「龍神NIPPON」ことバレーボール男子日本代表が46年ぶりに主要な世界大会でメダルを獲得しました。僕はかれこれ20年近くこのチームをフォローしてきましたが、まさかこんなに早く彼らが表彰台に立つ姿を拝める日が来るとは夢にも思いませんでした。
またその銅メダルを手にした会場はポーランドでした。バレーボールポーランド男子代表と言えば、今でこそ世界ランキング1位で今大会でも優勝を果たした超強豪です。しかし20年ほど前まではかつての日本と同じように1970年代にピークを迎えた「昔は強かった」チームでした。
日本男子バレーがオリンピックで金メダルを獲得したのは1972年のミュンヘンオリンピック。その次のモントリオールオリンピックで金メダルを獲得したのがポーランドでした。しかし1980年代以降は両国とも長く世界大会のメダルから遠ざかることとなります。
そんななか先に復活を果たしたのがポーランド。ポーランド男子代表は2006年に行われた世界選手権で並いる強豪を破って決勝まで進みました。当時頭ひとつ抜けて世界最強だったブラジルには敗れたものの、見事に銀メダルを獲得。モントリオールオリンピックから実に30年ぶりの世界大会でのメダル獲得でした。
当時のポーランドチームは、この前年からチーム初の外国人監督だったロサノ監督(現JT広島監督)を招聘していました。またイタリアでもプレーしていたキャプテンのシフィデルスキ(現ポーランドバレーボール協会会長)らベテランと世代別代表で結果を残していたヴィニャルスキ(現ドイツ監督)やヴラズウィら若手選手が見事に融合したすばらしいチームでした。
ポーランド男子代表はこれ以降、世界大会やヨーロッパ選手権で徐々に表彰台常連チームに成長していき、現在に至ります。このポーランド男子代表復活のきっかけとなった世界選手権の開催地が実は日本だったのです。
そして今回日本がポーランドで46年ぶりのメダルを獲得しました。フランス人のブラン監督のもと、イタリアで8シーズンプレーしているキャプテン石川らベテランと髙橋藍や宮浦など2000年前後生まれの若手が見事に融合しての快挙でした。
ポーランドが日本から30年ぶりの復活を果たし、日本がポーランドで46年ぶりの復活を果たしたことは何か運命的なものを感じずにはいられません。国旗の色が同じなのも偶然ではないはず(笑)。
とにかく、これで終わることなく、日本もポーランドと同じようにここをきっかけとした更なる復活劇を見せてくれることを期待しています。
Photo by FIVB