日本代表 男子

ネーションズリーグ2021第1週レポート ロシアにも勝利して日本3連勝!!

2021年6月1日

先週無事開幕したネーションズリーグ2021。昨日男子大会の第1週が終了しました。日本代表チームはなんと3連勝で素晴らしい開幕ダッシュに成功しましたね!特に昨日のロシア戦は本当にチームの成長を感じる見ごたえある試合でした。そんなVNL2021第1週を、日本戦を中心にふりかえりたいと思います。

第1週の日本代表

①vsイラン 〇3-0 (25-19, 25-22, 26-24)

Photo by FIVB

1セット目のスタメン(サーブ順)

日本
OH石川
MB山内
OP清水
OH高橋藍
MB小野寺
S藤井
L山本

イラン
MBムーサビ
OPガフール
OHシャレーヒ
MBモジャラッド
Sヴァディ
OHエバディプール
Lハズラットプール

やはり西田は間に合わずにOPに清水、そして石川の対角には高橋藍が入ってきました。位置は石川がいつも通りセッターとなりの2番、髙橋は5番でした。一方イランは、ベテランと若手の半々くらいで来るだろうという予測は当たってましたが、肝心の「仙人セッター」マルーフではなく若手ヴァディの起用は意外でした。というかマルーフはこの試合ベンチにも確認できなかったですね。

これが原因なのかどうかはわかりませんが、イランは1セット目から調子がよくなくミスが目立ちました。一方、日本のパフォーマンスは素晴らしく、特に石川と高橋藍の両アウトサイドはさすがのプレーでしたね。石川は、久々の代表での試合はだったにも関わらず「世界のイシカワ」を見せつけるキレッキレの動きで両チーム最多18得点、また点数に直接絡まないところでの貢献も大きかったように見えました。対角の高橋藍も、初めての代表での公式戦かつ慣れない異国の地での試合でしたが、国内での強化試合と変わらぬ、20歳らしからぬ安定して堂々としたプレーで次点の16得点をマーク。持ち味のレシーブでも貢献度が高かったです。

試合は、3セット目こそイランのOPガフールや途中交代のOHファヤージらの活躍で息を吹き返してデュースまでもつれましたが、全体としては危なげなくストレートで勝利。最高のスタートを切りました。Aチームのイランにストレートで勝ったのは久しぶりなんじゃないでしょうか。

ただ心配なのがオポジット清水。強化試合のときから思ってましたけどなんかイマイチ調子が上がってないように見えました。そして案の定途中交代となったのですが、代わりに入ったのが大竹ではなく本来アウトサイドの大塚。オポジット大塚。しかもこれがよかった。アタック決定率でみると61%で上記両アウトサイドよりもかなり高かったです。西田ともう1人のオポジット争いにここで大塚が割り込んでくるとは。こちらの争いも熾烈ですね…。

あとOP大塚を見てると、早稲田の先輩宮浦の顔が浮かんできてなんだか少し切なくなりました笑。

②vsオランダ 〇3-2(22-25, 23-25, 25-22, 25-17, 15-8)

Photo by FIVB

1セット目スタメン(サーブ順)

日本
OP清水
OH高橋藍
MB小野寺
S藤井
OH石川
MB山内
L山本

オランダ
MBプラック
OPニミル
OHテルホルスト
MBファンティルバーグ
Sデヴェイヤー
OHアンドリンガ
Lリベロ

日本は前日のイラン戦と同じ布陣(ローテは少しずらしてました。)おそらく。試合前は正直もう少し楽に勝てると思ってましたけどそんなことはなかったですね。オランダのOPニミルがヤバいとはわかっていましたけど、この試合は彼のみならずOHテルホルストの高さのあるスパイクやMBプラックの早いクイックにも苦しめられました。そんなこんなで日本はなかなか流れをつかめず、2セット目まではオランダペースで試合が進みます。昨日のようにオポジットを大塚に代えたり、セッターを関田にしたり、ミドルを高橋健太郎に代えたりしましたが、「あと1本」が出ませんでした。

