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石川祐希ミラノ、3位決定戦第3戦もピアチェンツァに敗れ、4位で今季を終える

2023年5月7日

イタリア男子バレーボールリーグセリエA、石川祐希所属ミラノはピアチェンツァとのプレーオフ3位決定戦第3戦を現地時間5月6日(土)にアウェイで戦い、0-3(19-25, 26-28, 21-25)で敗れました。

石川祐希はこの試合スタメンで出場しチーム3得点の活躍でした。

第1セットスタメン

ミラノ

OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ロセル(アルゼンチン)、ピアノ(イタリア)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)

ピアチェンツァ

OH:ルカレッリ(ブラジル)、レアル(ブラジル)
MB:シモン(キューバ)、カネスキ(イタリア)
OP:ロマノ(イタリア)
S:ブリザール(フランス)
L:スカンフェーラ(イタリア)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット、序盤ポッロのツーアタックなどで3-1とミラノが先行すると、その後ピアチェンツァにアタックミスが続いて12-7とミラノがリードを広げます。

しかしルカレリのスパイクで12-10とピアチェンツァが点差を縮めると、さらにシモンのサーブからレアルやロマノのスパイクが決まって6連続ブレイクに成功したピアチェンツァが14-18と一気に逆転します。

そこからもロマノのサービスエースなどで16-24とさらに点差を広げると、最後は石川のサーブがミスとなり19-25でこのセットをピアチェンツァが取ります。

第2セット、出だしはシモンのブロックやミラノのミスで2-4とピアチェンツァがリードします。

その後はお互いにパトリィとロマノのオポジットを中心にサイドアウトの取り合いになりますが、石川のブロックやポッロのスパイクでミラノが連続得点を決めて11-9と逆転に成功します。

19-17とミラノがリードを保ったまま終盤に差し掛かりますが、直後にシモンのスパイクやロマノのスパイクとブロックで19-20とピアチェンツァが逆転に成功すると、さらにロマノがサービスエースを決めて21-23とします。

ミラノも石川の強烈なサーブからパトリィがダイレクトスパイクを決めて23-23と同点に追いついてそのままデュースに持ち込みますが、ルカレッリが3回連続でサイドアウト取ってミラノに反撃の隙を与えず、最後はレアルがパトリィのスパイクを止めて26-28でこのセットもピアチェンツァが取ります。

第3セット、ミラノがパトリィのスパイクや石川のスパイクなどで6-4とリードします。

しかしカネスキのサービスエースなどで7-8とピアチェンツァが逆転すると、さらにカネスキのスパイクで10-12と点差を広げます。

その後もロマノのブロックやルカレリのサービスエースで15-20とピアチェンツァがさらに得点を重ねていきます。

ミラノもパトリィやロセルのスパイクで応戦しますが、最後は石川のサーブがミスになり21-25でこのセットもピアチェンツァが取り切ります。

この結果ミラノは0-3でピアチェンツァに敗れました。

MVP:OHリカルド・ルカレッリ(14得点(うちサーブ3)、アタック決定率52%、サーブレシーブ成功率17%)

