インタビュー

林謙人コーチ「今のメンバーでもっと時間を過ごしたかったなと思えるチームで1年間やれたことがすごく光栄だったし楽しかった」バレーボール女子イタリアリーグ準々決勝第3戦試合後インタビュー

2024年4月5日

イタリア女子バレーボールリーグのプレーオフ準々決勝第3戦、林謙人コーチ所属のキエリは現地時間4月3日(水)にノヴァラと対戦し、1-3(25-22, 21-25, 22-25, 23-25 )で敗れた。

これでキエリは準々決勝通算1勝2敗とし準々決勝敗退となり、最終順位5位で今シーズンを終えた。

試合レポート

コーチケント試合後インタビュー

トシキ:お疲れさまでした。まず試合のふりかえりをお願いします。

ケント:そうですね……。

3セット目を取り切れなかったところが1番大きな敗因かなって思っています。1セット目はグロベルナ選手がめちゃめちゃ決まっていたので、そこが大きかったのと、元々戦術として持っていた背番号1番スザクマリー選手を(サーブで)狙うっていうところがとても功を奏しました。1セット目はそことアタック効果率が両立できたのかなと思います。

ただ2セット目以降がカウンターアタックの効果率が落ちてきて、特にグロベルナ選手のアタック効果率が落ちてきたところと、アウトサイドのキングドン選手のアタック効果率が上がらなかったというところが、すごく結果につながってるところかなと思います。

そこに対して、途中からオモルイ選手を入れたりセッターを変えてみたりして、なんとか粘って追いつくところまでは行ったんですけど、もう1つ及ばずというところでした。相手のボゼッティ選手とマルコヴァ選手がやはり高いアタック効果率を残してきました。特に自分としては、ボゼッティ選手がレセプションでも
アタックでもディフェンスでも、こう大車輪の活躍を見せてたなっていうところがポイントだったので、彼女がバランスをもたらしてマルコヴァ選手がフィニッシャーになっていたなというところが大きかった思います。

トシキ:残念ながら今日試合で今シーズン終わってしまったんですけど、今の気持ちはどうですか。

ケント:そうですね。まだなんか全然頭の中が整理できてないですけど、なんて言うかな…。こんな気持ちでこうシーズン終わることって、なかなかあるようでない。こんな気持ちというのがもっとこのチームで いかったなというか、今のメンバーでもっと長い時間、できるだけ長い時間を過ごしたかったなと思えるチームってなかなかないと思うので、そういうチームで1年間やれたことがすごく光栄だったし、楽しかったなっていう印象ですね。

トシキ:今シーズンが初めてのイタリアリーグの挑戦だったと思いますが、今シーズンでいちばん得られたものっていうのはなんだと思いますか。

ケント:そうですね。それを僕もずっと考えてたんですけど…。今の時点でまだはっきりと見つかってはいない、見つかってないというか、あるんですけどうまく言葉にできる状態じゃないので、本当に見つけたらもう1度伝えたいなと思ってるんですけど…。

この仕事に臨む前に思っていたのが、まず日本人としてどうチームに貢献するかということでした。ただのコーチという立場だったら、監督やそのチームのスタッフは多分イタリア人を雇うはずなんですよ。その方がコミュニケーションが円滑ですし。しかしなぜ自分がこういう形で招へいされてここにいるのかというのを自問自答しながら毎日戦っていました。

まずひとつ思ったのは、日本人でも戦えるし、そこに誇りを持って臨まないといけないなと思ってずっと毎日過ごしていました。なのでもちろん悔しいこともあったり、なかなかうまくいかないことはありましたが、この場所に慣れたっていうことがまずひとつあったのと、「日本人も世界で戦えるじゃん」というのを再確認したのが、まずひとつつ 大きく自分の中であるところですかね。

「海外!!」ってなるんじゃなくて、世界の中の日本だし、日本も世界で戦えるしっていうのを実感しながら戦ったシーズンでした。

トシキ:最後にこのシーズン応援してくれた日本の皆さんにひとことお願いします。

ケント:本当にイタリアに来る前からずっと支えてくださった方々がたくさんいて、 本当に皆さんの応援が励みになってましたし、毎日応援メッセージが届くのでとても嬉しかったです。これからも僕の戦いは続くので、今後ともよろしくお願いします。イタリア編は一旦終わりということで、ありがとうございました。

Photo: 筆者撮影

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