現地時間2月23日(日)、イタリアスーパーレガ後半10節が行われ、石川祐希所属のペルージャはモンツァと対戦。3-1(25-13, 25-16, 25-22)で勝利した。
この試合、石川祐希はスタメン出場。リーグ首位と最下位のチームの対戦は意外にも激しい試合となった。
第1セット、OHロアースのブロックやOPシュワーツのサーブからの連続得点でモンツァが4-9と序盤から大きくリード。しかしOHプロトニツキの2本のエースやOH石川のスパイクで4連続ブレイクに成功したペルージャが13-13と一気に追いつく。さらにMBソレのブロックで17-15とペルージャが逆転。そこからモンツァもOHロアースのエースで18-18と追いつくも、MBロセルのブロックやOH石川のパイプ攻撃で23-20とペルージャが突き放す。その後ペルージャが24-22とセットポイントを握ったのちにOH石川が2本連続のアタックミスをしてしまい24-24とデュースになる。しかし最後はリリーサーバーSゾッペラーリのレシーブからOHプロトニツキがスパイクを決め切って28-26でこのセットをペルージャが取る。
第2セット、序盤からお互いにエースやブロックでブレイクを奪い合う競った展開となる。中盤にペルージャがOHプロトニツキのサービスエースなどで15-12と抜け出し、そこからOH石川のスパイクなどで得点を重ねて20-15とリードを広げる。しかしOPシュワーツのブロックなどでモンツァが3連続ブレイクして20-19と迫ると、さらにMBベレッタのブロックやOHロアースのエースで22-23と逆転する。そのまま最後はOHマルティッラがこのセット6点目のスパイクを決めて23-25でこのセットをモンツァが取る。
第3セット、OH石川のサービエースとモンツァのミスで6-3とペルージャがリードする。モンツァはOPシュワーツのなどで8-8と追いつくと、MBベレッタのブロックで9-10と逆転。しかしOPベンタラの3本のエースとMBソレの2本のブロックなどでペルージャが7連続ブレイクを決めて17-11と大きく点差を広げる。その後もOPベンタラのスパイクやOH石川のブロックで得点を重ねて24-16とすると、最後はモンツァのサーブミスで25-17としてペルージャがこのセットを取る。
第4セット、OH石川の連続エースなどで5-1とペルージャが序盤からリードを広げる。その後もSジャネッリのブロックやエースなどで10-3と点差を広げる。モンツァはOHロアースのスパイクなどで12−8とやや点差を縮めるも、OH石川のこのセット3本目のエースやMBロセルのブロックで21-14と点差をまた大きく広げる。その後もOHプロトニツキのエースやOH石川のブロックで24-15とペルージャがマッチポイントを握る。最後はMBソレのクイックが決まり25-16でペルージャがこのセットを取り切り、3-1でモンツァに勝利した。
石川祐希はチーム最多20得点でMVPを獲得。アタック14点(効果率44%)、エース4点、ブロック2点、サーブレシーブ成功率55%(失点1)とほぼ全てのプレーにおいて高いパフォーマンスを発揮した文句なしのMVPだった。

この日も対角組み、エース6本とサーブで圧倒的な存在感を見せたOHプロトニツキの復帰でスタメン争いに緊張感が戻り、彼のいい刺激になっているのではないかと想像できる。
しかし試合全体で見て絶好調だったからこそ、1セット目のセットポイントで2本連続スパイクミスをしてしまった場面はヒヤッとした。その場はOHセメニウクに代えられて、その後チームが28-26でセットを掴んだが、あわやセットを奪われかねない状況だった。
ただ2セット目以降はまたスタメンに復帰し、そこからのアタック失点はわずか1本にとどまったので見事なカムバックだった。調子が落ちかけても試合中に戻って来られるは一流選手の指標のひとつではないかと思う。
またこの試合はペルージャのMBソレがスパイク5本、ブロック5本の計10得点で活躍した。スタメン出場の多いMBルッソがこの試合はベンチアウトだったため久々のスタメン出場となったが、東京五輪銅メダリストの実力はまだまだ健在である。ちなみにMBロセルとの対角はそのまま同時のアルゼンチン代表だ。ペルージャはミドルの層も厚い。

ペルージャはサービスエース14本、ブロック13本のサーブ&ブロックで、特に3セット目以降モンツァを圧倒した。
しかしモンツァも2セット目は最大5点差をひっくり返して奪取するなど首位チーム相手に素晴らしいバレーボールを見せた。特に石川と同じ20得点をあげたOHロアースは獅子奮迅の活躍だった。ペルージャ相手にここまでの戦いをするとは予想外だった。
ただそうしたエンジンを奮い立たせられた理由は理解できる。降格がかかっているからだ。
昨シーズンは髙橋藍らの活躍で大躍進を遂げて準優勝でリーグを終えたモンツァだったが、その時の主力がごそっと抜けた今シーズンはなかなか勝ち星を積み上げることができず現在リーグ最下位の12位。
11位のターラントとは1ポイント差なので今週末のレギュラーラウンド最終節の結果次第でどちらが残留し、どちらが降格となるかが決まる瀬戸際の状態だ。昨季の大躍進からの今季の大低迷。全ては今週末の試合にかかっている。

一方のペルージャはトレントと共にレギュラーシーズンを2位以上で終えることが確定し、今週末の試合の結果でレギュラーシーズンの最終順位とプレーオフの対戦相手(モデナがチステルナ)が決まる。
プレーオフはレギュラーシーズン順位の高いチームから先にホームゲームを行うので、1位通過であれば決勝戦までホームでより多くの試合ができる。ペルージャとしては最終節も手を抜かずに1位通過を獲りに行くだろう。
詳しいスタッツはこちら↓
https://www.legavolley.it/match/38326
Photo: legavolley.it, Sir Safety Perugia