ポーランド男子バレーボールリーグ(プルスリーガ)第28節、宮浦健人所属のニサ(8位)は現地時間3月17日(金)にホームでジェシュフ(1位)と対戦し、1-3(18-25, 25-27, 25-22, 17-25)で敗れました。
宮浦健人は2セット目にリリーフサーバーで、3セット目途中以降はオポジットとしてコートに立ち、チーム2位タイの12得点の活躍でした。
第1セットスタメン
ニサ
OH:ゲルジョット(ポーランド)、クファソフスキ(ポーランド)
MB:ヤンコフスキ(ポーランド)、ゼルバ(アルゼンチン)
OP:ベンタラ(チュニジア)
S:ズコウスキ(クロアチア)
L:デムビエツ(ポーランド)
ジェシュフ
OH:チェブイ(スロヴェニア)、デファルコ(アメリカ)
MB:コザメルニク(スロヴェニア)、コハノフスキ(ポーランド)
OP:ブツキ(ポーランド)
S:ジズガ(ポーランド)
L:ザトルスキ(ポーランド)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
第1セット、序盤はお互いにブレイクを奪い合いながらもOPベンタラとOPムザイの両オポジットが中心となって得点を重ねて10-10と競ったまま試合が進みます。
しかし中盤にOPムザイとOHチェブイのサービスエースなどでジェシュフが12-18と一気に点差を広げます。
その後終盤に入っても効果的なサーブからOHデファルコやMBコハノフスキが得点を決めて16-24とジェシュフがセットポイントを握ると、最後はOHチェブイがスパイクを決めて18-25でこのセットをジェシュフが取ります。
第2セット、出だしからMBコハノフスキがスパイクとサーブで連続得点をあげてジェシュフが0-2とリードしますが、すぐにOPベンタラもサービスエースを決めてニサが4-4と同点に追いつくと、そこからはしばらく競った展開が続きます。
ニサはOPベンタラを中心にサイド3人で得点を重ねる一方、ジェシュフはOHデファルコやOPムザイが得点していき16-16まで進みます。
そこからニサがOHクファソフスキのブロックなどで連続ブレイクをあげて19-16とリードを広げますが、終盤に途中出場のOHブシェク(ポーランド)がジェシュフのブロックに連続で捕まり22-23とジェシュフが逆転します。
その後ニサはOHゲルジョットをコートに戻すと、MBゼルバのブロックやOHゲルジョットのスパイクなどで粘りをみせて25-24と1度セットポイントを握りますが、最後はOHチェブイが連続でスパイクを決めて25-27でこのセットもジェシュフが取ります。
第3セット、序盤はニサがOPベンタラやMBゼルバのスパイクで得点を重ねて6-4とリードを広げますが、OPベンタラが脚を痛めてOP宮浦と交代します。
しかしそうしたアクシデントにも関わらず、その後もOHクファソフスキのスパイクやOP宮浦のサービスエースなどで12-8とニサがリードを保ちながら試合が進みます。
ジェシュフは途中出場のOPブツキがスパイクやブロックで連続得点をあげて16-16と同点まで追いつきますが、すぐさまOP宮浦がスパイクと2連続サービスエースを決めて20-17と再度ニサがリードを保ちます。
終盤にも再びMBコハノフスキのブロックなどで21-21とジェシュフが追い付きますが、最後はOHゲルジョットが高さのあるスパイクとブロックを連続で決めて25-22でこのセットをニサが取り返します。
第4セット、序盤からOHゲルジョットが相手サーブで集中砲火を浴び、Sジズガ、OHデファルコ、MBコハノフスキにそれぞれサービスエースを許して3-9とジェシュフがリードします。
そこからニサはOP宮浦のスパイクやOHクファソフスキのサービスエース、MBゼルバのブロックなどで連続得点をあげて9-10と1点差まで迫りますが、中盤にMBコハノフスキのサービスエースなどで13-17と再びジェシュフにリードを許します。
