試合レポート

宮浦健人所属のニサ、グダンスクに0-3で敗れて自力でのプレーオフ進出が消滅

2023年3月17日

ポーランド男子バレーボールリーグ(プルスリーガ)第28節、宮浦健人所属のニサ(8位)は現地時間3月12日(日)にアウェイでグダンスク(6位)と対戦し、0-3(17-25, 18-25, 22-25)で敗れました。

宮浦健人は各セット途中出場しましたが、得点はありませんでした。

第1セットスタメン

ニサ

OH:エルグラオウイ(モロッコ)、ゲルジョット(ポーランド)
MB:クラムチィンスキ(ポーランド)、アブラモヴィッチ(ポーランド)
OP:ベンタラ(チュニジア)
S:ズコウスキ(クロアチア)
L:デムビエツ(ポーランド)/ビニエク(ポーランド)

グダンスク

OH:サヴィツキ(ポーランド)、チャン(中国)
MB:ニェミェツ(ポーランド)、ウルバノヴィッチ(ポーランド)
OP:ボウォンジュ(ポーランド)
S:カンパ(ドイツ)
L:ペリー(オーストラリア)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット、出だしからニサのMBアブラモヴィッチがサービスエースを決めますが、OPボウォンジュやOHチャンのスパイクでブレイクを奪ったグダンスクが3-6とリードします。

その後もサーブレシーブを乱されサイドアウトに苦労するニサに対し、グダンスクはOHサヴィツキのサービスエースやOHチャンのパイプ攻撃などで更に点差を広げて9-16とします。

ニサはOPベンタラが孤軍奮闘しスパイクやサーブで連続得点をあげたりしましたが、終盤に2枚替えで入ったOP宮浦も含め続けてミスが出てしまい、17-25でこのセットをグダンスクが取ります。

第2セットも序盤からグダンスクがSカンパやOHサヴィツキのサービスエースなどで連続得点を奪い7-12とリードを広げます。

ニサはOHゲルジョットに代わって入ったOHクファソフスキ(ポーランド)のサービスエースやOHエルグラオウイのスパイクなどで得点するも、グダンスクもOHサヴィツキのスパイクやサービスエースが決まって15-21と点差を縮めさせません。

その後もニサは3人続けてサーブミスしてしまい反撃のチャンスを逃し、18-25でこのセットもグダンスクが危なげなく取ります。

第3セット、後がなくなったニサはOHクファソフスキ、MBヤンコフスキ(ポーランド)をスタートから起用します。

このセットからようやくOPベンタラやOHエルグラオウイのスパイクなどでニサもコンスタントにサイドアウトを取れるようになり、14-14と中盤まで競った展開が続きます。

しかし直後のOPボウォンジュのサーブからサービスエースを含む2連続ブレイクで14-17とグダンスクが抜け出すと、その後OHチャンがブロックでOHエルグラオウイを止めるなどして15-19と点差を更に広げます。

そこからはOPボウォンジュが確実にスパイクを決めて21-24とグダンスクがマッチポイントを迎えると、最後はOHサヴィツキのスパイクが決まって22-25でこのセットも取ったグダンスクが0-3でニサに勝利しました。

MVP:OPバルトウォミェイ・ボウォンジュ(14得点(うちサーブ1)、アタック決定率72%)

宮浦健人は1セット目に2枚替え、2, 3セット目にリリーフサーバーとして出場しましたが、得点はありませんでした。

これでニサは通算14勝14敗43ポイントで暫定8位を維持。

またこの試合の結果により、ニサは自力でのプレーオフ進出(レギュラーシーズン8位以上)の可能性が消滅しました。

次節は現地時間3月17日(金)17:30(日本時間翌1:30)から、ホームで同1位のジェシュフと対戦します。

試合の感想など

また前節と同じような試合をしてしまったニサ。

今回もサーブレシーブが安定しなかった、崩されすぎたことが大きな要因にあげられますが、それ以外の敗因として個人的に以下2点が思いつきました。

①サーブで攻めきれなかった

サーブレシーブで崩されてもそれ以上にサーブで相手を崩して勝ってきたニサ。

この日はサービスエース本数は3セットで5本と悪くはなかったのですが、サーブミス17本は多いですし、何よりサーブを相手リベロのペリーに触らせすぎてうまくサーブ効果を上げれていませんでした。

この日のグダンスクのアウトサイドの2人はどちらもそれほどサーブレシーブが得意ではない選手だったので、リベロを外しさえすればチャンスは大きかったわけですが、それが徹底できていませんでした。

ましてやグダンスクのリベロのペリーは、サーブレシーブランキングでリーグ首位の選手です、そんなリベロに安易にサーブを打っちゃダメです。

②選手起用

結論から言えばミドルのゼルバ(アルゼンチン)を出すべきでした。

ニサはサーブだけでなくブロックでもプレッシャーを与えることができておらず、グダンスクのチームアタック決定率は1セット目は84%、2セット目は71%とほとんど打てば決まるという状態でした(OHチャンに限っては2セット目まではサイドなのに決定率100%笑)。

ゼルバはブロックランキングでリーグ10位とチーム内のみならずリーグ内でも屈指のブロッカーのひとりです。

監督的には外国人枠の関係でサイドにエルグラオウイを入れるために外したと思われますが、そのエルグラオウイを外してまでもゼルバを起用した方がよかったと思います。

エルグラオウイも調子がよくなかったので、彼に固執せずにベテランのブシェク(ポーランド)を使った方がよかった。

ニサのプリンスキ監督は選手交代をよくする監督ですが、意図が見えない起用も少なくないので来シーズンは改善していってほしいですね。

ただやっぱりニサの一番の問題はサーブレシーブ。

各チームにはリベロも含めてサーブレシーブの中心となる選手が最低ひとりはいるものですが、ニサにはそれがいない。

むしろサーブレシーブができるリベロがいないことが一番の不安材料かもしれません。

でももう今シーズンはこのまま戦っていくしかないので、どうにかしないといけないですね。

サイドのブシェクを前衛であまり使わないのなら、彼をリベロにするのもひとつの手だと思うのですが、もうシーズンも残り少ないのでここにきてそういう奇策じみたことはしないでしょうね。

今回の敗戦で自力でのプレーオフが消滅し、下位のスヴァウキ、ベウハトフ、ルブリンの戦績にゆだねられました。

まだニサも2試合残っていますが、それが現在首位のジェシュフとただいま11連勝中のワルシャワという絶好調の2チームとの対戦なので勝利はおろか勝ち点をあげるのも厳しいでしょう。

それでもプレーオフ進出に少しでも近づけるように頑張ってほしいなと思います。

そしてもちろんミヤケンにももっと活躍できるチャンスが訪れますように。

JAZDA NYSA!!

写真:PZPL

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