コラム

海外バレー選手紹介その9 アグスティン・ロセル

2020年7月19日

アルゼンチン代表のミドルと言えば、ソレとクレルのホットラインがかれこれ10年近く続いていたが、近年そこにヤングスターが頭角を現してきた。それが22歳のロセルである。

ロセルは小さい。特に2メートルでも低い方になるミドルブロッカーの世界で、190cm代前半しかないのは他にも日本の李くらいしか思いあたらない。(ロセルに限らず同世代セッターのサンチェスも173㎝しかない。やはりアルゼンチンは日本といい勝負をする。)しかし、彼のプレーはその上背の低さを感じさせない実に堂々たるものだ。スパイクにはパワーと幅があり高い決定力が高く、ブロックの反応がよく動きが速い。またサーブでも得点ができるところも魅力だ。相手にいると非常に嫌な選手だろう。さらに小さいのだから相手へのプレッシャーやストレスはよけいかかってくるはずだ。ぜひ日本のミドルの選手にも手本としてもらいたい。

ロセルは2015年からアルゼンチンリーグでプレーし、チウダッド・バレー在籍時にカップ戦優勝、ボリヴァル・バレー在籍時にはリーグ優勝を経験している。また2017/18シーズンにはリーグベストミドルブロッカーにも選出された。今シーズンからは、元パナソニックパンサーズコーチのマウリシオが指揮するフランスのトゥールコワンでプレーする。同じアルゼンチン代表でアンダーカテゴリーから共にプレーしているサンチェスやパロンスキーも一緒だ。

ロセルらの世代はアンダーカテゴリーで一定の成功を収めており、U19南米選手権優勝、U19世界選手権準優勝、U21南米選手権優勝、U23世界選手権優勝などを果たしている。同世代ならば同じ南米のライバル、ブラジルをも凌いでいる。しかし、2018年から召集されてきたシニア代表ではなかな勝てておらず、世界大会でのメダルはない。その初舞台が来年の東京オリンピックとなるかどうかはわからないが、今後もアルゼンチンのヤングスターから目が離せない。

 

 

Photo by FIVB

アウグスティン・ロセル(Agustín Loser)
1997年10月12日生(22歳)/アルゼンチン・ジェネラルアルベア出身/身長193㎝/体重77㎏/最高到達点335㎝/ミドルブロッカー/トゥールコワンLM所属/代表歴 2018-

 

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