ただ日本はずっとレセプションの苦手なテルホルストをサーブで狙ったり、ニミルに対してブロックのマークをきつくするなど対策は徹底していました。それがプレッシャーとなって相手に伝わったのか、このセットからオランダにミスが目立ち、エースミニルも石川にシャットされるなどして消沈状態。一方の日本は安定した守備からクイック、パイプを絡ませて相手にブレイクを許しません。そんなこんなで気づけば常に日本がリードする展開となり、最後もミニルのサーブがアウトになりゲームセット。日本が2セットダウンからの逆転でフルセット勝利を収めました。

この試合のベストスコアラーは26得点の高橋藍。スパイク決定率も57.89%の素晴らしい活躍でした。またこの試合でも攻撃だけではなく守備面での貢献も大きかったです。特に前日1試合で6本ものエースを取っていたニミルのサーブに対して崩れることなくレセプションできていたのは流石でした。序盤に彼のサーブにしっかり対応できたことが、後にプレッシャーとなって彼のサーブミスを誘ったのだと思います。あと途中から入った高橋健太郎も高さのあるクイックで得点を量産し、ブロックでも貢献していましたね。日本のミドル陣の中でもスパイクの高さとパワーは彼がナンバーワンでしょうね。やはり彼はVリーグよりも国際試合での方がより活躍できているように見えるのは僕だけでしょうか?とにかくこの日は「タカハシ・デー」でした笑。

③vs.ロシア 〇3-2(26-28, 28-26, 25-20, 21-25, 14-16)

Photo by FIVB

1セット目スタメン(サーブ順)

日本
OH高梨
MB李
OP大塚
OH福澤
MB高橋健太郎
S関田
L小川

ロシア
OPミハイロフ
OHポドレスニク
MBヴォルヴィッチ
Sコブザル
OHクリウカ
MBクルカエフ
Lバランコフ

2019年のワールドカップのとき日本はロシアに勝ちました。ただあの時のロシアチームはほぼBチームだったですし、日本には西田がいないので、試合が始まる前は1セットでも取れたら上出来と思っていました。そして日本のスタメンを見た瞬間、「石川出さないのか~い、捨て試合にするつもりか~い」と正直思いました(笑)。一方の相手は、ムセルスキーこそいないものの、オポジットのミハイロフやアウトサイドのクリウカなどを並べて本気で勝ちに来ている感じでした。これは早く試合終わりそうな予感…。

しかし、いい意味でその期待は裏切られました。1セット目からロシアの高い壁相手に互角に競り合っているではないですか!特に高梨と高橋健太郎の活躍が光ってました。あと福澤もこんなによかったっけ?と思うくらいよかった。一方、石川も西田もいない日本にいい勝負をされているのに焦ったのか、ロシアはミスが多い。そしてデュースまでもつれるも絶好調高橋のクイックで1セット目を日本が先取。やっちゃったな健太郎。あれ、もしやこのまま行けちゃう…?

2セット目も勢いそのままに序盤は日本リードで進みます。セッターをパンコフに変えたロシアに中盤追い抜かれるも、2枚代えで変わった大宅のトスや小川のネットを越えての必死の繋ぎなどで食らいつき、福澤に代えてリリーフサーバー高橋藍のところで逆転に成功。24-23としてこのまま行けるかと思われましたがここからロシア。クリウカが超ラインぎりぎりのサービスエースを決めてデュースに持っていくと、あとはミハイロフ、ミハイロフ、ミハイロフ!ロシアが第2セットを取りました。ミハイロフが確変入った感じになってました。そのまま第3セットはロシアの巨人たちが火を噴きます。このセットだけでブロックポイント7本!これぞロシア。第2セット決定率100%だった福澤もこのセットは7%にまで激減。終始ロシアリードで第3セットはロシアの手に。

4セット目はスタートから大宅・大竹を起用。ロシアもなぜかクリウカをボグダンに代えた。それでもこのままロシアが行くかと思われましたが日本も止まらない。というか大竹が止まらない。力んでシャットアウトされるイメージが強い大竹。しかしこの日は彼が打ったボールはことごとく決まるではないですか!「カイジュウブロック‼(by VNL英語実況)」も飛び出しちゃうし(笑)。大宅も相手S6ローテのゾーン2という憎いところにサーブを打って揺さぶるし、小川も好セーブがまた飛び出しちゃうし。小川すごいよ〜、海外ファン増えちゃうよ〜。そんな感じでイニシャル"O(オー)"たちが躍動(笑)!あ、福澤に代わって大塚入りましたね。コート上に4人の"O"でフルセットに持ち込む!

