1/17に行われたコッパ・イタリア準々決勝にて、石川祐希が所属するパワーバレー・ミラノ(以下ミラノ)が、前回王者のルーベ・チヴィタノーヴァ(以下ルーベ)を3-1(25-22, 19-25, 25-20, 29-27)で下して準決勝へ駒を進めました!!ミラノは、リーグ戦を含めて初のベスト4進出。石川祐希個人としては、2014/15シーズンにモデナで優勝した以来7シーズンぶりのコッパ・イタリアの準決勝進出になります。
日本以上にオミクロン株が猛威を振るう中開催されたコッパイタリア準々決勝。ホームのルーベは、キャプテンのユアントレーナやアンザーニを怪我で欠く中での試合でしたが、昨年末から復帰したイタリアのスーパースターザイツェフや、シモン、ルカレッリなどの猛者たちを天才セッターデセッコぞろい。一方のミラノは、日本のスーパースター石川祐希、東京五輪金メダリストのパトリィ、チネニエゼなど主力を欠くことなく王者に挑みました。
ミラノは、ブロックとフロアディフェンスが凄く光っていたと思います。攻撃力抜群のルーベサイド陣に対して、オポジットのザイツェフこそアタック決定率58%と好きなように攻められてしまいましたが、アウトサイドの2人に対してはそれぞれアタック決定率を40%程度まで抑えることに成功しました。ミラノのブロックポイントは11ポイント(うちチネニエゼが5ポイント!)ありましたが、その内9ポイントが相手アウトサイドの2人からのものだったので、彼らに相当なストレスとプレッシャーがかかっていたに違いありません。またサーブでもパスの苦手なキューバ人のヤントを狙いつづけていたことも勝因のひとつでしょう。ミラノはサーブレシーブ成功率ではルーベを下回っていたものの、サービスエースの本数はルーベを上回っていました。
逆にルーベはミラノに対してもう少しサーブで攻めていきたかったところ。サーブミスの数は両チームとも15本だったので、ルーベは世界クラブ選手権決勝のようにミスが多かったわけではありません。ミラノのレセプションが堅かった。守備力が持ち味のミラノですが、この試合は特に堅かったんじゃないでしょうか。石川、ジャスキー、ペサレージラインの安定感たるや。
そんな守備で見せた石川でしたが、スパイク決定率は30%と低めでした。その代わりにこの試合爆発したのが対角のジャスキー。アタック16本、サーブ2本の18得点でチームをけん引。マッチポイントも、プレッシャーかかるデュースの場面で難しいボールをバックアタックにして決めきってくれました。
またミドル陣もチネニエゼが77%、ピアノが78%と高い決定率でした。またセッターポッロのクイックの使い方がうまいんですよ。20歳で童顔だからめちゃくちゃ若く見えますけど、性格はかなり老獪ですね(笑)。183cmしかないのにサーブもキレッキレですし。パトリィもライトからの豪快なスパイクに加えてサービスエースも2本決めてくれました。
1セット目を取って、2セット目取られて、3セット目取り返して、「お、これもしや行けるかも…」と思わせといての4セット目はルーベ先行。「フルセット行ったらなんか負けそう…」と思っていたらミラノ大逆転で23-19。「もう勝ったじゃん!」と思ったらS1ローテでルカレッリのサーブに石川がやられて23-23と怒涛のルーベに追い上げを許し…。とにかくハラハラしました(笑)。この時のS1ローテは、定石どおりにパトリィをレフト、石川をライトから打たせず、石川を真ん中でサーブレシーブさせてかつ2人サイドを本来のポジションから打たせようとしていましたが、そこで真ん中の石川のパスが乱されうまく攻撃参加できていませんでした。ピアッツァ監督はギリギリのところでそこを定石どおりに戻してサイドアウト取り、先述のとおり最後はジャスキーのバックアタックで勝利!!!
ミラノは、リーグ戦、コッパイタリア合わせてもベスト4は初。石川は7年前のモデナのときにコッパイタリアを優勝していますけど、あの時は本当にただの「留学生」でしたからね。いや、本当にたくましく、素晴らしい選手になったし、あのときにはまさかここまでの選手になるとは想像できてなかったです。
7年前若い(笑)。マッテオも若い。
さあコッパイタリア・ファイナルは3月にボローニャのウニポルアリーナです!2年前に僕も見に行ったあの舞台に日本人選手が立つなんて…。
決戦はボローニャ!!!
写真:Lega Pallavolo Serie A