石川祐希は3得点、アタック決定率13%、サーブレシーブ成功率50%の活躍でした。

これでミラノは3位決定戦敗退となり、最終順位を4位で今シーズンを終えました。

またこの結果、ミラノは来シーズンのCEVカップ(チャンピオンズリーグよりひとつ下の欧州大会)の出場権を獲得しました。

試合の感想など

ミラノの今シーズン最後の試合は、なんだかとっても切ない試合となってしまいました。

この試合は現地で見守っていましたが、試合開始前から両チームの雰囲気が明らかに違っていました。

かなりリラックスしてふざけ合ってる場面も多かったピアチェンツァメンバーに対し、選手・スタッフともにどこか疲れた表情を見せるミラノメンバー。

会場のピアチェンツァファンの皆さんもただ試合を見に来たというよりは、おらがチームの3位決定を見に来たというような雰囲気を漂わせていました。

試合はミラノがリードする場面もあり、特に1セット目の中盤などは一時5点のリードがあったわけですが、試合は終始ピアチェンツァがコントールしていた感じでした。

ピアチェンツァにミスが増えるとミラノがリードしたりするけど、ピアチェンツァが通常運転を始めればもうミラノはどうしようもない状態。

つまりミラノは自分たちのプレーで最後までリズムを作ることができず、そのままストレートで敗れてしまいました。

また石川個人のパフォーマンスはおそらく今季ワースト、少なくとも攻撃面は間違いなくワーストだったと思います。

一度もベンチに下がらなかったにもかかわらず2セット目でアタック得点なし、3セット目も決めたのは2本のみで、さらにミスと被ブロックで4つの失点があったので、アタック効果率は約-13%。

石川のこんな数字は見たことありませんでした。

逆にセッターのポッロがツーアタックも含めてスパイクで4得点、アタック効果率50%ともう立派なアタッカーと化してましたが、これも石川不調の裏返しの結果に他ありません。

第2戦で苦しんだパトリィとロセルのパフォーマンスはよかったです。

特にパトリィはアタック決定率63%でプレーオフに入って一番の数字だったのではないでしょうか。

ただこの試合のミラノはサーブが弱かった。

これまで同様レアルにサーブを集めていましたが、その球がイージーすぎてレアルのサーブレシーブ成功率が52%とルカレッリよりも良い数字、さらにリベロのスカンフェーラの成功率は驚異の71%でピアチェンツァはサーブレシーブ時ほとんどプレッシャーがなかったことでしょう。

その上たとえサーブレシーブが崩れてもピアチェンツァはアタックがバンバン決まる。

特にオポジットのロマノは難しいボールも次々と得点に変えてアタック決定率75%と驚異的でした。

ただここも、これまでのミラノなら拾えていたボールが拾えない場面もかなりあったように思います。

ミラノメンバーはなんかもう脚が全然動けていなくて、ディフェンスのミラノ、粘りのミラノの姿がそこにはもうありませんでした。

結果、3位決定戦はすべてストレート負け、得セットなしの完敗。

たしかにピアチェンツァというチームはもともとミラノが苦手としていたチームでしたが、この3位決定戦に関しては相手云々というよりもミラノ側の要因が大きかったと思います。

つまり準決勝でチヴィタノーヴァに敗れてから、身体的にはもちろんですが特に精神的にうまく切り替えることができず、一種の燃え尽き症候群のような状態にチーム全体がなってしまっていたんだと思います。

そのため改めて3位決定戦へのモチベーションを作り出すことが難しく、結果このようになってしまったのかなと選手たちの発言からも感じました。

逆にピアチェンツァは経験豊富な選手が多かったため、その切り替えがうまくできたのでしょう。

試合終了後、選手やスタッフ同士がハグでお互いをたたえ合っていましたが、皆複雑な表情で、目に涙のようなものを浮かべている選手も少なくなかったです。

それは石川も例外ではなく、特に3シーズン共にすごした相棒のパトリィとのハグはなんだか見てるこっちもグッとくるものがありました。

結果的にピアチェンツァに敗れて4位に終わったミラノ。

レギュラーシーズン最強だったペルージャを下し、準決勝でチヴィタノーヴァをあと1歩のところまで追い詰めただけに、なんだか残念な感覚になってしまいました。

しかし、昨シーズンは9位でクラブ史上初のベスト4に入っただけでも大躍進のシーズンだったことは間違いありません!

またチャンピオンズリーグはいけないですが、来シーズンはCEVカップという、2シーズン前にタイトルを取ったチャレンジカップより上の欧州大会に出場できます。

個人的にはこの大会で来季はミラノをポーランドで拝めることを楽しみにしています!!(笑)

とにかくお疲れ様でした!

たくさんの感動と興奮をありがとうございました!!

プレーオフが始まってからまともにリカバリーする時間がなかったでしょうから、どうかまずはしっかりと身体を休めて、今度は代表でネットを挟んでバチバチにやり合うことを楽しみにしています!!

Grazie Mille!! Ciao!!!

写真:LegaPallavoloSerieA, 筆者撮影

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