試合レポート

イタリアリーグ男子バレー前半第3節 石川ミラノは惜敗、西田VVはストレート負け

2021年11月1日

イタリアリーグ男子バレー、セリエAスーパーリーグは前半第3節が終了。石川祐希が所属するミラノはアウェーでピアチェンツァと対戦し、フルセットの末惜しくも敗れました。また西田有志が所属するヴィボ・ヴァレンツィアはこちらもアウェーでモデナと対戦しストレート負けを喫しました。

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ミラノ vs ピアチェンツァ 2-3(25-16, 21-25, 24-26, 25-20, 6-15)

今回のミラノの対戦相手であったピアチェンツァは、前回王者のチヴィタノーヴァを下すなどして開幕2連勝中と波に乗っているチーム。対するミラノは苦しい展開が予想されましたが、第1セット開始早々にセッターのポッロのサーブから9連続ブレイクで一気にピアチェンツァを突き放して第1セットを危なげなくものにします。しかし、第2セットから立て直したピアチェンツァが、エースのラグムジア(トルコ)を中心に得点を重ねられて2,3セットを連取されてしまいます。対するミラノもパトリィ(フランス)と石川にボールを集めますが、なかなか得点に繋がりません。第4セットこそ相手のミスに助けられて序盤からリードを広げて取り返し、なんとかデュースに持ち込みます。しかし第5セットは、途中から入っていた相手OHアントノフのサーブとMBホルト(アメリカ)のブロックに捕まり序盤から一気に抜け出され、そのままの勢いでピアチェンツァが奪取。ミラノにとっては悔しいフルセット負けとなりました。

石川のアタックがブロックに阻まれる

この日の石川は、サーブレシーブなど守備面こそいつもどおり安定していましたが、アタックは絶不調。アタック決定率22%とかなり低めな上に、被ブロックが7点とスパイクミスが2点。この日のアタック得点は8点だったので、効果率ではマイナスです。ここまで攻撃面に精彩を欠いた石川祐希は初めて見たかもしれません。石川個人としても問題がありましたが、チームとしてはここまで不調の選手でも出さざるを得なかったベンチの層の薄さについても指摘しておかなければならないでしょう。昨シーズンでは石川の他にもウルナルト(スロベニア)やマー(カナダ)といった頼りになるアウトサイドヒッターが複数いましたが、今シーズンの控えのアウトサイドは2人ともセリエA1年目の選手で実力・経験共に足りない部分が多いようです。今シーズンのミラノはこのアウトサイドヒッターの選手層の薄さが今後とも課題になってきそうですね。

とりあえず、次の試合はヴィボとの日本人対決ですので、石川には早く調子を戻してほしいと思います。

ヴィボ・ヴァレンツィア vs モデナ 0-3(22-25, 24-26, 20-25)

ヴィボ・ヴァレンツィアは、前節に続いて「ビッグ4」の一角であるモデナと対戦。モデナは今年からヌガペト(フランス)やブルーノ(ブラジル)、リベロのロッシーニがチームに復帰し、更にレアル(ブラジル)やニミル(オランダ)など破壊力のあるアタッカーを補強して盤石な布陣。しかし、初戦では格下と思われていたモンツァにストレート負けを喫していました。その点ヴィボ・ヴァレンツィアにも勝てる可能性はありました。ブラジル人3人もいるのでブルーノのトスにも慣れているはず(しかし合わせてコートに5人のブラジル人)。

しかし、やっぱりモデナは強かったです。序盤からヴィボはサーブレシーブの苦手な相手OHレアルを狙って崩しにかかりますが、ヌガペトとロッシーニにカバーされてなかなかレアルの受数をあげられません。それでもヴィボはダグラスとマウリシオの両ブラジル人アウトサイドが絶好調。またこの日初スタメンの若手MBガルギウロも決定力の高いクイックで得点を重ねます。しかし、この日は西田がブロックに捕まります。3セットだけで被ブロック7本、得点10得点のアタック決定率38%に抑えられてしまいました。そうとう研究されてきているのでしょう。研究される中でも早い対応力を見せるのが西田の持ち味でもありましたが、今回は時間が足りなかったようです。この試合はあと1点ほしい時にブロックされてしまうケースが多かった印象です。攻め急いでしまった部分もあったのでしょうか。次に向けて修正が必要ですね。

部分的に金髪になっていた西田のブロック

それでも最大の武器であるサーブはやはり機能していて、この日もしっかり2本のサービスエースを決めてくれました。現在なんとサービスエース本数、セット当たりのエース数ともにカジ―スキと並んで1位タイ。ジェイテクト優勝コンビで並んでいるのがまたなんとも嬉しいですね。次のミラノとの日本人対決でも石川相手にエースが出るでしょうか!?大注目です!!

その他、注目の試合結果

早くも「ビッグ4」同士がぶつかったトレント対チヴィタノーヴァの試合は3-1でトレントに軍配。今シーズン古巣復帰した37歳キャプテンのカジ―スキと、今や若手ナンバーワンOHのミケレットを中心に得点し、チーム全体で巧さを見せたトレントが、パワーのチヴィタノーヴァをねじ伏せました。チヴィタノーヴァは試合直前に大黒柱ユアントレーナがケガで試合に出れなくなるなどアクシデントがありましたが、それでも爆発力があり、最後までわからない試合展開を見せてくれました(スパイカーの中南米色が強すぎる笑)。トレントは先週のスーパーコッパも含めて未だ今シーズン無敗で、この記録をどこまで伸ばせるかに期待がかかっています。久しぶりの欧州チャンピオンズリーグ優勝もすでに見えてきていますね。一方のディフェンディングチャンピオンのチヴィタノーヴァはスーパーコッパを含めてまさかの公式戦3連敗。早急な対応を迫られています。

37歳の生きる伝説カジ―スキ

また日本の髙橋藍が12月に移籍するのではないかと噂のパドヴァは、ドイツ人オポジット、ウェーバーの活躍によりフルセットでラヴェンナに勝利しています。

第3節全試合結果

トレントvsチヴィタノーヴァ 3-1
モンツァvsタラント 3-0
ピアチェンツァvsミラノ 3-2
モデナvsヴィボ・ヴァレンツィア 3-0
ヴェローナvsチステルナ 1-3
パドヴァvsラヴェンナ 3-2

順位

9 3-0 9/2 トレント
7 3-0 9/5 ピアチェンツァ
7 2-1 8/4 モンツァ
6 2-0 6/1 ペルージャ
5 2-1 6/6 パドヴァ
4 1-2 6/6 チヴィタノーヴァ
3 1-1 4/3 モデナ
3 1-1 5/5 ミラノ(石川祐希)
3 1-1 6/6 タラント
3 1-2 4/7 ヴィボ・ヴァレンツィア (西田有志)
3 1-2 4/7 チステルナ
1 0-3 3/9 ラヴェンナ
0 0-3 2/9 ヴェローナ

第4節の予定

現地時間

11月3日(水) 20:30
チヴィタノーヴァvsヴェローナ
トレントvsパドヴァ
ヴィボ・ヴァレンツィアvsミラノ
モデナvsピアチェンツァ
ラヴェンナvsモンツァ
タラントvsペルージャ

※10月31日から欧州が冬時間に変わったので、日本との時差は8時間になります。

ヴィボ・ヴァレンツィア対ミラノの日本人対決は本当に楽しみ!試合は日本時間の4日㈭4:30からです!!

 

写真:Lega Pallavolo Serie A

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