキのサーブから2本のサービスエースを含む4連続ブレイクを決めて15-19と一気に抜け出すと、そのままOHミケレットのスパイクなどで得点を重ねて21-24とセットポイントを握ります。
ミラノも途中出場のOHメルガレホのスパイクなどで23-24と1点差まで詰め寄りますが、最後は決まったと思われたメルガレホスパイクにチャレンジでタッチネットの判定が出て23-25でこのセットをトレント取り返します。
第4セット、再び序盤から両チームとも度々ブレイクを奪い合いながらサイドアタッカーを中心に得点を重ねる拮抗した展開となります。
中盤OH石川にミスが続いて11-13とトレントが抜け出したかに思われましたが、すぐさまミラノがそのOH石川のスパイクなどで14-14と同点に追いつくと、さらにその後キレのあるパイプ攻撃で再びブレイクを奪って21-17と終盤でミラノがリードを広げます。
そのままミラノがOH石川のスパイクで24-21と先にマッチポイントを握りますが、そこからOHミケレットの強烈なサーブがミラノレシーバー陣を襲い、OHラヴィアのスパイクやブロックなどで一気に4連続ブレイクを決めたトレントが24-26と大逆転でこのセットを奪い返します。
第5セット、ミラノはOHエバディプールやOPパトリィ、トレントはOHミケレットを中心に得点を重ねて7-8と競ったままコートチェンジを迎えます。
しかしそこからOPカジ―スキのサーブが爆発し、2本のサービスエースを含む怒涛の6連続ブレイクでトレントが7-14と一気にマッチポイントを迎えると、最後はOHミケレットの高さのあるスパイクが決まって8-15でこのセットを取ったトレントが2-3でミラノを下しました。
MVP:OHアレッサンドロ・ミケレット(20得点(うちブロック2)、アタック決定率51%、サーブレシーブ成功率39%)
石川祐希はチーム2位の18得点(うちブロック1)、アタック決定率40%、サーブレシーブ成功率31%の活躍でした。
これでミラノは通算9勝11敗27ポイントとして8位を維持。
次の試合は現地時間2月25日(土)18:00(日本時間翌2:00)から、コッパイタリア準決勝を再びトレントと戦います。
試合の感想など
また掴みかけた勝利が零れ落ちてしまった…。
この試合はミラノが3点リードしてセットポイントを掴んでから同点まで追いつかれる展開が2回あり、2セット目のそれはなんとか凌ぐことができましたが、4セット目のマッチポイントの際にはその大事なあと1点を取り切ることができませんでした。
その後第5セットを取り切れればよかったわけですが、皇帝カジ―スキ様のサーブを前に見事に打ち砕かれてしまいフルセットで敗北。
前半のヴェローナ戦やピアチェンツァ戦、また石川個人を遡れば昨年の世界選手権でのフランス戦などの経験から、最後まで取り切るというところを今季は強く意識し、リーグ戦途中からはそれがしっかりと取り切れるようになったいたのですが、ここに来てまた同じ壁にぶつかる結果となってしましました。
トレントは今週末のコッパイタリア準決勝でもぶつかる相手ですし、トレントホームの前半戦では勝利していたので(しかもMB1の変則フォーメーションで)、今回もなんとか勝ってコッパイタリアに弾みをつけたかったところでしたが、OHミケレットとOPカジ―スキのサーブにやられてしまう結果となってしまいました。
でもその2人の勝負所でのサーブ以外はほとんど互角の勝負でしたし、サーブというのはある意味水物でもあるので、コッパイタリアでの試合は本当にどうなるかはわかりません。
逆にミラノに関してはOPパトリィの出来次第なところが大きいかなと思います。
この試合のパトリィのアタック決定率は43%とそこまで高い数字ではなかったので、これが50%くらいまで上がり、今回のような厳しいサーブに対しても上にあげさえすればパトリィが決めてくれるという状況を作ることができれば勝利にグッと近づくと思います。
また今回のサイドの配置は石川がセッターに近い2番、エバディプールがオポジットに近い5番でしたが、次のトレント戦に関してはここを逆にしてもおもしろそうですね。
策士のピアッツア監督のことだからまたいろいろ考えているところでしょう。
そういうところも含めてコッパイタリアめっちゃ楽しみです!!
もちろんコッパイタリアは現地取材しますよ!!!
あとこの試合は5000人以上のお客さんが入っていたようで、アリアンツクラウドでの試合では今季最大の人数でした。
相手のトレントはイタリア代表をはじめスター選手揃いの人気チームでなのでそれを見に来た地元のファン、またトレントからミラノはそんなに遠くないのでトレントから来ていたファンも多かったと思います(実際トレントがポイント決めたときにかなり多くの歓声が上がっていましたし)。
またトレントのセッターのスベルトリはミラノ出身の選手でもあるので、客席の一角が全部スベルトリ応援団だったようです(笑)。
以前ピアチェンツァがミラノに来た時も同じようにミラノ近郊出身のロマノの大応援団がいましたね。
こういうのを見るのはなんだかほっこりしますね。
また会場にはイタリアの有名な歌手であるマルコ・メンゴーニも来ていたみたいです。
いやしかし5000人入ったアリアンツクラウドを生でみたかった…。
でもコッパイタリアはその倍は入っているので更にエキサイティングなこと間違いないでしょう!
Forza Milano!!!
写真:Lega Pallovolo Serie A