インタビュー

髙橋藍「今シーズンはフルで戦う」

2022年10月25日

現地時間10月23日(日)、イタリア男子バレーボールリーグセリエA第4節パドヴァ対ペルージャの試合が行われ、昨季レギュラーシーズン1位のペルージャがホームのパドヴァに3-1(21-25, 25-12, 25-19, 25-18)で勝利しました。

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試合後、パドヴァの髙橋藍選手(OH、日本)にお話を伺いました。

―今日の試合を振り返っていかがですか。

髙橋:自分的には調子がよくて、1セット目はかなりいい形で入れました。この勢いというか、パドヴァのいい形というか、そういった自分たちのバレーがしっかり出せて、こういう強豪と言われるチームに1セット取っていい流れを作ることができました。しかし2セット目の出だしになかなかうまく入れず、その勢いに乗り続けることができませんでした。こうした場面では常に集中を切らさず、セット挟んでもう1回ゼロから、もう一度自分自身も含めてチーム全体で気持ちを切り替えるというところをもっと意識してやっていく必要があると思います。こうしたことが課題として出たので、これからそれを求めていかないといけないかなと思います。

―先週のチステルナ戦(パドヴァは1-3で敗退)は髙橋選手個人としてもかなり苦しまれていたと思うのですが、そこから今日の試合までにどう切り替えられたのでしょうか。

髙橋:先週は自分自身のパフォーマンスがあまりよくなくて、代えられてしまう場面もありました。でもそれを引きずらずに、そういう日でも自分自身がその日に出せる100%を出すために、そのようなシチュエーションになったときのために事前に自分自身のメンタルを作っておきました。今日の試合の最初も、もしそういう(先週のようにスパイクがうまく決まらない)シチュエーションになったときに自分自身がどうプレーして、何で補っていくのかということを考えていました。やっぱり自分自身はレシーブという強みがありますし、そっちでチームに貢献することはできます。このようにあるパフォーマンスが上がらないときにどうしていくのかというのは試合前に事前に考えるということを常にやっているので、前の試合をそこまで自分自身も引きずらずに今日の試合に臨むことができました。今日はかなりいい感じで試合に入ることができたので、それは自分にとってもいい経験になりました。これからどんどんそういったシチュエーションが出てくると思うんですけど、そういうシチュエーションでちゃんと次の試合で、もしくはその試合の中で切り替えていける、そういう力を常に求めていきたいなと思っています。

―ここまでのイタリアでの4試合を振り返ってみていかがですか。

髙橋:(今季は)シーズン通して戦えますし、スターティングメンバーとしてポジションを維持することもできてます。これはやっぱりチーム内で開幕前に監督であったりチームメイトから信頼を得られたからこそだと思うので、これを掴めたことは自分自身にとって大きな収穫であり経験になっていると思います。今季はまだ4試合で、今は2勝2敗というところで、次の試合がすごく重要になってくると思います。シーズンはまだまだ長いですけど、本当に1試合1試合にしっかり集中して、そこに意識を向けてやっていきたいなと思っています。

―昨シーズンと比べてここまでどのような違いを感じていますか。

髙橋:去年はやはり12月からという途中からの合流だったので、チームから見ても少し、なんて言うんですかね、お客さん扱いじゃないんですけど、練習生みたいな雰囲気が自分的にもありました。去年はそこはもうしょうがない部分だったので、(シーズンが終わるまでの)4カ月で何ができるのかというところを自分自身で本当に考えてやっていました。でも今シーズンはスタートから来れるというところでやっぱりそこの気持ちが違います。本当に今シーズンはフルで戦う。自分自身でスターティングメンバーを勝ち取って、イタリアのリーグをもうモロに実感するというか、経験する。その中で自分自身がどれほどのプレーが通用するのかであったり、そのシーズンを通してどこまで成長できるかというところがすごく大事になってくると思います。やっぱりそこは、気持ちの部分、本当にまずは気持ちの入りというところでこのシーズンは違うのかなというところがあります。

―今日の試合、髙橋選手が得点するシーンで一番会場が沸いていたように感じました。パドヴァのファンについてはどう感じていますか。

髙橋:本当にイタリアのリーグというところは盛り上がりがすごいなと改めて感じますし、パドヴァのファンの方々も自分自身のファンの方々も温かく応援してもらっているので、そこに対する期待に応えるという意識はもちろんあります。また今年は最初からこうして日本人のプレーヤーの髙橋藍という選手が来ているということで、去年とはお客さんの見方であったり、認識の仕方というのがまた違うと思います。今年の代表シーズン、世界選手権であったり、VNLではイタリアを倒したというところでイタリアのお客さんも日本のバレーを意識してくれているところがあると思います。その中で今シーズンは(その日本人選手が)イタリアに来て戦ってくれて嬉しいと思ってもらえていれば幸いです。そうしたすごいお客さんに恵まれて、いい環境で自分自身もバレーができているなと思っています。

―イタリアリーグでこれまでに戦った選手、あるいはこれから戦う選手で気になる選手はいますか。

髙橋:そうですね。気になる選手は、自分自身やはり意識していきたい選手というのは同世代の選手ですね。イタリア代表で言ったらミケレット選手であったりとか。(今シーズンのイタリアリーグには)若い選手がかなり多く、自分自身はその中でサイズ的には小さくなるんですけど、また違う戦い方があるんだぞというところを見せていきたいです。意識の部分というところはやっぱり年上の、日本の選手で言ったら石川選手であったり、今日本当にすごいサーブを、いいサーブを常に入れ続けていたペルージャのセメニウク選手(ポーランド)であったり。本当にお手本になる選手、(技を)盗める選手というのはかなり多いので、すべてが自分にとってはいい収穫や経験になるのかなと思っています。

写真:筆者撮影

また同試合後のセメニウク選手のコメントはこちら↓

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