試合レポート

髙橋藍所属モンツァ、欧州チャレンジカップは準優勝で大会を終える、髙橋は途中出場で12得点

欧州バレーボール連盟(CEV)チャレンジカップ決勝2レグ、髙橋藍所属のモンツァは現地時間2月27日(火)にワルシャワ(ポーランド)と対戦し、1-3(25-27, 16-25, 25-17, 22-25)で敗れた。

髙橋藍は途中出場で12得点の活躍。またこの結果モンツァは準優勝で大会を終えた。

第1セットスタメン

モンツァ

OH:レプキー(カナダ)、マー(カナダ)
MB:ガラッシ(イタリア)、ディマルティーノ(イタリア)
OP:ムヤノヴィッチ(スロベニア)
S:ヴィシッチ(クロアチア)
L:ガッギーニ(イタリア)

ワルシャワ

OH:ティリ(フランス)、シャルプク(ポーランド)
MB:ヴロナ(ポーランド)、セメニウク(ウクライナ)
OP:ボウォンジュ(ワルシャワ)
S:フィルレイ(ポーランド)
L:ヴォイタシェク(ポーランド)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

試合レポート

第1セット、序盤はOHマーのブロックなどで5-3とモンツァがリードする。更にOHマーやMBガラッシのサービスエースで11-7とリードを広げる。しかしOHティリのスパイクやMBセメニウクのブロックで12-12とワルシャワが同点に追いつくと、更にOPボウォンジュのスパイクやブロックで17-19と逆転する。そこからOHマーのスパイクでモンツァが20-20と同点に追いつき、そのままサイドアウトの取り合いでデュースに突入。最後はOHティリがOHマーのパイプ攻撃をブロックし、25-27としてこのセットをワルシャワが取る。

第2セット、序盤からMBセメニウクやOHシャルプクのスパイクやブロックで一気に7連続ブレイクを決めたワルシャワが2-9と大きくリードする。モンツァはOPムヤノヴィッチ(スロベニア)とOH髙橋を投入。その2人のスパイクなどでモンツァがサイドアウトを取るが、なかやかブレイクが取れず10-17と点差が縮まらないまま試合が進む。そこからMBセメニウクのサービスエースやOPボウォンジュのブロックで12-22と逆にワルシャワが更に点差を広げる。そのまま最後はOH高橋のサーブがミスになり、16-25でこのセットもワルシャワが取る。

※ワルシャワが3-1で1レグに勝利していたため、この時点でワルシャワの優勝が決定。

第3セット、ここから両チームとのスターティングメンバーほとんど入れ替えて試合に臨んだ。序盤はOHレプキーのサービスエースやOPムヤノヴィッチのスパイクなどで9-4とリードを広げる。そこからワルシャワがOPヴェーバー(ドイツ)のスパイクなどで10-9と1点差まで迫るが、OH髙橋のスパイクやOPヴェーバーのミスなどで17-11とモンツァが点差を広げる。更に終盤にもOPムヤノヴィッチのスパイクなどでモンツァがブレイクを決めて24-16とセットポイントを握ると、最後はSヴィシッチ(クロアチア)のツーアタックで25-17としてこのセットをモンツァが取る。

第4セット、序盤はOH髙橋のスパイクなどで7-3とモンツァがリードする。しかし中盤にOPヴェーバーのスパイクなどでワルシャワが連続得点をあげて14-17と逆転に成功。そこからワルシャワのミスなどで19-19と一度モンツァが同点に追いつくが、最後はOHボルコフスキのスパイクでブレイクを決めて22-25でこのセットをワルシャワが取る。

この結果1-3でモンツァはワルシャワに敗れた。

OH髙橋藍 12得点(うちブロック1) アタック効果率14.81% サーブレシーブ成功率92%

CEVチャレンジカップ男子最終結果

優勝: ワルシャワ(ポーランド、初優勝)
準優勝: モンツァ(イタリア)
3位: フェネルバフチェ(トルコ)、アカー(フィンランド)

