イタリア男子バレーボールリーグセリエA後半第3節、髙橋藍所属の11位パドヴァは現地時間1月8日(日)にホームで同6位のチステルナと対戦し、3-2(17-25, 19-25, 25-21, 25-20, 15-12)で勝利しました。
試合終了後、パドヴァの髙橋藍選手にコメントをいただきました。
ー今日の試合を振り返っていかがですか?
髙橋:1セット目からしっかりと自分のプレーが出せたかと言うと出せなかったことが多かったです。キルブロックだったり。チームを乗せるために自分がそこはもう少しこだわっていかないといけないのかなというのは今日はっきりしました。でもその中でしっかりそこを気持ち的にも修正して、3セット目からまたしっかり自分のプレーを出していけたというのは次につながるいいものになりましたし、これも自分の中で成長している部分なのかなというのはすごく感じました。
ー3セット目以降は髙橋選手だけでなくチーム全体としてガラッと変わったと思うのですが、何がチームをそうさせたのでしょうか。
髙橋:チーム全体に「このままでは…」というのはやっぱりあったと思います。相手にどこのチームがきてもそうなんですけど、やっぱりチステルナが相手というところで前半戦負けているという思いが強かったです。そこをこのホームで戦う中で、今日戦ってみて余計に自分たちが戦える力があるというのはわかったので、やっぱり取るべき点数であったり、こういう雰囲気の保ち方というのはすごくチーム全体で気づけたことでもありました。今日のチステルナ相手というところの気持ちがあったからこそ、自分たちは勝たないといけないという気持ちが3セット目以降にしっかり出てきたんじゃないかなというのはありますね。
―今日はいつもよりライン(ストレート)方向にスパイクがよく決まっている印象を受けました。そのコースはやはり意識されていたのでしょうか。
髙橋:チステルナが自分のデータを意識してクロスのところを(ブロックで)締めてくるというのはもちろん見えていたので、やっぱりそこを逆をついていくというところで、自分自身でラインを多くして、それでラインを締め始めたときに最後クロスが増えたというところも、相手からしたらすごく嫌というかやっぱりデータどおりにいかなったというのは、こちらの勝利にもつながっていたと思います。なので意識的に今日は、クロスを締めてくるとわかっていたからこそ、ラインを多くしていきましたね。
ーこの試合では同じアウトサイドヒッターのアスパルホフ(ブルガリア)選手が途中出場で素晴らしいパフォーマンスを見せてMVPを受賞しました。ここまでベンチにいることの多かった彼が今日このように活躍できた要因はなんだと思いますか。
髙橋: 彼自身がポテンシャルや能力ですごく高いものを持っているのは自分自身はわかっていました。このリーグの初戦のモデナ戦であったりルーベ戦もアスパがチームを鼓舞したというところもあっての勝利でした。それを自分自身はわかっていたからこそ今日のこのアスパのプレーには正直びっくりはしていないですし、アスパ自身もできるという気持ちを持って途中から出て自分の能力が出せたというのは、アスパ自身もすごく自信につながったと思いますし、チームとしてもすごくいい勢いがついたんじゃないかなと思います。アスパ自身の能力であったり、アスパの力というところは自分たちがもっと認識したり、その強みをもっと出させてあげないといけないのかなというのは今日の試合でわかったことじゃないのかなと思います。
ー今日、日本では春高バレーの決勝戦が行われて、男子の決勝戦は正にこの試合と同じように0-2からの逆転勝利で駿台学園の優勝でした。
髙橋: いや〜春高もすごかったですね。(母校である)東山を見てましたけど、やっぱり最後の1点というか、本当に最後の集中力であったりそこの点数を取り切れるという強さというのはすごく大事なんだなというのがありました。今日も最後にガルディーニがサービスエースを決めて、こちらとして最後を取れた部分があったので勝利につながりましたけど、最後の最後で力を出せると言うか点数を取れる力というのは本当にどのカテゴリーでも高校生でも本当に変わらないことなんだなと思いました。
ー2023年最初の試合を見事に勝利で飾ることができましたが、ここから2023年はどういった年にしていきたいですか。
髙橋: 先の目標はもちろんあるんですけど、まずは自分自身がしっかりと日本代表に選ばれるというところで、この(クラブでの)期間にプレーや能力であったりメンタルの部分などすべてにおいて成長しないといけないので、まずはこの初回、2023年の一発目を勝てたというは自分にとってもすごく勢いがつけられましたし、少しずつ成長しているところを自分自身もしっかり自信にしていきたいです。もちろん壁もあると思うんですけど、壁に当たったときに楽しんで壁を乗り越えて更に強くなれるという年にしたいなというのはもちろんあるので、やっぱり上手くいったときはいいですけど、上手くいかなくなったときにそこを乗り越えた先の成長がすごいと思っています。それなしでは自分自身も面白くないというか、上手くいかないときの方が自分自身は楽しんでやりたいなと思っています。この2023年は本当に自分自身も代表で活躍できる、チームの軸になれる選手になるために、このイタリアで経験というか、このイタリアのパドヴァでしっかりと試合に勝って、最後のファイナルを目標にやっていきたいと思っていますけど、ひとつひとつの自分自身の成長というところも見失わずにやっていきたいなと思っています。
写真:筆者撮影