ルーマニア男子バレーボールリーグ第16節、山本龍所属のディナモ・ブカレストは現地時間2月3日(土)にステアウア・ブカレストと対戦し、2-3(25-20, 17-25, 24-26, 25-22, 8-15)で敗れた。
ブカレストダービーとなったこの試合はステアウア・ブカレストのホームで行われた。最大収容人数1000人程度の小さな体育館であったが、ステアウアファンのアツい声援に会場が包まれていた。
山本はこの試合で先発出場果たし、パイプ攻撃もうまく絡めた多彩なトス回しで相手ブロッカーを翻弄してディナモが危なげなく25-20で第1セットを先取。
しかし徐々にステアウアのブロッカーがそれに対応し始め、5本のブロックポイントを決めたステアウアが第2セットを17-25と大差で取る。
第3セットは接戦となるなか終盤まではディナモがリード。しかしブロック強化を兼ねてか23-22の場面で山本が控えセッター、バトラー(オーストリア、身長198cm(山本は185cm))と交代させられると、そこから逆転を許して24-26でステアウアがこのセットを取る。
第4セットはそのままスタートからバトラーが起用されて山本はベンチに。OPバルバスト(イラン)の活躍などで25-22でなんとかセットを取ってフルセットに持ち込んだ。
しかし第5セットは序盤からステアウアのサーブにやられて8-15でステアウアが取り、2-3でディナモ・ブカレストはステアウア・ブカレストに敗れた。
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山本龍選手インタビュー
T:試合をふりかえっていかがですか。
山本:今日はスタートから出させてもらったんですけど、1セット目にいい流れでセットを取って、そこから自分の特徴を試合の中で相手の選手に読まれる場面があったんですけど、そこと勝負時のワンポイントの取り方、1点の取り方を3セット目までに修正できませんでした。そこを修正できていれば、もっと楽な展開になったのかなと思います。
T:今日は元々、どういう組み立てで行こうと思われていましたか。
山本:そうですね、真ん中(からの攻撃)を意識してるんですけど、Aパスときは特にコミット(ブロック)が多いので、そこは早いサイド使うという意識と、パイプを使うことを意識しました。
T:試合中に監督やコーチからよく指示を受けていたように見えましたが、どんなことを言われていたのですか。
山本:色々言われたんですけど、ファーサイド(セット位置から遠い方のサイド)に飛ばすよりニアサイド(セット位置から近い方のサイド)のところをもっと使ってもいいとか、今日は手首の状態がよくなくてジャンピングサーブを打てなかったんですけど、「ジャンプ打てよ」「行けるっしょ」みたいな感じで言われて、ちょっと今日は無理ですって言って、トスに集中しようと思ってやってました。
T:手首はどうされたんですか?
山本:これは多分すぐ治るやつで、使いすぎだったのとちょっと変に手首がなっちゃったんで。この試合にかけてたんですけど、ちょっと、結果負けてしまいました。
T:3セット目終盤から最後までベンチに下がってしまいましたが、そこからどう試合を見られていましたか。
山本:チームスポーツなんで、自分が悪ければ変わって、チームが勝つための手段を監督たちは選ぶんですけど、3セット目の交代は自分にも可能性があったというか、デュースで…。そうですね、変えられて悔しい…。そこは信用だったり自分の技量の評価だったと思うので、これからよりいいアピールをしていけるかが大事かなと思います。
T:今日は相手のサポーターの応援が凄かったですが、ルーマニアリーグのアウェイの試合はこんな雰囲気なのですか。
山本:そうですね、特にステアウアはディナモとけっこう敵対関係にあるらしくて、 (アウェイでの試合は)初めてで向こう側の応援はすごかったんですけど、こっちに対しては「寿司!」とか言ってて(笑)。別に自分はあんまり気にならなかったです。 やっぱりアジア選手権のイランでの、あれを超えるものはないので、別に特に気にすることはなかったです。
T:今日の悔しい結果を踏まえて、今後どう取り組んでいきたいですか。
山本:自分でプラン立ててやっていって、そこが最初うまく噛み合って、セットを取ることができたんですけど、相手に読まれたり、さっきも言ったんですけどここで点数が欲しいという時に自分の選択がよければ点数が取れていたと思うので、そこはもっと自分の余裕だったり、視野の広さだったり、コミュニケーションだったり、いろんな課題があるんですけど、そういったところを次に生かせるように頑張りたいです。
Photo: 筆者撮影