試合レポート

【宮浦健人】パリ、サンナゼールに1-3で敗れ2連敗

2023年11月8日

フランス男子バレーボールリーグ第4節、宮浦健人所属のパリは現地時間11月7日(火)にサンナゼールと対戦し、1-3(25-21, 23-25, 21-25, 14-25)で敗れました。

宮浦健人はオポジットとしてスタメンで出場し12得点の活躍でした。

第1セットスタメン

パリ

OH:コバチェビッチ(セルビア)、パヌ(フランス)
MB:マーセ(ドイツ)、ユルコヴィッチ(オーストリア)
OP:宮浦(日本)
S:オッサール(フランス)
L:カプル(セルビア)

サンナゼール

OH:エワート(アメリカ)、マルティンス(ポルトガル)
MB:スペンセル(カーボベルデ)、シュニッツァー(カナダ)
OP:エンシン(アメリカ)
S:ヴァリエ(フランス)
L:デュエ(フランス)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

試合レポート

第1セット、パリがOHコヴァチェヴィッチのスパイクやサービスエースで4-2と先行しますが、MBスペンセルのブロックで4-4とサンナゼールがすぐに追いつきます。その後もOP宮浦のスパイクやOHパヌのブロックで14-11とパリが抜け出したかに見えましたが、ミスとMBシュニッツァーのブロックで16-17とサンナゼールに逆転を許します。しかしSオッサールのサーブから19-18とパリが再逆転すると、そこからOHパヌを中心に更に連続得点を重ねて25-21でこのセットをパリが取ります。

第2セット、出だしからシーソーゲームとなりお互いにサイドアウトを取り合いながら9-9と進みます。そこからパリはOHパヌのブロック、サンナゼールはOHエワートのブロックなどでお互いにブレイクを取るも依然として点差が離れずに21-21と終盤を迎えます。しかしOPエンシンのスパイクでサンナゼールが21-23と2点をつけると、最後もそのままOPエンシンが決めて23-25でこのセットをサンナゼールが取ります。

第3セット、序盤からMBスペンセルのサービスエースなどで2-5とサンナゼールがリードします。パリはOHコヴァチェヴィッチのスパイクやサービスエースで得点を重ねて10-11と点差を詰めますが、中盤にOPエンシンのサーブからスパイクミスとブロックで5連続失点し、サンナゼールが13-19と一気にリードを広げます。パリはそこから途中出場のOHコーウェル(アメリカ)のスパイクなどで19-21と2点差まで詰め寄ります。しかし最後は途中出場のOHゼリコヴィッチ(クロアチア)のアタックが決まり21-25でこのセットをサンナゼールが取ります。

第4セット、序盤はOHパヌのスパイクやブロック、Sオッサールのサービスエースでパリが8-6と先行します。しかしMBシュニッツァーのサーブからサービスエース2本を含む6連続ブレイクで8-13サンナゼールが逆転で大きくリードします。その後中盤にもMBスペンセルのサーブからサービスエースやMBシュニッツァーのブロックで5連続ブレイクをして11-22とさらに点差を広げると、最後はパリのサーブがミスになり14-25でこのセットもサンナゼールが取ります。

この結果、1-3でパリはサンナゼールに敗れました。

MVP:OPカイル・エンシン(14得点(うちブロック1)、アタック効果率41.67%)

宮浦健人:12得点、アタック効果率23.07%

次は日本時間11月12日(日)3時30分からセートと対戦します。

リーグHP: https://www.lnv.fr/lam/statistiques
配信サイト(有料):https://www.lnvtv.com/

トシキのつぶやき

前回に続いて1セット目取ってからの逆転負けを喫してしまったパリ。

この試合も正セッターのモッタパエスは出場せず、オッサールがスタメンだったわけですが、やっぱりセットが一試合を通して安定せずにアタッカーが打ちにくそうでした。石川祐希所属のミラノも正セッターの不在が勝敗に大きく影響していますが、このようにレベルが高くなればなるほどセッターによって試合内容が大きく左右されるということを痛感させられます。

またセッターは自ら点数を(アタッカーと比べると)取りにいかない、いわゆる「ノンスコアリングポジション」です。したがって、いいプレーができているときはそこまで目立たないですが、プレーが悪くなると悪目立ちしてしまいます。だからこのようにいいセッターほどいなくなってからより一層「いいセッターだったんだな」と思わされますね。

そんな中でもパリは40歳の大ベテランOHコヴァチェヴィッチが頑張ってくれていました。元セルビア代表選手で、現代表の左利きのOHウロシュのお兄さんです。

1セット取って、2、3セット取られたあとの第4セット序盤は「お、いけそう!」と思わせてくれましたが、その後のボロボロ具合がひどかった。あの7連続得点で集中力切れましたね。選手交代も意味を成してませんでしたし、そもそも後手後手でした。

前回に続いて宮浦が元気ないですね。スパイクの面でセッターが変わって打ちにくそうなのはわかるんですが、サーブでもブレイクを取れていません。この試合では強いサーブがなかなか入らずにコントロールサーブ中心に打っていましたが、それもブレイクには繋げられませんでした。第2セットも第3セットも彼のサーブが1発出れば大きく流れが変わるという場面があっただけにもったいない。

個人的には彼には強いサーブをガンガンに打っていってほしいです。彼の強烈なサーブはチームを勢いづけるという意味で点数以上の価値があると思うので。オポジットというポジションの大きな役割のひとつはダイナミックなプレーでチームを勇気づけてチームに流れを持っていくることだと思っています。宮浦にはコート上では常にそんな存在でいてほしいと思います。

サンナゼールのMVPはOPエンシンでしたけど、個人的にはMBシュニッツァーにMVPをあげたい。ミドルブロッカーながらOPエンシンと同じ14得点、サーブで4点、ブロックで3点、アタックで7点で効果率も70%と大車輪の活躍でした。特にサーブは試合序盤からパリにかなりのプレッシャーをかけていたと思います。パリオリンピック出場を決めたカナダ代表でもスタメンを張っていた選手です。

さてパリは今週末にまたすぐ試合があります。モッタパエスが復帰できるかどうかわかりませんが、そうでなくても来週からトゥールコアン、ナントと強豪との試合が続くので今週末のセートには何としてでも勝たなければ。ミヤケンの爆発を祈ります!!!

Photo: Paris Volley

-試合レポート
-, , , , ,