大会MVP: MBユーリ・セメニウク(ウクライナ)

CEV チャレンジカップ男子:http://www.cev.eu/match-centres/2024-european-cups/cev-volleyball-challenge-cup-2024-men/

次回のモンツァのイタリアリーグの試合は日本時間3月3日(日)26時00分からチステルナと対戦する。

イタリアリーグHP: https://www.legavolley.it/
配信(VBTV、有料): https://www.volleyballworld.tv/home

トシキのコメント

この試合は現地にいました。

いろいろと悔しい試合でした。

まず1レグをワルシャワが3-1で勝っていたのでワルシャワが2セット取れば優勝が決まってしまう状況。

試合の勝敗が決まる前にそうなってしまうと残りのセットはいわば意味のない練習試合状態となってしまいます。

そんな試合は見たくはないのでなんとしてでもモンツァにフルセットに行かずに勝ってもらって、ゴールデンセットに持ち込んでほしいと思っていました。

1セット目の序盤のモンツァはとても好調で、特に1レグで珍しくコンビミスを連発していたカショパのセットが冴えてモンツァのアタッカー陣が次々と得点を決めていました。

しかし中盤以降ワルシャワも盛り返して試合はデュースへ。

結果的にワルシャワに取られてしまいましたが、まだここから3セット連続で取り返すくらいのエネルギーはあったと思います。

しかし2セット目は序盤から連続ブレイクを許して気づけば逆転が絶望的な状態に。高橋もコートインして高いパフォーマンスを見せてくれましたが、時すでに遅しといった状況でした。

そして大差で2セット目を失い、ワルシャワの優勝。

うーん、一番起きてほしくない展開となってしまいました。

モンツァはシュワーツの決定力が1セット目終盤から急に落ちてしまったのが痛かったですね。

高橋の状態がよかったので、シュワーツと交代させて3OHで行くオプションがあればまたちょっと結果が変わっていたのかなと思ったりしました。

いやしかしワルシャワはディフェンスが非常に堅かった。2セット目序盤の連続ブレイクはMVPを取ったセメニウクのブロックによる功績が非常に大きかったですし、サーブレシーブもなかなか崩れてくれませんでした。

ミラノ対ザビエルチェ(ポーランド)との試合でも感じましたが、イタリアリーグにはスタメンのアウトサイドヒッター2人がともにサーブレシーブがよいというチームがいません。

したがってモンツァも普段とは異なるサーブの攻め方が求められていたと思いますが、2試合通してもその攻略法を見つけられませんでした。

優勝チームが決まった3セット目以降は予想通りメンバー総入れ替えで練習試合状態に。

髙橋のプレーを見られたのはよかったですが、やはり意味のない試合なので個人的には「早く終わってくれ、絶対にフルセットはやめて」と思いながら見ていました(笑)。

試合後にワルシャワのティリも「試合にちゃんと勝って優勝を決めたいのに途中で決まるのは変な気分、今のルールは変えるべき」と言っていて、見る側としても全く同意です。

リーグ戦はフルセットとそうじゃない試合にポイントで差をつけてもいいと思いますが、ホームアウェイの2試合で決める試合は勝敗にポイント差をつける必要はないと思います。

ということで惜しくも髙橋擁するモンツァは優勝を逃し、髙橋個人としてもクラブでの初めてのタイトルを逃してしまいました。

しかしまだリーグ戦が続きますしプレーオフは本当に何が起こるかわからないので、リーグ戦での表彰台に期待しましょう!!!

ちなみに僕はこの試合会場で大きめのリュックを盗難されてしまいました…。

記者席の机に置いていたのですが、気づいたときには空の別のリュックと擦り替えられていました。おそらく別の記者かカメラマンの犯行と思われます。

関係者やパスを持っている人じゃないと入れないところで起きた窃盗事件で大きなショックを受けました。

最近は特に犯罪件数が増えているようで、友人も被害を受けました。読者のみなさんもイタリアへお越しの際には十分に気をつけてください。

写真: CEV

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