試合レポート

龍神NIPPON、カタールを破り2大会連続の決勝進出を果たす

2023年8月26日

ウルミア(イラン)で行われている男子バレーボールアジア選手権2023。現地時間8月25日(金)、日本代表は準決勝でカタールと対戦し3-1(22-25, 25-18, 25-14, 28-26)で勝利しました。

第1セットスタメン

日本

OH:髙橋藍、石川
MB:小野寺、山内
OP:西田
S:関田
L:山本智

カタール

OH:リベイロ、ワディディエ
MB:アブナボット、イブラヒム
OP:オグラフ
S:ステヴァノヴィッチ
L:ナジ

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット、序盤はお互いに堅さが見られて競った展開となりますが、OPオグラフのスパイクやMBアブナボットのブロックで3連続ブレイクを決めてカタールが8-11と抜け出します。その後OH髙橋藍のスパイクやOH石川のサービスエースで18-19としますが、OH髙橋藍がブロックに捕まるなどして18-22と再びカタールに離されます。そのまま最後はOH髙橋藍のサーブがミスになり22-25でこのセットをカタールが取ります。

第2セット、日本はOP西田に代えてOP宮浦をスタートから起用します。そのOP宮浦のスパイクで1点目を決めますが、お互いにサーブミスが続くなどして7-7と点差が離れません。中盤カタールがOHリベイロのサービスエースで11-13としますが、日本もOH石川やS関田のツーアタックで得点を重ね16-15と逆転に成功します。その後OH石川のサーブからサイド3人がラリーからスパイクを決めて20-15と点差を広げると、さらにOH石川が3連続サービスエースを決めて23-15とします。最後はOH髙橋藍がハイボールをしっかりと決めきって25-18でこのセットを日本が取ります。

第3セット、序盤からOH髙橋藍のスパイクなどで4-2と抜け出します。その後もMB山内のブロック、OH石川のサーブからのOH髙橋藍のダイレクトスパイクなどで13-7、さらにMB山内のサーブからサービスエースを含む5連続ブレイクで19-8と日本がカタールを突き放します。カタールは選手を半分入替えますが、日本の勢いは止まらず、最後はOH石川がスパイクを決めきって25-14でこのセットを日本が取ります。

第4セット、出だしからMBアブナボットの2連続サービスエースなどで1-5とカタールが先行します。その後日本もMB山内のクイックやMB小野寺のブロック、OH石川のサービスエースなどで12-12と追いつきます。さらにOH髙橋藍のブロックで14-13と逆転するも、終盤でOP宮浦と途中出場のMB髙橋健太郎が連続でカタールブロックに捕まり19-21と再度カタールがリードします。そこからOH石川がこの試合5本目となるサービスエースを決めて21-21と同点に追いつくと、そのまま試合はデュースに突入。日本は25-25の場面でリリーサーバーOH甲斐を投入し、彼の好サーブからOH石川がスパイクを決めきって26-25と逆転に成功すると、最後もこの日絶好調のOH石川が決めきって28-26でこのセットを取った日本が3-1でカタールを下し、2大会連続の決勝進出を決めました。

決勝戦は日本時間8月26日(土)23:30から試合開始予定です。

個人的MVP

石川祐希

18得点(うちサーブ5本)、アタック決定率50%

この試合は石川のサーブが走りまくりました。エース本数はスタッツ上は5本ですが、直接レシーブが返ってからのダイレクトスパイクなど、事実上のエースも同じくらいあったと思います。特に1セット目を取られて、2セット目も中盤競った中での3連続サービスエースを含む6連続ブレイクは圧巻でした。今大会は難しい環境でなかなかパフォーマンスが安定しない選手が少なくないなか、石川は常にハイパフォーマンスを保ってチームを鼓舞しているように感じます。日本のキャプテン、頼もしすぎます。

感想など

試合前に「3-0で勝つよ」と隣のイラン人メディアに宣言しましたが、そんなに甘くはなかったですね。

1セット目はなかなかサーブが走らず、逆に相手のブロックに苦しむ展開となりました。さらに相手はイランじゃないのに完全アウェーな雰囲気で日本のプレー時にはブブゼラ(鈍い重低音が鳴り響くラッパのような楽器、超絶うるさい)が鳴り響いていました。私の周りのイラン人記者もカタールを応援していて、悔しそうな僕をニヤニヤ見てました(笑)。これまでの3試合と対戦相手のレベルが一気に上がったところもやりにくさがあったのかなと思います。

そんな中で流れを変えてくれたのが上述の2セット目の石川のサーブ。でもそれまでに関田がうまくクイックを使って、山内、小野寺の両ミドルもそれに応えてガンガン決めてくれていたのもよかった(2人とも2ケタ得点!)。そしてその勢いのまま3セット目はやりたい放題。オフェンス、ディフェンスともにすべてがかみ合ったような感じ。特に髙橋藍の超クロスコースのスパイクがよく決まっていた印象です。

しかし4セット目は出だしからリードされ、終盤までほとんどカタールをわずかに追う展開に。カタールは3セット目途中に選手を4人入れ替えて、その4人がそのまま4セット目もスタートから入っていました。もしかしたらデータが少ない選手でやりにくさもあったのかなと思います。また2セット目から西田に代わって入った宮浦もこの日はあまりサーブが走らず苦しんでました。19-21で髙橋健太郎のスパイクがブロックで止められた時の会場の盛り上がりはすごかったですね(過去3試合はすべて日本ホームのように応援してくれていたのにこの仕打ちはなんだ(笑))。

しかしキャプテン石川のサービスエース21-21と追いついてからの、デュースに突入からの、ひとつ前のプレーで被ブロックにあった宮浦にもう一度あげる関田のドSトスをしっかり決めてからの、リリーサーバー甲斐優斗!会場の大ブーイングの中でもいつもようにひょうひょうとした感じでコートに入ると鋭いサーブで相手を崩してそれを拾って石川が決める!!!逆転!!!そして27-26と2度目のマッチポイントを迎え、サーブ打つ前に腕を回して気合をいれた関田のサーブから拾ってつないで石川が決める!!!!

どうだイランファン!(笑)

今年のVNLではわれわれ龍神NIPPONはいくつもの窮地を乗り超えてきたのよ!こんなところで躓くわけにはいかんのだ!!

明日はいよいよイランとの決勝戦!準決勝以上の超アウェイの中での試合になります。正直今日のような試合をしていたらイランには勝てません。少なくとも藍と西田or宮浦のサーブでのブレイクがもっと必要になってくる。ブブゼラの超絶うるさい大ブーイングをもこっちのエネルギーに変えて、明日は会場のイランファンたちを絶望させてやるぞ(笑)!やっちゃえ龍神NIPPON!!!!

Photo: IRIVF

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