その後さらにOHチェブイの連続サービスエースなどで15-21と点差を広げられると、終盤にもSジスガにサービスエースが出てマッチポイントを握ったジェシュフ。
最後はOHチェブイがスパイクを決めて17-25でこのセットも取ったジェシュフが1-3でニサを下しました。
MVP:MBヤクブ・コハノフスキ(9得点(うちサーブ3、ブロック2)、アタック決定率57%)
宮浦健人は12得点(うちサーブ3)、アタック決定率53%の活躍でした。
次回は現地時間3月26日(日)20:30(日本時間翌4:30)から、アウェイで同6位のワルシャワと対戦します。
ニサは次の試合がレギュラーシーズン最終戦となります。
試合の感想など
この試合は現地で観戦しました。
本当に悔しい敗戦。
この日はベンタラの負傷からの交代とは言え、久しぶりに宮浦が長くプレーできた試合でした。
ハイボールアタックではブロックに捕まったり苦しんでいましたが、そうではない場面での速いセットからの強烈なスパイクはほとんど決まっていました。
またサーブでは3セット目に3本のサービスエースを奪うなどの大活躍でホームの会場を大いに沸かせてくれました。
特に17-17から宮浦がスパイクと2つのサービスエースで3連続得点を上げたときなんかは、なんかもう、これまで出場機会に恵まれなかったり、出れてもなかなかいいパフォーマンスができなかったり、これまで話したことだったり、そんないろんなことが急に思い出されて、胸がアツくなってもう少しで泣きそうになっていました…。
もしやこのままニサの逆転勝利&宮浦MVPみたいなこともあるんじゃなかろうか!?!?!?
様々な困難を乗り越えて3セット目をニサが取り返したあとにはそんなことすら思わせてくれるような雰囲気でした。
しかしそんなに甘くなかったです。
4セット目は序盤からゲルジョットがサーブレシーブで崩されまくって一気にジェシュフにリードを奪われて、最後までその点差が縮まらないといういつものニサの負けパターンに。
頼みの宮浦のサーブも4セット目はうまく走らず。
もう今シーズンも残り少なく、もしかしたらこの日が宮浦がアタッカーとしてコートに立つ最後の試合だったかもしれないだけにもっと見たかった、フルセットまで見たかった。
そこで気になったのが4セット目のスタートのローテーション。
ニサは同じくサーブから始まった第2セットと同様にS1、つまりセッターが最初にサーブを打つローテーションからスタートしていました。
確かにオポジットがベンタラだった場合はブロックの高さもより出るしそれでいいと思うんですが、宮浦よりはセッターのズコウスキの方が高さはあるし、アウトサイドも高さがあってサーブレシーブが弱いゲルジョットがすぐに後衛に下がってしまうのでデメリットの方が大きいのではと第4セット開始直後に思っていました。
逆に3つ回したS4スタートだとそれらのデメリットが解消されるほか、3セット目に一番サーブがよかった宮浦からサーブを打てたのでメリット大きかったんじゃないでしょうか。
そして案の定後衛に回って真ん中でサーブレシーブをするゲルジョットが相手サーブの集中砲火を浴びてしまったわけです。
これはプリンスキ監督の采配ミスだと個人的には思っています。
ゲルジョット、シーズン序盤はサーブレシーブの悪さもそこまで目立たず、逆にアタックとサーブで無双していたのに、本当に途中からパッとしなくなってしまった。
レギュラーシーズン最終戦の相手は現在11連勝中で今年に入って未だ負けなしワルシャワ。
それでもゲルジョットが復活してくれれば可能性は十分にある。
ここ最近はベンタラ頼みすぎてなんだかVリーグのチームを見ているようでしたが、それでは勝てないのでゲルジョットの復活は不可欠。
ベンタラの脚は恐らくつっただけなので次のワルシャワ戦ではまたスタートから出てくるかと思いますが、もちろん宮浦の活躍にも期待したい!
頑張れニサ!!!
写真:PSG Stal Nysa