試合レポート

【石川祐希】ミラノ、強豪ペルージャに完敗

2021年11月14日

イタリア男子バレーボールリーグセリエAは第6節を迎え、日本代表のエース石川祐希が所属するミラノはアウェーで昨シーズン2位のペルージャと対戦し、3‐0のストレートで完敗しました。

試合結果
ペルージャvsミラノ 3-0 (25-20, 25-19, 25-12)

第1セット序盤はサイドアウトの奪い合いが続くも、MBチネニエゼ(フランス)のサービスエースや堅いディグからの石川のカウンタースパイクでブレイクを取ったミラノがやや先行します。しかし、ペルージャのOHアンダーソン(アメリカ)、そしてOHレオン(ポーランド)のサーブがミラノレシーバー陣に牙をむき、一気に連続ブレイクで逆転を許すと、終盤にもリリーフサーバーのOHプロトニツキ(ウクライナ)にも石川を吹き飛ばすダメ押しをエースを決められて、ペルージャが1セット目先取します。

第2セットもミラノはOPパトリィ(フランス)、石川、ペルージャはレオンとOPリヒリツキ(ルクセンブルク)を中心にサイドアウトを取ります。そんな中今度はミラノのジャスキー(アメリカ)が同じくアメリカ代表のアンダーソンからエースを奪ってミラノが2点先行します。しかし、そのアンダーソンに代わって入ったプロトニツキが再びサービスエースを含む連続ブレイクでペルージャが逆転。さらに続くリヒリツキにもサービスエースが出て流れに乗ったペルージャがそのまま第2セットも取ります。

第3セットは序盤からプロトニツキの弾丸サーブがさく裂。3連続エースを含む4連続ブレイクで一気にペルージャがミラノを突き放します。その後ミラノも反撃の機会を伺いますが、サーブミスが続いてブレイクチャンスを得られません。一方のペルージャはリリーフサーバーで入ったMBルッソ(イタリア)にも2本のエースが出るなどサーブでミラノを圧倒。マッチポイントもエース・レオンのサービスエースで締めくくり、第3セットペルージャがミラノ12点しか許さず快勝。ミラノはストレートでペルージャに完全な敗北を喫しました。この日のペルージャは3セットで11本のエースを決めていました。そりゃ勝ちますね。

石川個人としても、この試合は攻守両面でとても苦しんでいたように思います。数字だけ見ても、アタックは決定率31%で被ブロックが4点、サーブレシーブも返球率29%で4本のエースを取られています。前述のとおりこの日のペルージャはサーブでかなり殴りかかってきていたので、レシーブも厳しかったでしょうし、上がったとしてもいい形でスパイクを打てる場面が少なかったですね。またミラノのオポジットパトリィの調子もこの日はいまいちだったので、そのシワ寄せが石川にも来ていたように感じました。ミラノはどちらかというと守備型のチームでミスを少なくして勝つのが理想的でしょうから、このように相手のサーブに対応できなくなってしまうと厳しいですね。次の試合ではなんとか修正して勝ちに繋げてほしいと思います。

またこの日のMVPだったのは5本のサービスエースを決めたペルージャのプロトニツキ。ウクライナの選手でナショナルチームで日本代表と戦うことが少ないので、日本の皆さんにはあまりなじみのない選手だと思いますが、実は筆者イチオシ選手のひとりであったりします(笑)。サーブが鬼強くて、サウスポーで、身長はそれほど大きくない(といっても196㎝ですが)けど抜群のジャンプ力と滞空時間からキレのあるスパイクを放ちます。日本の西田がアウトサイドヒッターならばこんな感じかなと思わせる選手ですね。またメンタルも強くて、相手のマッチポイントの場面でも弾丸サーブを打ち込んでエースを決めたりします。今シーズンはアンダーソンにポジションを奪われてベンチスタートが多いですが、まだまだ24歳と若い選手ですのでぜひ注目していただきたいと思います。

ペルージャのプロトニツキ(ウクライナ)

ミラノは次回、ホームでヴェローナと対戦。ここは確実に勝っておきたいですね。次の試合ではキレッキレの石川祐希が見られることを期待しましょう!

写真:Lega Pallavolo Serie A

 

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