イタリア男子バレーボールリーグセリエA第9節、髙橋藍所属のパドヴァは現地時間11月27日(日)にホームでモンツァと対戦し、0-3(16-25, 23-25, 21-25)のストレートで敗れました。
髙橋藍はこの試合スタメン出場し、8得点をあげました。
第1セットスタメン
パドヴァ
OH:髙橋、デスメット(ベルギー)
MB:ヴォルパト(イタリア)、クロサート(イタリア)
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)
モンツァ
OH:マー(カナダ)、ダヴィスキバ(ベラルーシ)
MB:ガラッシ(イタリア)、ベレッタ(イタリア)
OP:グロゼル(ドイツ)
S:ツィンマーマン(ドイツ)
L:フェデリチ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
第1セット、パドヴァはOPペトコヴィッチが序盤から連続でスパイクを決めて3-1とリードしますが、OHマーのサーブ時にペトコヴィッチがS1ローテーションのレフトからのスパイクを2連続でミスするなどして6-7とモンツァにすぐ逆転を許します。
パドヴァもOHデスメットのエースで8-7と再度リードに成功するも、モンツァもSツィンマーマンのエース、MBガラッシの髙橋を止めるブロックやエース、更にOHマーのペトコヴィッチを止めるブロックも出て11-16と中盤で一気にリードを広げます。
その後もパドヴァはサイドアウトをなかなか一本で切れずに、逆にOHマーやOPグロゼルのスパイクで点差を広げられ、最後もOPグロゼルのスパイクが確実にスパイクを決めてモンツァが16-25でこのセットを取ります。
第2セット、序盤はパドヴァにミスが続き、更にOPペトコヴィッチがOHダヴィスキバにブロックで止められるなどして4-8とモンツァがリード。
そこからパドヴァは髙橋のスパイクでサイドアウトを切っていきますが、モンツァのMBガラッシのブロックにペトコヴィッチと髙橋が続けて捕まるなどして8-15と更に点差が広がります。
その後パドヴァは途中出場のMBカネッラのブロックなどで3連続得点を取って11-15とするも、そこからモンツァはOPグロゼルのスパイクで確実にサイドアウトを取っていきそれ以上の追い上げを許しません。
しかしMBクロサートのサーブからOHデスメットがスパイクを決めるなどしてパドヴァが19-21とし、更に続くサイッタのサーブ時にデスメットが相手のグロゼルを止めるブロックを決めて21-23、更に更にデスメットのサーブから繋いだボールを髙橋がストレートに決めきって終盤でようやく23-23とパドヴァが追い付きます。
しかし反撃はここまでで、直後にモンツァがグロゼルでサイドアウトを取ると、最後はOPペトコヴィッチがラリー中3回決めきれなかったスパイクを4度目でミスにしてしまい、23-25でこのセットもモンツァが取ります。
第3セットは髙橋がMBガラッシに早々にスパイクを止められるも、OPペトコヴィッチにもエースが出るなどして6-5と序盤は競った展開を見せますが、OPペトコヴィッチが今度はOHダヴィスキバのブロックに捕まると、更にOHデスメットのスパイクミスなども出て6-8とモンツァにリードを許してしまいます。
その後髙橋のスパイクやペトコヴィッチのスパイク、エースで11-10とパドヴァが一時逆転するも、モンツァはブロックポイントを決めるなどして13-16と再びリードを広げます。
パドヴァはサーブで相手を崩せず、かつスパイクがなかなか決まらないとても苦しい展開。
モンツァはミスが出るものの、すぐさまそのミスを取り返すブレイクポイントを決めるので点差は縮まらず。
最後も1度ブレイクを決めた髙橋のサーブが2度目にアウトになって21-25でこのセットもモンツァが取り、パドヴァはこの試合をストレートで落としました。
MVP:Sヤン・ツィンマーマン
髙橋は8得点、スパイク決定率36%、サーブレシーブ成功率36%でした。
これでパドヴァは通算成績を3勝5敗6ポイントとして暫定11位となりました。
次週は現地時間12月3日(土)18:00(日本時間翌2:00)から、アウェイで3位トレントと対戦します。
感想など
いや、先週の試合も散々でしたがこの試合も厳しい内容でした。
まずいちばんの得点源であるペトコヴィッチの不調は痛かった。
アタック決定率26%しかないうえに、スパイクミス4点、被ブロック5点で、アタック効果率はほとんどゼロに近いです。
かなりマークがきつかったことが伺えます。
更に髙橋もアタック決定率36%でミス1の被ブロック4なのでかなり厳しい数字と言わざるを得ないでしょう。
先週のヴェローナ戦は相手のサーブにやられた印象でしたが、この試合のパドヴァはサーブレシーブに関しては悪くなかったと思います。
ただ自分たちがサーブで攻めることがあまりできておらず、ここぞというときのサーブミスも目立ちました(特に第2セット終盤)。
いちばんはスパイクが全然決まってませんでした。
各セットともアタック決定率30%台で試合全体で33%というかなりの低さ。
これじゃバレーボールは勝てません。
一般的にアタック決定率が低い女子のVリーグでもこの数字だと勝てないんじゃないでしょうか。
これまで負けた試合でも一定の数字を残してきたOPペトコヴィッチが徹底的に抑えられてしまったのがひとつの要因と考えられますが、ここの改善は本当に大事になってくると思います。
とにかくモンツァのブロックディフェンスは素晴らしかった。
髙橋はもっと被ブロックを減らさないといけないですね。
ミドルのガラッシに止められるシーンが多かったので、ブロックがいないと思って狙ったところに最後ブロックがニュっと出てきてシャットされるパターンかと思いますが、これに慣れてこれを想定したうえで攻撃の選択をすることをやっていかないといけないですね。
ここは本当にこのイタリアリーグで一番成長してほしいところです。
あとはサイッタのトスがペトコヴィッチが悪くてもペトコヴィッチ一辺倒になってしまっていたのも気になりました。
レフトやパイプももっと使っていいと思うんですけどね。
悪い流れのときこそペトコヴィッチ以外の選択肢がより多く使えてそれが機能していくようになればいいなと思います。
この敗戦を受けてパドヴァのコッパイタリア出場(前半終了時点で8位以上)は絶望的となりました。
それでもあと折り返しまで残り3試合、すべて勝ち点3を取る気持ちで頑張ってほしいと思います。
まずは来週のトレント戦。
サーブで殴り、レセプションで耐えて勝つ。
楽しみにしています。
Forza ragazzi!!!(みんな頑張れ!!!)
写真:Lega Pallovolo Serie A