5セット目も大宅のサーブから流れをつくりリードの展開。ロシアもパンコフのサービスエースなどで逆転の機会を伺うが、大竹が止まらない!ロマンティックが止まらないばりに大竹が止まらない。こんな頼れる大竹みたことないよ!どうした大竹?!最後は大塚のサーブがネットを越えて高橋藍がダイレクト‼おいおいおい、ロシアに勝っちゃったよ‼ミハイロフもいたのに。石川・西田いないのに。すごいよ。こんな出る選手出る選手活躍するの凄いな。ほんとに日本のレベルは上がったな。これからの試合がますます楽しみとなりました。MVPは大竹。次点は小川。

しかしロシア、そこまで悪くなかったOHクリウカを4セット目以降も出し続けてたらそのままもっと違ったかもしれないのに。ロシアの監督のコッピはボグダンに経験を積ませたかったのかもしれないけど、それが仇となりましたね。あと同じくOHヴォルコフも温存するし。次は日本、ロシア共に本当のフルメン対決を見てみたいです。

 

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Best Games of WEEK 1

その他、VNL第1週の海外勢同士ベストゲーム3試合を紹介します!

①セルビアvsスロベニア 3:1(22-25, 25-18, 36-34, 25-18)

旧ユーゴスラヴィア同士の対決。第4セットのお互い一歩も譲らないデュースの攻防は必見!セルビアは元JTサンダースのルブリッチが大車輪の活躍。スロベニアには、石川とミラノでともにプレーしたミドルのコザメルニクとサイドのウルナウトがいますね!
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②フランスvsドイツ 3:2(22-25, 25-22, 22-25, 25-16, 17-15)

独仏対決はフルセットの激闘に!パナソニックの監督でもあるフランス代表ティリ監督の采配が光ります。ドイツのOHライヘルト、フランスのOHクレブノのイケメン対決も!(笑)
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③ポーランドvsセルビア3:1(26-24, 25-19, 21-25, 25-15)

キューバが生んだポーランドの怪物レオンが1試合13本のサービスエースをたたき出してVNL記録をぬりかえた試合。圧巻のパフォーマンスをご覧あれ。

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順位表(第1週終了次点)

  1. ブラジル 3勝 9pt(勝ち点)
  2. フランス 3勝 8pt
  3. 日本 3勝 7pt
  4. ロシア 2勝 7pt
  5. ポーランド 2勝 6pt
  6. スロベニア 2勝 6pt
  7. ドイツ 2勝 6pt
  8. アメリカ 2勝 6pt
  9. セルビア 2勝 6pt
  10. ブルガリア 1勝 4pt
  11. カナダ 1勝 3pt
  12. イラン 1勝 3pt
  13. オランダ 0勝 1pt
  14. イタリア 0勝 0pt
  15. オーストラリア 0勝 0pt
  16. アルゼンチン 0勝 0pt

※順位は、勝利数>勝ち点>セット率>得点率で決定

1位のブラジル Photo by FIVB

第2週の日本の試合予定

3日㈭ 20:00~ セルビア
4日㈮ 20:00~ ブラジル
5日㈯ 20:00~ フランス

どれも強豪ですね。ここで少なくとも1勝、願わくば2勝したいところ。

テレビ放送は3日と4日は翌日の昼、5日は1時間遅れでBS-TBSにて放送予定です。リアルタイムでのライブ配信はVolleyball TVで見ることができます。アカウント登録、ライセンス購入がまだの方は下記記事を参考に手続きを行ってください!
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第2週も楽しみです!!!

 

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