試合レポート

日本男子バレー、本気イタリアに力負け

2021年7月29日

東京オリンピック男子バレー3日目の日本は、リオ五輪銀メダルのイタリアと対戦し、1-3で敗れました。トップとの力の差を見せつけられた一方、第3セットは逆転でもぎ取るなど強くなった日本の意地も見せてくれました。

試合結果

日本vsイタリア 1-3(20-25, 17-25, 25-23, 21-25)

1セット目スタメン(サーブ順)

日本:MB6山内、OP11西田、OH21髙橋、MB2小野寺、S12関田、OH14石川、L20山本
イタリア:MB14ガラッシ、S6ジャネッリ 、OH5ユアントレーナ、MB17アンザーニ、OP9ザイツェフ、OH18ミケレット、L13コラーチ

日本はイタリアに対して2019年のワールドカップと今年のネーションズリーグで共に勝利していて2連勝中。しかしそのときのイタリア代表はあくまでBチームで、今回のようにザイツェフやユアントレーナのいるAチームからの勝利は近年まだありませんでした。しかし今大会のイタリアは、初戦でカナダにフルセットに持ち込まれたり、正セッターのジャネッリのケガやエースザイツェフの不調など本調子とは言えない状態でした。一方の日本は2連勝中と好調。今回こそは日本にも勝機があるんじゃないかと思っていました。

でもやっぱり本気イタリアは強かった。ジャネッリも完全に回復できていなかったのものの2試合ぶりにスタメンに復帰していたし、明らかに過去2回対戦したBチームのイタリアとは別次元のチームでした。特に凄かったのがブロック。イタリアは日本のセッター関田のトス回しを相当研究していたようで、日本のサーブレシーブが乱れたときだけじゃなく、AパスBパスを返したときでも高い確率でイタリアは日本のスパイクをシャットアウト、あるいはワンタッチをかけて日本に簡単に得点を許しませんでした。特に第2セットは7本ものブロックポイントを献上してしまい、普段被ブロックがとても少ない石川でさえもイタリアの壁に苦しみました。

イタリアのエース、ユアントレーナ

それでも第2セット途中から入った藤井、李、高梨など控えの選手の活躍もあり、日本も徐々にイタリアに対応しつつありました。その良い流れの中でスタートした第3セットからはようやくイタリアにわずかながらもリードしながら試合を進めます。セッター藤井がセット序盤に李との「ぶじーりー」の高速クイックを見せて相手に印象づけると、その後はサイドやパイプ中心に配球して相手ブロッカーを揺さぶり、その結果日本のサイドアウト率が向上。途中コンビが合わなかったりする場面(特に石川)もあってヒヤヒヤしましたが、藤井はうまく流れを変えてくれたと思います。しかしそのままリードを許してくれないのがイタリア。ザイツェフのサービスエースなどで中盤で逆転。もうこのまま終わってしまうかと思われましたが、相手の19歳のアウトサイド、ミケレットがサーブレシーブで崩れはじめ、そこに狙いを定めて攻めのサーブを放った小野寺が2連続サービスエース!日本が終盤ギリギリのところで再び抜け出し、最後はユアントレーナのスパイクがアウトになって日本が本気イタリアから1セット奪取します!

この流れのままフルセットマッチを期待しましたが、対応の早いイタリアは第4セット序盤からまたブロックを連発。ユアントレーナのサーブにも苦しみ1-8と突き放されます。それでも諦めなかった日本。そこから攻めのサーブと粘りのディグで3点差まで詰めますが、イタリアもなかなかボールを落としてくれません。頼みの綱の西田のサーブもネットにかかり、最後はこの日22得点のエース、ユアントレーナのパイプ攻撃が決まり3-1でイタリアの勝利。日本は開幕3連勝を逃しました。

イタリアの組織的なブロックに苦しみましたが、以前までは崩れがちだったサーブレシーブは大きく崩れることはなく、それが第3セットの逆襲にも繋がりました。カナダ戦でも感じましたが、やはりネーションズリーグのときとは明らかにサーブレシーブのレベルが上がっています。本当に素晴らしい。結果的に敗れはしましたが、日本もよくやった中でもイタリアが上手だっただけで、最後までワクワクしながら見れましたし、次につながる収穫の多い試合だったと思います。

日本の男子バレーがこんなに応援しがいのあるチームになるなんて、10年前のワールドカップで代々木でイタリアにボロ負けしてた日本を見て失望していた僕は思いもしませんでした笑。本当に嬉しい!最高です!!

次の対戦相手は世界ランク2位のポーランド。ポーランドは初戦でイランにフルセットで敗れたり、ベネズエラにも1セット落としたりなど万全の状態であるとは言えません。それでも当然日本が勝つことは困難です。ブロックも高いのでイタリア戦の教訓を生かして戦ってほしいですね!日本はポーランドに勝てば自動的に予選突破決定します。かなり厳しいですが勝機はゼロではないので、なんとか頑張ってほしいと思います!!!

次回の試合予定

7月30日(金) 14:20〜 日本vsポーランド

テレビ放送

  • NHK-Eテレ 14:10~

ウェブ配信

写真:FIVB

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