インタビュー

高橋頌所属のチェンストホヴァがポーランド2部リーグ優勝、プルスリーガへの昇格を決める!!

ポーランド男子バレーボール2部リーグは現地時間5月18日(木)に決勝戦第3戦が行われ、チェンストホヴァが3-1(25-20, 24-26, 25-23, 25-12)で勝利し、リーグ優勝と1部リーグであるプルスリーガへの昇格を決めました。

試合レポート

決勝戦にはレギュラーシーズン1位のベンジンと同2位で日本の高橋頌(しょう、元埼玉アザレア)が所属するチェンストホヴァが進出。決勝戦はこの日までの戦績が1勝1敗で、ここで勝ったチームがリーグ優勝と1部昇格を手にする大事な試合でした。

試合はベンジンのホームアリーナで行われ、2500席ある会場はほぼ満席。当然ホームのベンジンサポーターがほとんどを占めるなか、チェンストホヴァから駆けつけたサポーターらも客席エリアの一角を埋め尽くしてチームに大声援を送ります。

高橋はこの日もチェンストホヴァのスタメンリベロとして出場。

試合は、髙橋の安定したサーブレシーブからオポジットのソバインスキ(ポーランド)がスパイクを決めまくり25-20でチェンストホヴァが第1セットを先取するも、第2セットはサーブとブロックが機能したベンジンが24-26で接戦をものにします。

第3セットも接戦になるもポイントゲッターのOHコグット(ポーランド)が高い決定率で得点を決めるなどして25-23でチェンストホヴァが取り切ると、第4セットはOHギベック(ポーランド)のサービスエースやSコヴァルスキ(ポーランド)のブロックなどで圧倒し、25-12でこのセットも取り切ったチェンストホヴァが3-1でベンジンに勝利しました。

MVP:OPラファウ・ソバインスキ(22得点(うちサーブ2)、アタック決定率56%)

高橋頌はサーブレシーブ成功率76%、ディグ7本の活躍でした。

この試合のスタッツはこちら

この結果、チェンストホヴァが2部リーグ優勝とプルスリーガへ昇格を決めました。

ノルヴィド・チェンストホヴァはクラブ創設20年で初の1部リーグ昇格、同市を拠点とするクラブとしては2016/17シーズン以来7シーズンぶりの復帰となります。

高橋頌選手コメント

ープルスリーガ(ポーランド1部リーグ)への昇格おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか。

高橋:ありがとうございます。もうほんとに嬉しいの一言ですね。僕個人としては3年前にルブリン(ポーランド、当時2部)でプレーしていた時に、これからプルスリーガーの昇格を狙うという時にコロナウイルスが発生して、入替戦も含めて試合も全部中止になってしまいました。正直もう(プルスリーガに)行けるっていう自信もあったんですよ、チームとしても。「これ行ける」っていう時になくなっちゃったので、その屈辱っていうか、悔しい気持ちを今回晴らすために今シーズンこのクラブに来て、昇格を狙うという1つのプロジェクトに参加させていただきました。もうただただ嬉しい限りです。

ー今日の試合をふりかえってみていかがですか。

高橋:試合展開としては…、あー、なんでしょう、難しい(笑)。まあ個人としては、2、3セット目を通してブロックとディフェンスの関係で、もっと自分がブロッカーに指示を出して、自分が取れる範囲をもっと限定させて、 ディグからもっとトランジッション(切り返し)で攻撃していきたかったんですけど、そこで相手がうまくライン際に打ってきたりとかしたので、それをなんとかもう自分が拾っていこうとしていました。レセプションはみんな非常に落ち着いていて、ミスしたとしても次に切り替えて、強いボールだったら真ん中に残してそこからサイドに展開するとか、ミドル使えそうだったらそこからミドルを使ってもう1回リバウンド取って切り返すとか、そういう風に無理のない攻撃を自分からも声かけて、
「ブロックフォローに入るから、もう1回やるから」という声かけをしたりしていました。でも本当にスパイカーたちがすごく頑張ってうまくサイドアウト切ったりとか、2、3セット目の厳しい展開のところでブロックアウト取ったりとか、本当にそこはリベロとしてもすごく助けられましたね。

ーシーズン全体をふりかえると、今シーズンはどんなシーズンだったでしょうか。

高橋:最初、本当にプルスリーガに行けるクラブなんじゃないかなって自信はあったんですけど、最初に監督をしていたピオトル・グルシュカも元々名選手(元ポーランド代表、2006年世界選手権銀メダリスト)で、そこで本当ににいくいけるかなと思ったんですけど、最初にちょっとつまづいちゃって格下の相手にもセットを落しちゃったりとかしてしまっていました。でもそこからあの監督が変わって、もう選手たちもやるしかないと思って自主的になって、そこからだんだん連勝していって、レギュラーシーズン2位で通過してから今こういう風にプルスリーガ昇格できたので、もうこれほど最高なシーズンはないなと思っています。

ー最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

高橋:本当に地元のチェンストホヴァで働いている日本人の方とかも見に来たりしてくれて、本当に嬉しい限りでした。なかなか自分は注目されない立場ではあるんですけど、こうやって1人の日本人として、2部ですけどこのレベルの高いポーランドのリーグで、こうした結果を残してプルスリーガに昇格できるっていうことは、本当に誇りに思っていいことだと思っています。それを肝に命じて、また来シーズンヨーロッパで頑張っていきたいなと思います。

筆者のつぶやき

高橋頌選手、本当におめでとう!!!

今シーズンはイタリアの石川・髙橋(こちらは「はじごだか」)両選手、並びにポーランド1部の宮浦選手への取材を中心に現場を回っていたので、チェンストホヴァの試合を現地観戦できた試合は少なかったですが、宮浦選手と並ぶもう一人のポーランドリーガーとしてずっと応援していました。

3年前に彼がポーランドで当時2部だったルブリンに所属していたときにも会って話したことがあり、本当にその直後、昇格間近というところでのコロナによるリーグ中止となってしまったので今年こそは無念を晴らしてほしいと僕も願っていました(実際ルブリンはその翌年に昇格し、現在もプルスリーガに在籍)。

チェンストホヴァの中では唯一のアジア人でひときわ目立つ存在で、ファンからもとても愛されて試合後には多くのファンから写真などファンサービスをせがまれていましたし、よく試合の広告等としてよくチームのSNSに髙橋選手の写真が使われていました。

また実力的にもリーグ屈指のリベロとして君臨し、サーブレシーブ成功率はリーグ2位、リベロながら試合のMVPにも2度選ばれました。

しかしチームが昇格したとは言え、選手がそのままチームに残れるかどうかがわからないのが実力世界のポーランドリーグ。高橋選手は来季の動向についてはまだ明言してくれませんでしたが、今シーズンのチームへの貢献度を考えると個人的には来季もチェンストホヴァでプレーできるのではないかと思います。

そうなれば、古賀太一郎、柳田、関田、宮浦に続く5人目の日本人プルスリーガ―の誕生となり、かつ日本代表経験者でも、ましてや日本のトップリーグの出場経験もない選手として初めてのヨーロッパトップリーグ選手の誕生となります。

いや、これは本当に夢がありますね!!!

来季の活躍も本当に楽しみです!!!

写真:PZPL、筆者撮影

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