先日行われたパリ五輪では、優勝候補の一角に数えられながらも準々決勝で惜敗しメダル獲得を逃した男子日本代表。
この悔しさを糧に、次回2028年ロサンゼルス五輪でのメダル獲得を願ってやみませんが、4年後のオリンピックでのメダル獲得に向けて個人的に課題となりそうと思うところをまとめました。
①脱・石川依存
パリ五輪では予選ラウンドでの石川選手の不調が結果に大きく影響してしまいました。
東京五輪以降、男子日本代表の得点源は石川祐希・髙橋藍・西田有志の3人だったのは間違いないでしょう。ただ2023年は西田選手の代わりに宮浦選手がスタメン出場してネーションズリーグ3位、そして今年は髙橋藍選手の代わりに大塚選手がスタメン出場して銀メダルと、石川選手を除く2選手については彼らが不在でもチームとして結果を残しました。
ただ石川選手だけはこれまで常にコートに立ち続けていて、名実ともにチームの中心であり続けていました。去年あたりから後衛で大塚選手や富田選手に代わることが増えたとはいえ、まだまだチームの中での石川選手の存在感は絶大でした。しかしそれゆえに普段滅多に見ない彼の不調をチームとして上手くマネジメントすることが難しかったのではないかと思います。
パリ五輪で優勝したフランスチームの中心選手はMVPも受賞したエンガペ(ヌガペト)選手でした。フランスはその直前に行われたネーションズリーグでも優勝していましたが、エンガペ選手が怪我明けでスタメンから外れる中での優勝でした。東京五輪金メダルを含めそれまでのフランスチームのメダル獲得時には常にエンガペ選手がコートに立っていたわけですが、今年のネーションズリーグで彼抜きで初めてメダルを獲得したことによってチームとして更なるレベルアップが図られ、その結果パリ五輪本番での金メダル獲得に繋がったと個人的には思っています。
それと同じように、これまで男子日本代表に欠かせない存在だった石川選手がスタメンから外れた状態で世界大会でメダルを獲得できたりすれば、その状態のチームに石川選手が加われば日本代表はもっと強くなるのではないでしょうか。
そこで試合に出るのが大塚選手なのか、甲斐選手なのか、富田選手なのか、はたまたまだ見ぬ超新星かはわかりませんが、来年のネーションズリーグは思い切って石川選手を全休させるのもありだなと思います。個人的には髙橋藍・甲斐のアウトサイドヒッター対角の試合を見てみたいですね。
②次世代ミドルブロッカーの台頭
パリ五輪メンバーだったミドルブロッカーの3人のうち、髙橋健太郎選手が代表引退を明言、山内選手も引退を示唆するような発言をされていたので次世代ミドルブロッカーの台頭・成長は必須です。
順当に行けばパリにも練習メンバーとして同行していたラリー選手や代表Bチームで活躍した麻野選手などが繰り上がってくるでしょう。
ただし前回のパリ五輪データ分析記事内でも述べたように、ミドルブロッカーであってもスパイクとブロックだけでなくサーブで直接得点を取れる選手が現代バレーでは求められています。
そして残念ながらそのような日本人ミドルブロッカーはまだ現れていません(大竹選手(東京GB)が一番可能性が近い?)。
そういう意味では甲斐選手が高校生ぶりにミドルブロッカーに戻ったら最強でしょうけどその可能性は低そうですね。甲斐選手はオポジットでもいけるし本当にあと2人くらい欲しい(笑)。
③2人目のセッター
日本代表の正セッターである関田選手はおそらくロスまで大丈夫だと思います。
問題は2人目のセッターです。パリ五輪では深津選手が務めましたがロス五輪は厳しいでしょう。また関田選手もその後の2032年のブリスベン五輪までは流石に厳しいと思うので、このロサンゼルス五輪までの4年間でポスト関田がしっかり育てておかなければいけません。
理想を言えば、イタリアのジャンネッリやフランスのブリザールのように2メートルくらいあってトスも上手くてサーブ・ブロック・スパイクでガンガン得点できるのがよいですが(笑)、残念ながらそんな日本人セッターがこの4年で現れる可能性はほぼないでしょう。
それでも最低身長185センチくらいあって、正確なトスが上げれて、ミドルブロッカーに求めるのと同様にジャンプサーブでガンガンエースが取れる選手が望ましいですね。185センチくらいでサーブが強いセッターというとイタリアのポッロ選手やドイツのティレ選手がいるので、日本にもそんな選手が現れてほしい(もちろんこの2人はサーブだけじゃなくセットも抜群に上手いです)。
今その可能性として思い浮かぶのは山本選手かな。
あと高校生で185センチ以上あって器用なタイプの選手は基本的にはアウトサイドヒッターやっている場合が多いとは思いますが、そうした中からひとりでも多くセッターで日本代表に入りたいという選手が増えてくれたらなと願っています。
175cmの関田選手は当然素晴らしいセッターですが、バレーボールは身長がある方が有利なのは間違いないです。
リアル影山、リアル及川の出現を心待ちにしています。
④ネーションズリーグか世界選手権で金メダルを獲る
オリンピックでメダルを獲るチームはほとんどどこかのタイミングで主要世界大会もしくは欧州選手権で優勝しています。パリ五輪で金メダルを獲得したフランスは今年のネーションズリーグを優勝しましたし、銀メダルだったポーランドは2023年のネーションズリーグと欧州選手権のタイトルを獲得していました。
2028年のロサンゼルス五輪の前までには、ネーションズリーグが4回と世界選手権が2回開催されるので、合計で6回の世界一のチャンスがあります。
今年のネーションズリーグで準優勝を果たした日本にとってはもうこれらの大会で優勝することは夢物語ではなく現実的に達成しうる目標です。この6回のうち一度でも金メダルを獲得することができれば、ロサンゼルス五輪でのメダル獲得の可能性も一気に高まること間違いなしです。
ロスに向けた代表活動が始まるのは来年春なのでまだまだ先ですが、本当にいろいろ想像してもう今からワクワクしてしまっています。
次の4年間も楽しみすぎますね!!!
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8月31日(土)午後5時 女子#3
9月 7日(土)午後5時 男子#4
9月14日(土)午後5時 女子#4
(TBSテレビリリースより引用)
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写真:Volleyball World